FP2級の過去問
2023年1月
学科 問8

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

FP技能検定2級 2023年1月 学科 問8 (訂正依頼・報告はこちら)

確定拠出年金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  • 企業型年金を実施する事業主は、企業型年金規約において、加入者に一定の資格を定めることができる。
  • 企業型年金における加入者掛金(マッチング拠出により加入者が拠出する掛金)の上限額は、事業主掛金の額にかかわらず、拠出限度額から当該加入者に係る事業主掛金の額を差し引いた額となる。
  • 企業型年金の掛金は、月単位での拠出のほか、賞与時期のみの拠出や年1回の拠出も可能である。
  • 企業型年金や確定給付企業年金等を実施していない一定規模以下の中小企業の事業主は、労使の合意かつ従業員の同意を基に、従業員が加入している個人型年金の加入者掛金に一定額の事業主掛金を上乗せして納付することができる。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (3件)

01

確定拠出年金は、個人型確定拠出年金の方が主題頻度が高いです。

企業型確定拠出年金の出題頻度が低いので、余裕があれば覚える程度にしましょう。

選択肢1. 企業型年金を実施する事業主は、企業型年金規約において、加入者に一定の資格を定めることができる。

適切

条件に関しては問われることが極めて少ないため、余裕があれば覚えるようにしましょう。

企業型年金は、厚生年金の被保険者であることが加入の条件です。

その中でも従業員の誰を加入者とするか、条件を設定することができます。

しかしこの条件は、差別的な扱いにならないようにすることが必須で、法令でも定められています。

加入資格は以下の通りです。

・職種→一定の職種の者のみが加入可能

・勤務期間→定められた勤務期間のある従業員が加入可能

・年齢→定められた年齢の者が加入可能(現在は70歳まで条件設定が可能)

・希望者のみ→従業員全員ではなく、希望者のみが加入可能

選択肢2. 企業型年金における加入者掛金(マッチング拠出により加入者が拠出する掛金)の上限額は、事業主掛金の額にかかわらず、拠出限度額から当該加入者に係る事業主掛金の額を差し引いた額となる。

不適切

企業型年金は基本的には事業主が掛金を拠出しますが、従業員からも追加で拠出することが可能です。

この従業員個人からの拠出のことを「マッチング拠出」と言います。

文章が分かりづらいですが、「従業員から拠出する金額の上限は、いくらまでですか」と問われています。

従業員が拠出する際は、事業主の拠出額と同額以下で、拠出限度額までです。

設問の「事業主掛金の額にかかわらず」が間違いで、事業主掛金よりも個人の掛金の方が少額でないといけません。

選択肢3. 企業型年金の掛金は、月単位での拠出のほか、賞与時期のみの拠出や年1回の拠出も可能である。

適切

企業型年金の掛金は、月払いだけでなく、賞与時期のみ・年払い・半年払いなどのまとめ払いも可能です。

これは個人型確定拠出年金(iDeCo)でも同じです。

選択肢4. 企業型年金や確定給付企業年金等を実施していない一定規模以下の中小企業の事業主は、労使の合意かつ従業員の同意を基に、従業員が加入している個人型年金の加入者掛金に一定額の事業主掛金を上乗せして納付することができる。

適切

企業によっては、企業型年金や確定給付企業年金などを実施していないことがあります。

その場合は、個人型確定拠出年金(iDeCo)に、企業が上乗せをして納付することができます。

もちろん同意が必要です。

この「従業員の個人型確定拠出年金に企業が上乗せして掛金を拠出できる制度」のことを「iDeCo+」と言います。

参考になった数5

02

確定拠出年金に関する問題は時々出題されています。最優先すべき問題ではないですが、制度の基本的な概要は覚えておくとよいです。

選択肢1. 企業型年金を実施する事業主は、企業型年金規約において、加入者に一定の資格を定めることができる。

適切

企業型年金を実施する事業主は、企業型年金規約において、加入者に一定の資格を定めることができます。加入条件の他、給付内容や掛金の拠出の仕方なども定めることができます。

選択肢2. 企業型年金における加入者掛金(マッチング拠出により加入者が拠出する掛金)の上限額は、事業主掛金の額にかかわらず、拠出限度額から当該加入者に係る事業主掛金の額を差し引いた額となる。

不適切

マッチング拠出による加入者掛金の上限額は、事業主掛金の額を上回らない額かつ事業主掛金と加入者掛金の合計が拠出限度額内でなければなりません。

マッチング拠出とは、企業型年金において事業主掛金に上乗せして加入者も掛金を拠出することを言います。

選択肢3. 企業型年金の掛金は、月単位での拠出のほか、賞与時期のみの拠出や年1回の拠出も可能である。

適切

企業型年金の掛金は、規約に定めることにより、賞与時期のみの拠出や複数月をまとめて拠出することができます。

選択肢4. 企業型年金や確定給付企業年金等を実施していない一定規模以下の中小企業の事業主は、労使の合意かつ従業員の同意を基に、従業員が加入している個人型年金の加入者掛金に一定額の事業主掛金を上乗せして納付することができる。

適切

企業型年金や確定給付企業年金等を実施していない一定規模以下の中小企業の事業主は、従業員の個人型年金の加入者掛金に事業主掛金を上乗せして納付することができます。

この制度を、中小事業主掛金納付制度(iDeCo+イデコプラスと言います。

参考になった数0

03

確定拠出年金については企業型年金と個人型年金があります。

今回は企業型年金の設問となっていますが、全体的に個人型年金の方が多く出題されています。

個人型年金と一緒に企業型年金の基本もしっかり押さえておきましょう。

選択肢1. 企業型年金を実施する事業主は、企業型年金規約において、加入者に一定の資格を定めることができる。

適切

事業主は規約の中で、企業型年金加入者となるための一定の資格を定めることができます。

企業型年金に加入できる条件は厚生年金被保険者であることです。

差別的な扱いが発生しないよう、規約では職種や勤務期間、年齢などの取り決めや、全員ではなく希望者のみ加入するなどルールが定められています。

選択肢2. 企業型年金における加入者掛金(マッチング拠出により加入者が拠出する掛金)の上限額は、事業主掛金の額にかかわらず、拠出限度額から当該加入者に係る事業主掛金の額を差し引いた額となる。

不適切

企業型年金の掛金は事業主が拠出しますが、従業員も上乗せ拠出ができる事をマッチング拠出と言います。

マッチング拠出には金額の上限が設けられています。

・事業主の掛金と合わせて上限55,000円です

・従業員は事業主の掛金より少なくします。

選択肢3. 企業型年金の掛金は、月単位での拠出のほか、賞与時期のみの拠出や年1回の拠出も可能である。

適切

企業型年金でも個人型年金でも掛金は年1回以上となっています。

規約に定めることにより、毎月・賞与時など自由に選択できます。

選択肢4. 企業型年金や確定給付企業年金等を実施していない一定規模以下の中小企業の事業主は、労使の合意かつ従業員の同意を基に、従業員が加入している個人型年金の加入者掛金に一定額の事業主掛金を上乗せして納付することができる。

適切

企業型年金や確定給付企業年金を実施していない企業の場合、個人型年金(iDeCo)の掛金に事業主掛金を上乗せすることができます。(iDeCo+)

iDeCo+は労使の合意かつ従業員の同意が必要となり、事業主の掛金は個人の掛金を上回ることも可能です。

まとめ

企業型年金には、企業型確定拠出年金に似た確定給付企業年金があります。

確定給付企業年金では受け取れる給付金はあらかじめ決められており、運用は年金運用機関に任せ、運用結果が悪い場合は会社が差額を補填します。

企業型確定拠出年金では受け取れる給付金は決まっておらず、運用は従業員が行うことにより運用次第で受取額が変わります。

それぞれの特徴を把握しておきましょう。

参考になった数0