FP2級の過去問
2021年1月
実技 問98

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問題

FP技能検定2級 2021年1月 実技 問98 (訂正依頼・報告はこちら)

下記<資料>は、正之さんの兄である武史さんの遺産等の明細である。武史さんの妻である郁子さんが取得した死亡保険金および死亡退職金のうち、相続税の課税価格の合計額に算入される金額として、正しいものはどれか。なお、武史さんの死亡時には、すでに三郎さんおよび敦子さんは死亡していたものとする。また、武史さんの相続に際しては、優子さんと正之さんは相続を放棄している。

<設例>
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  • 700万円
  • 1,000万円
  • 2,200万円
  • 2,700万円

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は 2 です。

死亡保険金の非課税枠は
 500万円×法定相続人の数
で求められます。


なお、相続税法上における法定相続人は、相続を放棄した者があっても、放棄がなかったものとして法定相続人の人数に含めます。
民法上の法定相続人は、相続を放棄した者は含めません。

よって、本問における法定相続人の人数は、郁子さん・優子さん・正之さんの3人となり、死亡保険金の非課税枠は
 500万円×3人=1,500万円 です。

また、死亡退職金については、死亡保険金の非課税枠とは別枠
 500万円×法定相続人の数
が非課税枠として控除されます。

これをもとに、死亡保険金と死亡退職金のうち、相続税の課税価格の合計額に算入される金額を算出します。

・死亡保険金 1,200万円 - 1,500万円 = −300万円 → 0円
・死亡退職金 2,500万円 - 1,500万円 = 1,000万円

よって、

→課税所得金額 0円 + 1,000万円 = 1,000万円 となります。

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02

正解は、2です。

<法定相続人の人数について>

近藤家の親族関係図を見ると、武史さんには子がおらず直系尊属(三郎さん・敦子さん)も既に死亡しているので、兄弟姉妹である優子さんと正之さんが配偶者の郁子さんとともに法定相続人となります。優子さんと正之さんは相続を放棄していますが、相続税の計算上は、相続を放棄した者も法定相続人の数に含めて計算します。

よって法定相続人は「3人」です。

<相続人が受け取る死亡保険金および死亡退職金の非課税について>

被相続人の死亡により、相続人が受け取る死亡保険金および死亡退職金は、

それぞれ「500万円×法定相続人の人数」ですので、「500万円×3人=1500万円」の金額が非課税となります。

死亡保険金および死亡退職金から1,500万円を控除した金額が、相続税の課税価格に算入する金額です。

死亡保険金は非課税限度額以下なので「0円」

死亡退職金は「2,500万円-1,500万円=1,000万円」

よって、死亡保険金および死亡退職金のうち、相続税の課税価格の合計に算入される金額は、1,000万円となります。

参考になった数3

03

正解は2です。

まず、本設問の相続人について、配偶者である郁子さんの他に、正之さんと優子さんも相続人としてカウントされます。これは、被相続人には子がおらず、両親も他界しているため、兄弟に相続人としての順番が回ってくるためです。

武史さんの保険金は被保険者と保険者が同じで保険金受取人が別人なので相続税として課税対象になりますが、法定相続人の人数によって控除額が変動します。そして、正之さんと優子さんのように相続を放棄している場合であっても、控除額を決定するための人数カウントには含まれます。

保険金に関して、法定相続人1人あたり500万円の控除が受けられるため、本設問では500万円 ✕ 3人 = 1500万円までが控除できます。

したがって、1200万円の死亡保険金全額を非課税にすることが可能です。

死亡退職金も先と同じく、「500万円 × 法定相続人数」の控除が受けられるため、

2500万円 − 1500万円 = 1000万円 となります。

これより死亡保険金と死亡退職金の課税対象となる価格は、

0円 + 1000万円 = 1000万円 となります。

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