FP2級の過去問
2023年5月
学科 問2

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問題

FP技能検定2級 2023年5月 学科 問2 (訂正依頼・報告はこちら)

全国健康保険協会管掌健康保険(協会けんぽ)の保険給付に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • 傷病手当金は、同一の疾病または負傷およびこれにより発した疾病に関して、その支給を始めた日から通算して最長2年支給される。
  • 夫婦がともに被保険者である場合において、妻が出産したときは、所定の手続きにより、夫婦に対して出産育児一時金および家族出産育児一時金が支給される。
  • 被保険者が業務災害および通勤災害以外の事由で死亡した場合、所定の手続きにより、その者により生計を維持されていた者であって、埋葬を行うものに対し、埋葬料として5万円が支給される。
  • 被保険者が同一月内に同一の医療機関等で支払った医療費の一部負担金等の額が、その者に係る自己負担限度額を超えた場合、所定の手続きにより、支払った一部負担金等の全額が高額療養費として支給される。

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この過去問の解説 (3件)

01

この問題で覚えておくポイントは、健康保険についてです。

健康保険では、

①療養の給付

②高額療養費

③出産育児一時金

④出産手当金

⑤傷病手当

⑥埋葬料

のような給付を受けることができます。

選択肢1. 傷病手当金は、同一の疾病または負傷およびこれにより発した疾病に関して、その支給を始めた日から通算して最長2年支給される。

不適切

傷病手当金は休業4日目から通算して1年6か月間支給されます。

支給を始めた日から通算して最長2年ではありません。

選択肢2. 夫婦がともに被保険者である場合において、妻が出産したときは、所定の手続きにより、夫婦に対して出産育児一時金および家族出産育児一時金が支給される。

不適切

被保険者は、出産育児一時金と家族出産育児一時金をどちらか一方を選択して受給することが出できます。

出産育児一時金および家族出産育児一時金の両方を受給することはできません。

選択肢3. 被保険者が業務災害および通勤災害以外の事由で死亡した場合、所定の手続きにより、その者により生計を維持されていた者であって、埋葬を行うものに対し、埋葬料として5万円が支給される。

適切

被保険者が死亡した場合、埋葬を行うものに対し、埋葬料として5万円が支給されます。

選択肢4. 被保険者が同一月内に同一の医療機関等で支払った医療費の一部負担金等の額が、その者に係る自己負担限度額を超えた場合、所定の手続きにより、支払った一部負担金等の全額が高額療養費として支給される。

不適切

高額療養費は、同一月内に支払った医療費の自己負担額が、自己負担限度額を超えた場合、自己負担限度額を差し引いた金額を受給できます。

支払った一部負担金等の全額は支給されません。

まとめ

健康保険の6つの給付についてそれぞれ整理して覚えておきましょう。

参考になった数2

02

民間企業に勤務する会社員は、原則として全国健康保険協会管掌健康保険(協会けんぽ)か組合管掌健康保険に加入します。保険料の仕組みや保険の種類について、要点を押さえておきたいところです。

選択肢1. 傷病手当金は、同一の疾病または負傷およびこれにより発した疾病に関して、その支給を始めた日から通算して最長2年支給される。

傷病手当金は、最長で1年6ヶ月、支給金額(1日あたり)は支給開始日以前の継続した12ヶ月の各月の標準報酬月額を平均した金額÷30日✕2/3となります。よって不適切です。

また、病気や怪我で休んだ4日目から、手当が支給されることを覚えておきましょう。3日までは待機期間となり、手当支給の対象外となります。

選択肢2. 夫婦がともに被保険者である場合において、妻が出産したときは、所定の手続きにより、夫婦に対して出産育児一時金および家族出産育児一時金が支給される。

所定の手続きを行うことで、被保険者本人が出産したときは「出産育児一時金」、被扶養者である家族が出産したときには「家族出産育児一時金」が支給されますが、夫婦両者に対してではありませんので、不適切です。

また、被保険者本人が出産のために仕事を休んで給与等がもらえないときは、「出産手当金」が支給されます。

選択肢3. 被保険者が業務災害および通勤災害以外の事由で死亡した場合、所定の手続きにより、その者により生計を維持されていた者であって、埋葬を行うものに対し、埋葬料として5万円が支給される。

適切。被保険者が業務外の事由により亡くなった場合、亡くなった被保険者により生計を維持されて、埋葬を行う方に「埋葬料」として5万円が支給されます。

また、被扶養者が亡くなったときは、被保険者に「家族埋葬料」として5万円が支給されます。

選択肢4. 被保険者が同一月内に同一の医療機関等で支払った医療費の一部負担金等の額が、その者に係る自己負担限度額を超えた場合、所定の手続きにより、支払った一部負担金等の全額が高額療養費として支給される。

高額療養費は、1ヶ月の自己負担が高額となったとき、その人の収入額に応じた一定額以上を支給するものです。一部負担金額全額が戻るわけではありませんので、不適切です。

また、差額ベッド代など健康保険扱いの対象外となる費用は含まれません。

参考になった数1

03

協会けんぽの保険給付に関する問題は基礎的であり頻出です。

3級2級の学科・実技ともに出題されやすい問題で、特に傷病手当金に関しては実技では支給金額を計算させる問題も出題されます。

必ず押さえておくようにしましょう。

選択肢1. 傷病手当金は、同一の疾病または負傷およびこれにより発した疾病に関して、その支給を始めた日から通算して最長2年支給される。

不適切

傷病手当金は、同一の疾病または負傷で3日以上休業した場合に、4日目から標準報酬月額の2/3が支払われます

最長支給期間は、その支給を始めた日から通算して最長1年6ヶ月です。

支給要件で重要なのは、同一の疾病での休業であること・入院でも通院どちらでも可能であることを押さえておきましょう。

選択肢2. 夫婦がともに被保険者である場合において、妻が出産したときは、所定の手続きにより、夫婦に対して出産育児一時金および家族出産育児一時金が支給される。

不適切

出産育児一時金家族出産育児一時金選択制です。

出産育児一時金は、被保険者または被扶養者が出産した場合に支給されます。

家族出産育児一時金は、被扶養者である家族が出産した場合に支給されます。

今回の設問の場合は、夫婦ともに協会けんぽの被保険者のため、妻の協会けんぽから出産育児一時金が支給されます。

選択肢3. 被保険者が業務災害および通勤災害以外の事由で死亡した場合、所定の手続きにより、その者により生計を維持されていた者であって、埋葬を行うものに対し、埋葬料として5万円が支給される。

適切

埋葬料は、被保険者または被扶養者が亡くなった場合に、一律5万円が支給されます。

今回の設問は、被保険者が亡くなった場合なので、遺族に埋葬料が支給されます。

選択肢4. 被保険者が同一月内に同一の医療機関等で支払った医療費の一部負担金等の額が、その者に係る自己負担限度額を超えた場合、所定の手続きにより、支払った一部負担金等の全額が高額療養費として支給される。

不適切

高額療養費は、以下の計算式で求めます。

総医療費ー自己負担限度額

そのため、負担金の全額が支給されるわけではありません

参考になった数1