FP2級の過去問 2023年1月 学科 問50
この過去問の解説 (3件)
とてもややこしく難しい範囲ですが、比較的出題されやすいです。
しかし出題されても1問だけのことが多いため、重点的に覚える必要は少ないです。
余裕があれば覚えるようにしましょう。
1問だけの出題ですが、覚えることがとても多いため、難しいと感じることが多い範囲です。
適切
事業受託方式とは、土地・建物の所有者が資金を調達するだけで、あとはすべてデベロッパーにお任せをする事業手法です。
専門知識などは不要で業務負担も少ないですが、デベロッパーに報酬を支払わなければなりません。
適切
建設協力金方式とは、入居予定のテナントから、土地の所有者が建設協力金を預かって建物の建設費用にあてる事業手法です。
テナントから資金を調達するため借入不要で、協力金に金利もかかりません。
適切
定期借地権方式とは、定期借地権を設定して、一定期間土地を貸して地代収入を得ることができる事業方法です。
資金や業務負担はないですが、比較的長期間、土地の所有権は持っているのに使用することができなくなります。
不適切
等価交換方式とは、所有者の土地を提供してデベロッパーが建物を建て、完成した後に土地所有者とデベロッパーで、土地と建物の権利を出資割合で分割する事業方法です。
土地を譲渡することになるため、借入金などの資金負担は少なくなりますが、土地をデベロッパーと共有しなければなりません。
分割方法は、全部譲渡方式と部分譲渡方式があります。
不動産の有効活用の方法についての問題は比較的出題されやすい分野です。それぞれの方式で「土地の名義」「建物の名義」「土地所有者の資金負担の有無」を整理して覚えましょう。
適切
事業受託方式は、土地所有者がデベロッパー(不動産開発業者)に事業に必要な業務をすべて委託する方式です。土地・建物の名義は土地所有者、建設資金は土地所有者の負担です。
適切
建設協力金方式は、土地所有者が、テナントから建設資金の一部または全部を借り受けて店舗などを建設する方式です。土地所有者はテナントが支払う賃料で、借入金を返済します。テナント側は建設協力金を差し入れることで、希望に合った建築物を作ることができるメリットがあります。土地・建物の名義は土地所有者、建設資金の負担は不要か一部負担です。
適切
定期借地権方式では、土地所有者は土地を一定期間貸すことで地代収入を得ることができます。土地の名義は土地所有者、建物の名義は借地人(借主)です。土地所有者の建設資金の負担はありません。
不適切
等価交換方式は、土地所有者が土地を提供しデベロッパーが建設費用を出して建物を建築します。完成した建物と土地を出資割合で交換する方式です。土地を譲渡する代わりに、建物の一部を所有できます。土地・建物の名義は土地所有者とデベロッパー、建設資金の負担はありません。
◎事業受託方式
土地名義:土地所有者
建物名義:土地所有者
建設資金負担:必要
◎建設協力金方式
土地名義:土地所有者
建物名義:土地所有者
建設資金負担:不要(または一部負担)
◎定期借地権方式
土地名義:土地所有者
建物名義:借地人
建設資金負担:不要
◎等価交換方式
土地名義:土地所有者
デベロッパー
建物名義:土地所有者
デベロッパー
建設資金負担:不要
不動産の有効活用に関する論点は難しく出題されるポイントが多々あります。
自分が土地の所有者の立場となりイメージすることにより理解が深まると思います。
それぞれの方式の特徴を押さえておきましょう。
適切
事業受託方式とは、土地の所有者が土地を手放すことなく、土地有効活用の全てをデベロッパーに任せる方法です。
建設資金の調達は土地所有者であり、デベロッパーへ報酬を支払う必要があります。
適切
建設協力金方式とは、土地の所有者が入居予定のテナントから建設協力金を受け取り、その協力金をもとに建物を建設しテナントに賃貸する方法です。
テナントから受け取る賃貸料と建設協力金を相殺することになります。
適切
定期借地権方式とは、土地の所有者が定期借地権を設定し土地を貸し付けることにより地代収入を受け取る方法です。建物の建設資金は借地人が全て負担し、土地は所有者名義、建物は借地人等の名義となります。
不適切
等価交換方式とは、土地の所有者が土地を提供しデベロッパーが建物を建て、竣工後に土地の一部と建物の一部を等価で交換する方法です。分割方法は全部譲渡方法と部分譲渡方法があります。
建設資金はデベロッパーが負担するため、土地の所有者は資金負担はありませんが、土地をデベロッパーと共有することになるので自由に使えなくなります。
土地の有効活用の問題で特に覚えておきたいことは、土地所有名義、建物所有名義、建設資金の負担についてです。テキスト等にも表があり、全て答えることができるようにしましょう。
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