2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級) 過去問
2021年9月
問11 (学科 問11)

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

FP技能検定2級 2021年9月 問11(学科 問11) (訂正依頼・報告はこちら)

生命保険の保険料等の一般的な仕組みに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  • 収支相等の原則は、保険会社が受け取る保険料等の総額が、保険会社が支払う保険金等の総額と等しくなるように保険料を算定する原則をいう。
  • 保険料は、将来の保険金・給付金等の支払いの財源となる純保険料と、保険会社が保険契約を維持・管理していくために必要な経費等の財源となる付加保険料で構成される。
  • 所定の利率による運用収益をあらかじめ見込んで保険料を割り引く際に使用する予定利率を低く設定した場合、新規契約の保険料は安くなる。
  • 保険会社が実際に要した事業費が、予定していた事業費よりも少なかった場合、費差益が生じる。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (3件)

01

不適切な選択肢はです。

1:適切です。

保険会社の収入と支出が等しくなるよう、保険料を算定することを「収支相当の原則」と呼びます

2:適切です。

生命保険の保険料は、問題文にある通り、「純保険料」と「付加保険料」の合計となっています。

3:不適切です。

予定利率を低くした場合、運用等で得られるお金が少なくなるため、新規契約の保険料は高くなります。

4:適切です。

当初予定の事業費より少ない金額で事業を回せた場合、その差額が保険会社の利益となり、これを「費差益」と呼びます。

参考になった数5

02

正解は3です。

保険はリスクマネジメントの主要な手段であり、国民の9割以上が民間保険に加入しています。

FP試験においても出題は多く、対策をしっかりやれば得点源にできます。

1…適切です。記述の通りです。

  こちらと「大数の法則」保険料算定の基本原則として必出です。

2…適切です。

  純保険料は「予定死亡率」「予定利率」

  付加保険料は「予定事業費率」を基に計算されます。

3…不適切です。

  「予定利率」は記載の通り「割引率」です。

  割引率が低くなれば、保険料は高くなります。

4…適切です。記述の通りです。

  予定(していた)事業率は保険料に組み込まれています。

  予定事業率と保険料は連動しています。

参考になった数3

03

生命保険料の保険料についての一般的な知識は、頻出かつFP3級でも求められる範囲です。

2級受験者であれば、しっかり押さえておくべきです。

名称がややこしい箇所はありますが、しっかり整理して覚えれば難しくない暗記できる範囲なので、しっかり復習しておきましょう。

選択肢1. 収支相等の原則は、保険会社が受け取る保険料等の総額が、保険会社が支払う保険金等の総額と等しくなるように保険料を算定する原則をいう。

適切

収支相等の原則とは、その名の通り、収入と支出が等しくなるような原則ということです。

加入者から支払われる保険料の総額+保険料を運用した利益と、保険会社が支払う保険金+保険会社の運営費が等しくなるように、一人ひとりの保険料を算定しなければなりません。

選択肢2. 保険料は、将来の保険金・給付金等の支払いの財源となる純保険料と、保険会社が保険契約を維持・管理していくために必要な経費等の財源となる付加保険料で構成される。

適切

保険料は純保険料と付加保険料の2種類で構成されています。

純保険料将来、保険料を支払うための財源予定死亡率と予定利率に基づいて算出されます。

付加保険料保険会社を維持・管理していくための経費となる財源予定事業費率に基づいて算出されます。

選択肢3. 所定の利率による運用収益をあらかじめ見込んで保険料を割り引く際に使用する予定利率を低く設定した場合、新規契約の保険料は安くなる。

不適切

予定利率とは、契約者が支払った保険料を運用したときの予想り利回りのことです。

なので、予定利率を低く設定するということは、運用益が少なくなると予想することになるので、より多くの保険料を支払ってもらわないと保険金の支払いや保険会社を維持できなくなります。

よって、新規契約の保険料は高くなります。

逆に予定利率を高く設定すると、運用益が多くなるので、保険料は安くなります。

 

予定事業費率保険会社の運営で必要な経費の割合のこと。

予定事業率が高いということは、より事業をするためのお金が必要ということになるので、保険料は高くなります。

予定死亡率ある年齢の男女が死亡する確率のこと。

一般的に女性の方が平均寿命が長いため、以下のように保険料が変わることが多いです。

<終身保険>

女性 安い   男性 高い

終身保険は被保険者が一生涯、保険会社に保険料を支払う保険なので、平均寿命が長いほど長く保険料を支払うことになるので、保険料は安くすみます。

<終身年金>

女性 高い   男性 安い

終身年金は一生涯被保険者に年金を保険会社が支払わなければなりません。そのため女性の方が保険料を高くして、長く支給できるようにしなければなりません。

選択肢4. 保険会社が実際に要した事業費が、予定していた事業費よりも少なかった場合、費差益が生じる。

適切

保険会社は、利差益・死差益・費差益という余剰金が生まれる場合があります。

それぞれが以下の通りです。

〇利差益…予定よりも運用がうまくいき出た利益

〇死差益…予定よりも死亡者数が少なかったので、死亡保険金を支払う必要がなく残った利益

費差益…予定よりも事業にかかる費用が少なく残った利益

参考になった数0