FP2級の過去問
2023年1月
学科 問33
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問題
FP技能検定2級 2023年1月 学科 問33 (訂正依頼・報告はこちら)
所得税の各種所得の金額の計算上生じた次の損失の金額のうち、他の所得の金額と損益通算できないものはどれか。
- 不動産所得の金額の計算上生じた損失の金額のうち、不動産所得を生ずべき建物の取得に要した負債の利子に相当する部分の金額
- 生活の用に供していた自家用車を売却したことによる譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額
- コンサルティング事業を行ったことによる事業所得の金額の計算上生じた損失の金額
- 取得してから5年が経過した山林を伐採して譲渡したことによる山林所得の金額の計算上生じた損失の金額
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この過去問の解説 (3件)
01
損益通算に関する問題は頻出です。
今回はひっかけ問題がありますので、しっかりと押さえるようにしましょう。
損益通算ができる所得→不動産所得・事業所得・山林所得・譲渡所得
不適切
不動産所得で、「負債の利子に相当する部分」とあると損益通算できないと思いがちです。
しかしそれは“土地”の取得に要した負債の利子に相当する部分です。
今回は建物の取得に要した負債の利子に相当する部分は、損益通算ができます。
ひっかけ問題です。
適切
生活に必要で使用していた自家用車を売却したことによる収入は非課税です。
そのため、損益通算もできません。
不適切
事業所得は損益通算が可能です。
不適切
山林所得とは、所有期間が5年を超えた山林を、伐採して売却・立木のまま売却したことで得られる所得のことです。
山林所得は損益通算が可能です。
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02
損益通算についての問題は頻出問題です。損益通算ができる損失は、不動産所得、事業所得、山林所得、譲渡所得(総合課税)の4つです。その中にも損益通算の対象外になるものがあり、ひっかけとしてよく出題されています。損益通算の対象はどれか、例外はどれかを整理して覚えておきましょう。
損益通算できる
不動産所得の損失のうち、建物の取得に要した負債の利子は損益通算することができます。しかし、土地等の所得に要した負債の利子は損益通算の対象外です。「土地等」には、借地権などの土地の上にある権利が含まれています。
損益通算できない
生活用動産の譲渡による損失は損益通算の対象外です。生活用動産の譲渡による所得は非課税です。事業用車両や事業用機械の譲渡による損失は、損益通算できます。
損益通算できる
事業所得は損益通算することができます。
損益通算できる
取得してから5年が経過した山林を伐採して譲渡したことによる山林所得において、計算上生じた損失は損益通算することができます。
ただし、5年以内に譲渡した場合は、事業所得または雑所得となります。
〈損益通算できないもの〉
◎不動産所得
土地等の取得に要した借入金の利子
◎譲渡所得
生活に通常必要でない資産(ゴルフ会員権、金地金など)を譲渡したことによる損失
生活用動産の譲渡による損失
土地・建物等の譲渡による損失
株式などの譲渡による損失
(上場株式等の譲渡による損失は、申告分離課税を選択した上場株式等の配当所得や利子所得との損益通算は可能)
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03
損益通算の問題は頻出論点です。
対象となる所得や一部例外の内容を把握しておきましょう。
不適切
不動産所得で損益通算できないのは土地等の取得に要した負債の利子に相当する部分です。
設問では建物の取得に要した負債の利子に相当する部分の金額とあるので損益通算できます。
適切
生活に必要な生活動産の譲渡による所得で生じた損失は損益通算の対象ではありません。
自家用車を売却したことによる譲渡所得は所得税法上の非課税所得となります。
不適切
事業所得の金額の計算上生じた損失は損益通算できます。
不適切
損益通算できるのは「不動産・事業・山林・譲渡」4つの所得の損失になります。
設問にある山林所得の金額の計算上生じた損失は損益通算できます。
取得してから5年が経過した山林を譲渡した場合に山林所得の扱いとなり、5年経過する前に譲渡した場合は雑所得・事業所得の扱いになります。
損益通算ができる所得は不動産・事業・山林・譲渡です。
4つの所得のうち損益通算できない例外部分は次になります。
・不動産所得のうち土地の取得に要した負債の利子に相当する部分
・取得してから5年を満たさない山林を譲渡した場合の損失金額
・生活用動産を売却・譲渡の非課税所得の損失金額
・株式等の譲渡により生じた損失金額(上場株式等に係る譲渡損失は除く)
・土地・建物の譲渡により生じた損失金額
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