FP2級の過去問
2022年9月
学科 問39

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問題

FP技能検定2級 2022年9月 学科 問39 (訂正依頼・報告はこちら)

会社と役員間の取引に係る所得税・法人税に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  • 会社が株主総会の決議を経て役員に対して退職金を支給した場合、その退職金の額は、不相当に高額な部分の金額など一定のものを除き、その会社の所得金額の計算上、損金の額に算入することができる。
  • 会社が役員の所有する土地を時価未満の価額で譲り受けた場合、時価と譲受対価の差額相当額は、その会社の所得金額の計算上、益金の額に算入される。
  • 役員が会社に無利息で金銭の貸付けを行った場合、原則として、通常収受すべき利息に相当する金額が、その役員の雑所得の収入金額に算入される。
  • 役員が会社の所有する社宅に無償で居住している場合、原則として、通常の賃料相当額が、その役員の給与所得の収入金額に算入される。

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この過去問の解説 (3件)

01

難しく考えがちな分野ですが、まずは会社と役員のどちらが“得をしている”のか見つけましょう。

基本的に役員が得をしていれば役員の給与として計算し、会社が特をしている場合は受贈益として考えます。

この場合は税金を納める必要が出てきます。

これが分かるだけで、問題文の意味の理解が早まります。

選択肢1. 会社が株主総会の決議を経て役員に対して退職金を支給した場合、その退職金の額は、不相当に高額な部分の金額など一定のものを除き、その会社の所得金額の計算上、損金の額に算入することができる。

適切

役員に足しての退職金の額は社会的に不相当とならない場合は、その事業年度の損金算入が可能です。

選択肢2. 会社が役員の所有する土地を時価未満の価額で譲り受けた場合、時価と譲受対価の差額相当額は、その会社の所得金額の計算上、益金の額に算入される。

適切

会社が役員の所有する土地を時価未満の価額で譲り受けたという事は、会社が安く土地を取得でき得をしたということです。

この場合は受贈益となり、益金の額に算入されます。

ちなみに役員は会社へ土地を譲渡したことになり、譲渡所得となります。

譲渡所得は時価の1/2未満と1/2以上で売った場合で譲渡収入の金額が変わります。

1/2未満→時価が譲渡収入となる

1/2以上→売価額が譲渡収入となる

選択肢3. 役員が会社に無利息で金銭の貸付けを行った場合、原則として、通常収受すべき利息に相当する金額が、その役員の雑所得の収入金額に算入される。

不適切

役員が会社に無利息で貸付をした場合は、どちらにも課税されません。

会社としては「役員借入金」となります。

選択肢4. 役員が会社の所有する社宅に無償で居住している場合、原則として、通常の賃料相当額が、その役員の給与所得の収入金額に算入される。

適切

役員が会社の所有する社宅に無償で居住しているということは、役員が得をしているということです。

そのため役員は賃料相当額が給与所得の収入金額に算入され、所得税・住民税が課税されます。

参考になった数3

02

法人と役員の取引に関する問題です。

選択肢1. 会社が株主総会の決議を経て役員に対して退職金を支給した場合、その退職金の額は、不相当に高額な部分の金額など一定のものを除き、その会社の所得金額の計算上、損金の額に算入することができる。

適切な選択肢

 

役員への退職金は適正な額であれば全額損金へ参入することができます。

選択肢2. 会社が役員の所有する土地を時価未満の価額で譲り受けた場合、時価と譲受対価の差額相当額は、その会社の所得金額の計算上、益金の額に算入される。

適切な選択肢

 

役員から法人へ時価よりも低額または無償での譲渡があった場合、法人側は時価と実際に支払った金額との差額が受贈益として所得金額の計算上、益金へ算入されます。


役員側は時価の1/2未満での譲渡の場合は時価が譲渡収入としてみなされ、1/2以上での譲渡の場合は譲渡価格が譲渡収入としてみなされます。

選択肢3. 役員が会社に無利息で金銭の貸付けを行った場合、原則として、通常収受すべき利息に相当する金額が、その役員の雑所得の収入金額に算入される。

不適切な選択肢

 

役員から法人への無利息の貸付は、法人・役員ともに課税関係は生じません

選択肢4. 役員が会社の所有する社宅に無償で居住している場合、原則として、通常の賃料相当額が、その役員の給与所得の収入金額に算入される。

適切な選択肢

 

役員が会社の所有する社宅に無償で居住している場合、役員は賃料相当額の給与を受けたものとなります。

参考になった数0

03

会社と役員間の取引には様々な注意点があります。頻出箇所をおさえておきましょう。

選択肢1. 会社が株主総会の決議を経て役員に対して退職金を支給した場合、その退職金の額は、不相当に高額な部分の金額など一定のものを除き、その会社の所得金額の計算上、損金の額に算入することができる。

(適切)

法人が役員に支給する退職金で適正な額のものは、損金の額に算入されます。

選択肢2. 会社が役員の所有する土地を時価未満の価額で譲り受けた場合、時価と譲受対価の差額相当額は、その会社の所得金額の計算上、益金の額に算入される。

(適切)

会社が役員の所有する土地を時価未満の価額で譲り受けた場合、実際の購入金額と時価との差額が益金に参入されます。

選択肢3. 役員が会社に無利息で金銭の貸付けを行った場合、原則として、通常収受すべき利息に相当する金額が、その役員の雑所得の収入金額に算入される。

(不適切)

役員が会社に無利息で金銭の貸付けを行った場合、貸し付けた役員は利息を受け取っていないため、原則として所得税課税はありません

選択肢4. 役員が会社の所有する社宅に無償で居住している場合、原則として、通常の賃料相当額が、その役員の給与所得の収入金額に算入される。

(適切)

役員が会社の所有する社宅に無償で居住している場合、原則として、通常の賃料相当額が、その役員の給与所得の収入金額に算入されます。

参考になった数0