FP2級の過去問
2023年1月
実技 問37
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問題
FP技能検定2級 2023年1月 実技 問37 (訂正依頼・報告はこちら)
<設例>を基に解答しなさい。
国内の企業に勤務する伊丹浩二さんは、今後の生活のことなどに関して、FPで税理士でもある成田さんに相談をした。なお、<設例>のデータは2023年1月1日現在のものである。
奈美さんは、2023年2月1日に浩二さんが死亡した場合、民法の規定に基づく法定相続分および遺留分に関して、FPで税理士でもある成田さんに相談をした。成田さんの次の説明の空欄( ア )~( ウ )に入る適切な語句または数値を語群の中から選び、その語句の番号の組み合わせが正しい選択肢を選びなさい。
「仮に2023年2月1日に浩二さんが死亡した場合、浩二さんの姪である知美さんの法定相続分は( ア )です。浩二さんが妻の奈美さんに全財産を相続させる旨の遺言を作成した場合、知美さんの遺留分は( イ )です。また、相続税の申告が必要な場合、基礎控除の額は( ウ )です。」
<語群>
1. ゼロ
2. 1/8
3. 1/12
4. 1/16
5. 1/24
6. 1/32
7. 3,600万円
8. 4,800万円
9. 5,400万円
国内の企業に勤務する伊丹浩二さんは、今後の生活のことなどに関して、FPで税理士でもある成田さんに相談をした。なお、<設例>のデータは2023年1月1日現在のものである。
奈美さんは、2023年2月1日に浩二さんが死亡した場合、民法の規定に基づく法定相続分および遺留分に関して、FPで税理士でもある成田さんに相談をした。成田さんの次の説明の空欄( ア )~( ウ )に入る適切な語句または数値を語群の中から選び、その語句の番号の組み合わせが正しい選択肢を選びなさい。
「仮に2023年2月1日に浩二さんが死亡した場合、浩二さんの姪である知美さんの法定相続分は( ア )です。浩二さんが妻の奈美さんに全財産を相続させる旨の遺言を作成した場合、知美さんの遺留分は( イ )です。また、相続税の申告が必要な場合、基礎控除の額は( ウ )です。」
<語群>
1. ゼロ
2. 1/8
3. 1/12
4. 1/16
5. 1/24
6. 1/32
7. 3,600万円
8. 4,800万円
9. 5,400万円
- (ア)5 (イ)1 (ウ)7
- (ア)2 (イ)5 (ウ)8
- (ア)3 (イ)6 (ウ)9
- (ア)4 (イ)1 (ウ)9
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この過去問の解説 (2件)
01
相続税において、法定相続分や遺留分に関する問題は頻出です。
相続人がどんな割合で相続することになるのか、しっかり計算できるようにしましょう。
今回は特に一番難しい相続税の計算をさせる問題です。
相続人が「被相続人の配偶者+被相続人の兄弟姉妹(その代襲相続)」というのは、一番難しいですが、狙われやすいのでしっかり覚えておきましょう。
(ア)
今回の相続人は「配偶者である奈美」「兄弟姉妹の壮一」「甥の慎一」「姪の知美」の4人です。
この場合の法定相続分は、配偶者が3/4、そして兄弟姉妹は1/4を等分します。
そのため壮一さんは1/8となります。
裕子さんも1/8ですが、すでに死去しており、代襲相続人である裕子さんの子が相続します。
代襲相続人である、甥と姪は1/8を半分ずつなので、1/16となります。
よって、知美さんの法定相続分は、1/16です。
(イ)
遺留分というのは、例えば遺言などで相続財産がもらえない時などの、最低限の相続分のことです。
所定の請求をすることで、遺留分を受け取ることができます。
しかしこの遺留分は配偶者と子と直系尊属のみしか認められていないため、兄弟姉妹には遺留分はありません。
知美さんは被相続人である浩二さんの兄弟姉妹である裕子さんの代襲相続人です。
そのため、兄弟姉妹には遺留分がないため、その代襲相続人にも遺留分はありません。
(ウ)
相続税の基礎控除額は以下の式で計算できます。
3000万円+
(600万円✕法定相続人の数)
今回の相続人は「配偶者である奈美」「甥の慎一」「姪の知美」なので、法定相続人を4人で
計算します。
3000万円+(600万円✕4人)
=5400万円
<法定相続分>
①配偶者 1/2
子(人数で等分) 1/2
②配偶者 2/3
直系尊属(人数で等分) 1/3
③配偶者 3/4
兄弟姉妹(人数で等分) 1/4
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02
法定相続分や遺留分について問われる問題は学科、実技ともに頻出です。法定相続分と遺留分は混同しやすいので、整理して覚えておきましょう。
「法定相続分」は遺言がない場合の相続における相続配分の目安です。
「遺留分」は、相続する権利を侵害されたときに、請求すれば一定割合財産を取得できる権利です。遺留分は兄弟姉妹以外の相続人(配偶者、子およびその代襲相続人、直系尊属)に認められています。
基本的な相続のルールは
・被相続人の配偶者は常に相続人となる
・血族相続人の順位は1位は子、2位は父母などの直系尊属、3位は兄弟姉妹
まず、被相続人に子がいるかを確認、いなければ父母を確認、
父母もいなければ兄弟姉妹を確認、という具合で相続人を判定します。
本問の場合、浩二さん(被相続人)に子はいないため、第2位の父母となりますが、父母も亡くなっているため、兄弟姉妹(壮一さんと裕子さん)が相続人となります。裕子さんは亡くなっているため、裕子さんの子(=被相続人の姪・甥 知美さん、慎一さん)が代襲相続人となります。
まとめると、相続人は奈美さん(配偶者)、壮一さん(兄弟)、知美さん(姪)、慎一さん(甥)です。
(ア)
配偶者と兄弟姉妹が相続人となるときは、配偶者の法定相続分は4分の3、兄弟姉妹4分の1です。
壮一さんと裕子さん、それぞれの法定相続分は4分の1を2分の1ずつ分け合って8分の1です。
裕子さんは亡くなっており、知美さんは代襲相続人2人のうちの1人です。よって、知美さんの法定相続分は8分の1を慎一さんと2分の1ずつ分け合って16分の1となります。
(イ)
知美さんに遺留分を請求する権利はないため、遺留分はゼロです。
(ウ)
【基礎控除額の計算式】
3000万円+600万円×法定相続人の数
この問題の法定相続人の数は、配偶者の奈美さん、兄弟の壮一さん、姪の知美さん、甥の慎一さんの4人です。
よって、基礎控除額は
3000万円+600万円×4人
=5400万円
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