FP2級の過去問 2022年9月 学科 問51
この過去問の解説 (3件)
この問題のポイントは贈与について理解できているかです。それでは問題を見ていきましょう。
問題文の通りです。民法第549条によると、贈与は、当事者の一方がある財産を無償で相手方に与える意思をを表示し、相手方が受託することによって、その効力を生ずる、とあります。
書面によらない贈与は、履行が終わった部分でなければ、いつでも撤回することができます。
書面によらない贈与の財産の取得時期は、その履行の時となります。
対価を支払わないで、また著しく低い対価で債務の免除を引き受けた場合、その利益を受けた人は贈与により取得したものとみなされます。しかし債務免除等による利益を受けた場合でも、その債務の弁済をすることが困難である部分については、贈与により取得したとみなされません。
贈与について基本的概要を理解するようにしましょう。
贈与と相続は間違えやすいので、しっかり区別して覚えるようにしましょう。
ややこしい語句も出てきますので、漢字や説明に惑わされずにしっかり問題を読むことが大切です。
適切
贈与とは与える側と受け取る側がお互いに承諾をして授受をすることで成立します。
この贈与のことを「諾成契約」と言い、条件によっては贈与税の支払いが必要となります。
<間違えやすい問題(どちらも相続税の対象)>
・死因贈与→与える側が死亡時に財産等を与えることを、お互いに承諾して行われる相続。
・遺贈→与える側が死亡時に財産等を与えることを、相手が知らないで行われる相続。
これらは「贈」という漢字が使われていますが、相続税の対象となるので併せて覚えましょう。
不適切
書面によらない贈与は、履行前であれば解除が可能です。
しかし書面による贈与契約に関しては、履行前でも撤回は不可能です。
不適切
相続税法上、書面によらない贈与の取得時期は、原則として、贈与が履行が行われた時です。
一方、書面による贈与の取得時期は、原則として、贈与の契約がなされた時です。
細かいですが、しっかり区別しましょう。
基本的に書面によらない場合は実際に贈与が行われた時、書面がある場合は書面で契約が行われた時となります。
不適切
基本的に債務者が返済すべき債務の免除を受けた場合は、その免除は返済相手からの贈与と見なされ贈与税がかかります。
しかし設問のように、債務を返済することが困難である場合は、返済が不可能である分の贈与税は対象外となります。
贈与については、書面によるか否か、履行の有無をしっかりおさえると得点しやすいです。
(正しい)記述の通りです。このような、当事者の意思の合致だけで成立する契約を諾成契約といいます。
(誤り)書面によらない贈与は、その履行がなされていなければ当事者双方から撤回できます。
(誤り)書面によらない贈与の場合は、贈与の履行があった時に取得したとされます。
(誤り)「困難な部分についも対象となる」とありますが、ただし、社会通念上債務の支払いが不能であるとされた部分は対象外になります。
この問題は、相続税法はともかく民法をしっかりと理解していれば簡単な問題です。
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