問題
なお、評価の対象となる宅地は、借地権(建物等の所有を目的とする地上権または賃借権)の設定に際し、その設定の対価として通常権利金その他の一時金を支払う「借地権の取引慣行のある地域」にあるものとする。また、宅地の上に存する権利は、定期借地権および一時使用目的の借地権等を除くものとする。
土地の評価は、貸している側と借りている側で権利が変わります。
難しい聞き方をしていても、貸している側か借りている側かを把握することで、選択肢が絞りやすくなるので、設問をしっかり読むことが大切です。
似ている用語も多いので、注意して覚えるようにしましょう。
※この設問は、土地の所有者Rを用いて解説をします。
適切
借地権とは、Rさんの土地をAさんが借りている場合のAさんの権利のことを言います。
この選択肢は、Aさんが土地を借りて居住用の自宅を建築しているので、借地権として評価します。
適切
自用地とは自分の土地を自分のために使用している宅地のことです。
この選択肢は、Bさんが青空駐車場として自分の土地を利用していると書かれています。
青空駐車場とは屋根などがなく、地面に線が引いてあるだけだったりする簡易的な駐車場のことです。
この場合は宅地を建てたいと思ったときに、簡単に使用方法を変えることができることから、自用地として評価します。
不適切
この選択肢は、Cさんが子C’さんに無償で宅地を貸し、子C’さんがアパート経営をしていると書かれています。
この場合、無償で賃借していることから賃貸借契約が結ばれておらず、「使用貸借」ということになります。
この場合は自用地として評価します。
適切
貸家建付借地権とは、借りている土地の上に自分で貸借のできる建物を建て、その建物を他の人に貸すことのできる権利のことです。
Rさんの土地をDさんが借りて、その上にDさんがDさん名義のアパートを建てて、アパート経営をしていたということです。
その場合は、貸家建付借地権として評価します。
借地権・貸家建付借地権は借りる側の権利です。
貸宅地・貸家建付地は貸す側の権利です。
迷わないようにしっかり整理しておきましょう。
`本問題は難易度が高いです。借地権、使用貸借など基本的な用語と意味を覚えるようにしましょう。
問題文の通りです。建物の所有を目的として土地を賃借しているため、借地権として評価されます。
問題文の通りです。借地権として評価されるには、建物の所有を目的として土地の賃借を行う必要があります。青空駐車場のように、更地の場合は自用地として評価されます。
不適切。権利金や地代の授受がなく、無償で土地を貸し付けています。このように無償で貸し借りする契約を使用貸借と言います。使用貸借の土地は自用地として評価されます。また、建物もCさんの子が建築したので、貸家ではありません。
問題文の通りです。建物を所有する目的で土地を賃借し、Dさん名義でアパートを建て貸し付けているため、貸家建付借地権として評価されます。
借地権、使用貸借など基本的な用語を抑えておきましょう。また、余裕があれば地上権などの用語を覚えるようにしましょう。
宅地および宅地の上に存する権利の相続税における財産評価で、借地権と評価されるには、建物の所有を目的としているかチェックすることがポイントです。
(正しい)記述通りです。
(正しい)記述通りです。
(誤り)権利金や地代の授受なく無償で貸し付けることを使用貸借といいます。
使用貸借で貸している宅地の評価は、自用地となります。
また、使用貸借の場合は、子が建てたアパートには貸家建付地には該当しません。
(正しい)記述通りです。