FP2級の過去問
2021年9月
実技 問79

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問題

FP技能検定2級 2021年9月 実技 問79 (訂正依頼・報告はこちら)

会社員の浅見さんは、2021年4月末に、勤務先を退職した。浅見さんの退職に係るデータが下記<資料>のとおりである場合、浅見さんの退職一時金に係る退職所得の金額として、正しいものはどれか。

<資料:浅見さんの退職に係るデータ>
・勤続期間:36年9ヵ月
・支給された退職一時金の額:2,500万円(所得税等を控除する前の金額)
・浅見さんは、勤務した会社で役員であったことはない。
・退職は障害者になったことに基因するものではない。
・「退職所得の受給に関する申告書」は適切に提出されている。
  • 255万円
  • 290万円
  • 510万円
  • 1,020万円

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は 1 です。

退職所得金額を求めるには、まず「退職所得控除額」を計算しなくてはいけません。

【勤続年数20年以下の場合】

 40万円✕勤続年数

【勤続年数20年超えの場合】

 800万円 + 70万円 ✕ (勤続年数 − 20)

 ※勤続年数に1年未満の端数が発生している場合は1年として数えます。

この問題では、勤続年数は36年9ヵ月のため、37年として計算します。

【勤続年数20年超えの場合】の式に当てはめ、退職所得控除額を計算します。

800万円 + 70万 ✕ (37年 − 20年) = 1,990万円

退職所得金額は【(収入金額 − 退職所得控除額) ÷ 2 】で求められるため、

(2,500万円 − 1,990万円) ÷ 2 = 255万円 となります。

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02

正解は1です。

退職所得は退職所得控除を差し引きます。

この退職所得控除は勤続年数が20年以下かどうかで計算方法が変わります。

20年以下… 40万円 × 勤続年数 (※最低80万円)

20年超…… 70万円 × (勤続年数 − 20) + 800万円

1年未満の勤続年数は1年に切り上げます。

また、障害者になった事に基因する退職の場合は①②とも100万円を加算します。

退職所得として課税対象になるのは、①②で算出した金額の1/2になります。

ただし勤続年数が5年以下の役員の場合、1/2にはなりません。

なお、「退職所得の受給に関する申告書」が未提出の場合は、

上記の控除が適用されず、源泉徴収となるため確定申告が必要になります。

計算式は下記のとおりです。

※勤続年数 36年9か月 →「37年」として計算 ・・・20年超

70万円 ×(37年 − 20年) + 800万円 = 1,990万円

(2,500万円 − 1,990万円) × 1/2 = 255万円

    ※浅見さんは役員であったことはないので1/2

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03

正解は1です。

退職所得 = (収入額 − 退職所得控除額) × 1/2

しっかり覚えるべき箇所は、退職所得控除になります。

下記の内容をしっかり押さえましょう。

<退職所得控除額の公式>

①勤続年数が20年以下の場合

 40万円 × 勤続年数 = 退職所得控除額

②勤続年数が20年超の場合

 800万円 + 70万円 × (勤続年数 − 20年) = 退職所得控除額

※勤続年数のカウントでは、1年未満は切り上げます。

問題の数字を当てはめると

退職所得控除額:800万円 + 70万 × (37年 − 20年) = 1,990万円

   ※勤続年数は36年9ヵ月なので「37年」に切り上げます。

退職所得:(2,500万円 − 1,990万円) × 1/2 = 255万円 となります。

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