2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級) 過去問
2021年5月
問81 (実技 問81)

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問題

2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)試験 2021年5月 問81(実技 問81) (訂正依頼・報告はこちら)

阿久津太郎さん(38歳)は、父(70歳)と叔母(68歳)から下記<資料>の贈与を受けた。太郎さんの2020年分の贈与税額を計算しなさい。なお、父からの贈与については、2019年から相続時精算課税制度の適用を受けている。また、解答に当たっては、解答用紙に記載されている単位に従うこと。


<資料>
[2019年中の贈与]
・ 父から贈与を受けた金銭の額:2,000万円

[2020年中の贈与]
・ 父から贈与を受けた金銭の額:1,000万円
・ 叔母から贈与を受けた金銭の額:800万円

※2019年中および2020年中に上記以外の贈与はないものとする。
※上記の贈与は、住宅取得等資金や結婚・子育てに係る資金の贈与ではない。

問題文の画像
  • 2,150,000円
  • 2,510,000円
  • 2,650,000円
  • 3,150,000円

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この過去問の解説 (3件)

01

【正解2】

まず、太郎さんは父からの贈与について相続時精算課税制度の適用を受けているため、贈与財産の合計額から2,500万円(複数年にわたり利用でき、累計で2,500万円)を控除することができます。

父からの贈与は2,000万円 + 1,000万円 = 3,000万円なので、控除の金額は500万円、

この金額に一律20%の税率を乗じた

500万円 × 20% = 100万円 …①

が贈与税額となります。

次に、太郎さんが叔母から贈与を受けた金銭800万円は、直系尊属からの贈与ではないため、一般贈与財産となり、(ロ)の速算表を用いて贈与税額を計算します。

基礎控除後の課税価格は

800万円 − 110万円(基礎控除)= 690万円なので、贈与税は

690万円 × 40% − 125万円 = 151万円 …②

となります。

よって、太郎さんの2020年分の贈与税額は、① + ② =251万円

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02

正解は 2 です。

【①父からの贈与分:相続時精算課税】

相続時精算課税制度の特別控除額 2,500万円(限度額まで複数回にわたり使用可能)

・特別控除額2,500万円を超える部分は一律20%の課税

父からの2019年中の贈与2,000万円 + 2020年中の贈与1,000万円 = 3,000万円

 ↓

3,000万円 − 特別控除額2,500万円 = 課税所得500万円

 ↓

500万円 × 税率20% = 贈与税額100万円

【②叔母からの贈与分:暦年課税】

暦年課税の基礎控除額:年間110万円

・基礎控除額を超える部分は、10%~55%の8段階の超過累進税率

叔母からの2020年中の贈与800万円 − 基礎控除額110万円 = 課税所得690万円

 ↓

690万円 × 税率40% − 控除額125万円 = 贈与税額151万円

(叔母は直系尊属以外の場合に該当するため、速算表はロを使用)

【贈与税額】

①父からの贈与分100万円 + ②叔母からの贈与分151万円 = 贈与税額251万円

なお、暦年課税と相続時精算課税は贈与者ごとに選択できます。

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03

この問題は、「贈与税の計算」に関する計算問題です。特に、相続時精算課税制度と暦年課税制度が混在するケースにおいて、それぞれの制度の適用方法、控除額、税率、速算表の使い方を正しく理解しているかが問われます。

選択肢1. 2,150,000円

不適切

選択肢2. 2,510,000円

適切

太郎さんは父からの贈与について相続時精算課税制度の適用を受けているため、贈与財産の合計額から特別控除額2,500万円を控除することができます。
2,000万円(1年目)+1,000万円(2年目)=合計3,000万円 となっており、
これに対する控除額は、
3,000万円 − 2,500万円 = 500万円

控除後の金額に対して、一律20%の税率を適用して贈与税を算出します。

500万円 × 20% = 100万円 …①

 

一方、叔母からの贈与800万円は直系尊属ではない親族からの贈与であるため、暦年課税(一般贈与)の対象となり、基礎控除110万円を差し引いた後の課税価格は、

800万円 − 110万円 = 690万円

この課税価格に対して、「一般贈与財産(ロの速算表)」を用いて計算します。

690万円 × 40% − 125万円 = 151万円 …②

以上より、2020年分の贈与税額は、相続時精算課税分(①)+ 一般贈与分(②)

100万円 + 151万円 = 251万円

となります。

選択肢3. 2,650,000円

不適切

選択肢4. 3,150,000円

不適切

まとめ

相続時精算課税制度と暦年課税制度が併用されている場合は、それぞれの制度の適用対象・控除額・税率が異なる点に注意する必要があります。

相続時精算課税制度では、特別控除2,500万円を超える部分に一律20%の税率を適用します。

暦年課税制度では、基礎控除110万円を超える金額に対して速算表に基づいて税額を算出します。

それぞれの贈与にどの制度が適用されているかを明確に区別して計算を行うことが重要です。

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