FP2級の過去問
2023年1月
学科 問55
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問題
FP技能検定2級 2023年1月 学科 問55 (訂正依頼・報告はこちら)
遺産分割に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 適法に成立した遺産分割協議については、共同相続人全員の合意があったとしても、解除することは認められない。
- 代償分割は、現物分割を困難とする事由がある場合に、共同相続人が家庭裁判所に申し立て、その審判を受けることにより認められる。
- 相続財産である不動産を、共同相続人間で遺産分割するために譲渡して換価した場合、その譲渡による所得は、所得税において非課税所得とされている。
- 被相続人は、遺言によって、相続開始の時から5年を超えない期間を定めて、遺産の分割を禁ずることができる。
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この過去問の解説 (2件)
01
遺産分割に関する問題は頻出ですが、この設問ほど掘り下げた問題はとても珍しいです。
しかし、遺産分割にはどのようなものがあるのか程度はしっかり覚えておく必要があります。
不適切
遺産分割協議とは、相続人全員が参加した上で、全員が同意することで分割して相続分を決定する方法です。
この遺産分割協議が法に則った正式なものであっても、相続人の全員同意があれば、再度遺産分割協議(再分割協議)を行うことができます。
不適切
代償分割とは、相続人の1人が被相続人の遺産全てをもらい、その代わりに自分の持っている財産・資産を他の相続人に分配することです。
例えば、被相続人の遺産が土地や建物で分けにくい物だった場合、1人がその土地や建物を相続し、その代わりに他の相続人には土地や建物を相続した者が持っている現金等を渡すことで、適切な遺産の分配ができることになります。
この代償分割には、家庭裁判所への申し立ては必要はありません。
相続人全員が相続する遺産が確定したことを示す遺産分割協議書に署名押印があれば、代償分割は可能です。
不適切
相続財産である不動産等を共同相続人が取得し、その後に換価(金銭に変えること)して、その換価した金銭を分割することを換価分割と言います。
そしてこの換価分割には譲渡所得が課されます。
あくまで相続する財産は「不動産」であり、それを相続後に現金に換えて、受け取るということになるからです。
そのため相続税と譲渡所得の両方が課される場合があります。
適切
民法によって被相続人は遺言で、相続開始の時から最大で5年間の遺産分割を禁止することができます。
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02
過去問を通して補足的に覚えておくとよい内容です。
不適切です。
遺産分割協議は、相続人全員の合意があれば、解除することができます。
遺言がない場合、相続人全員で協議して分割内容を決定することを「協議分割」と言います。
協議分割の成立には、相続人全員の合意が必要です。
不適切です。
代償分割とは、相続人の1人ないし数人が、遺産を現物で取得し、他の相続人に代償金を支払う分割方法です。
遺産を分割する方法は、現物分割、換価分割、代償分割の3つです。
どの分割方法を選択するかは、相続人の協議によって決定します。
代償分割を選択するときに、家庭裁判所の審判は必要ありません。
不適切です。
遺産分割のために不動産を譲渡して金銭に変換した場合、その代金は譲渡所得として所得税の課税対象になります。
相続した遺産の一部を金銭に換えて分割する方法を「換価分割」と言います。
適切です。
相続人は遺言によって、相続開始から最高5年間遺産分割を禁止することができます。
この数字は覚えておくとよいでしょう。
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