FP2級の過去問
2023年5月
学科 問11

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問題

FP技能検定2級 2023年5月 学科 問11 (訂正依頼・報告はこちら)

生命保険の保険料等の一般的な仕組みに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  • 収支相等の原則は、保険会社が受け取る保険料等の総額が、保険会社が支払う保険金等の総額と等しくなるように保険料を算定する原則をいう。
  • 保険料のうち、将来の保険金等の支払財源となる純保険料は、予定死亡率に基づいて計算され、保険会社が保険契約を維持・管理していくために必要な経費等の財源となる付加保険料は、予定利率および予定事業費率に基づいて計算される。
  • 終身保険について、保険料の算定に用いられる予定利率が引き上げられた場合、新規契約の保険料は安くなる。
  • 保険会社が実際に要した事業費が、保険料を算定する際に見込んでいた事業費よりも少なかった場合、費差益が生じる。

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この過去問の解説 (3件)

01

生命保険料の仕組みは頻出問題です。保険料の法則や剰余金・配当金の仕組みなどを頭に入れておきましょう。

「なぜそうなるのか」という理由を覚えておくことがコツです。

選択肢1. 収支相等の原則は、保険会社が受け取る保険料等の総額が、保険会社が支払う保険金等の総額と等しくなるように保険料を算定する原則をいう。

適切。

設問文のとおりです。他に、保険に関する法則で「大数の法則」(それぞれの出来事[事故など]は偶然起きるとしても、その事象をたくさん集めると一定の法則性・確率で起きることがわかる)は必ずチェックしておきましょう。

選択肢2. 保険料のうち、将来の保険金等の支払財源となる純保険料は、予定死亡率に基づいて計算され、保険会社が保険契約を維持・管理していくために必要な経費等の財源となる付加保険料は、予定利率および予定事業費率に基づいて計算される。

不適切。

純保険料は「予定死亡率」と「予定利率」、

付加保険料は「予定事業費率」

によって計算されます。

その他の記述は設問文のとおりです。

選択肢3. 終身保険について、保険料の算定に用いられる予定利率が引き上げられた場合、新規契約の保険料は安くなる。

適切。

予定利率は、保険料支払いを受けた保険会社がその保険料を元に運用を行った際に獲得できると予想される利子額に直結します。

そのため、予定利率が上がる場合は、保険会社は運用で儲けやすくなるため、保険料を安くしても保険が成立するということになるのです。

選択肢4. 保険会社が実際に要した事業費が、保険料を算定する際に見込んでいた事業費よりも少なかった場合、費差益が生じる。

適切。

予想された事業費よりも実際の事業費が少ないということは、その分の利益が保険会社に発生します。それが費差益です。その他にも

「死差益」(想定より死亡率が少ない場合に発生)

「利差益」(想定より運用収入が多い場合に発生)

もありますので、定義を確認しましょう。

参考になった数4

02

生命保険の保険料の一般的な仕組みは、必ず覚えなければならない範囲です。

それぞれの選択肢の内容も重要なので、しっかり覚えておきましょう。

特に保険料・保険金が男女で違う理由も含めて覚えておくと、丸暗記しなくてよくなるので、注意して覚えると良いでしょう

選択肢1. 収支相等の原則は、保険会社が受け取る保険料等の総額が、保険会社が支払う保険金等の総額と等しくなるように保険料を算定する原則をいう。

適切

収支相等の原則とは、保険会社が受け取る保険料等の総額と、保険会社が支払う保険金等の総額等しくなるように、算定する原則のことです。

保険料=保険金+運営費

上記のようなイメージを覚えておきましょう。

選択肢2. 保険料のうち、将来の保険金等の支払財源となる純保険料は、予定死亡率に基づいて計算され、保険会社が保険契約を維持・管理していくために必要な経費等の財源となる付加保険料は、予定利率および予定事業費率に基づいて計算される。

不適切

〇純保険料=予定死亡率・予定利率

〇付加保険料=予定事業費率

予定死亡率→統計に基づいて算定された死亡者数の割合

予定利率→保険料は運用されているため、その運用の予想利回り

予定事業費率→保険会社の運営費(人件費など)

選択肢3. 終身保険について、保険料の算定に用いられる予定利率が引き上げられた場合、新規契約の保険料は安くなる。

適切

予定利率とは、保険料の予想運用利回りのことです。

利率が引き上げられたということは運用が上手くいくと予想しており、保険金の支払いや会社運営をするお金が、運用資金で賄えるということです。

そのため保険料を多く取る必要が無くなり、保険料は安くなります。

選択肢4. 保険会社が実際に要した事業費が、保険料を算定する際に見込んでいた事業費よりも少なかった場合、費差益が生じる。

適切

実際に要した事業費が、見込み事業費よりも少ないということは、お金が余っているということになります。

そのため、利益である、費差益が生じます

参考になった数1

03

この問題で覚えておくポイントは、生命保険の保険料についてです。

選択肢1. 収支相等の原則は、保険会社が受け取る保険料等の総額が、保険会社が支払う保険金等の総額と等しくなるように保険料を算定する原則をいう。

適切

収支相等の原則は、保険会社が受け取る保険料等の総額が、保険会社が支払う保険金等の総額と等しくなるように保険料を算定する原則です。

選択肢2. 保険料のうち、将来の保険金等の支払財源となる純保険料は、予定死亡率に基づいて計算され、保険会社が保険契約を維持・管理していくために必要な経費等の財源となる付加保険料は、予定利率および予定事業費率に基づいて計算される。

不適切

付加保険料は、予定事業率をもとに算出されます。

選択肢3. 終身保険について、保険料の算定に用いられる予定利率が引き上げられた場合、新規契約の保険料は安くなる。

適切

終身保険は、予定利率が引き上げられた場合、新規契約の保険料は安くなります

選択肢4. 保険会社が実際に要した事業費が、保険料を算定する際に見込んでいた事業費よりも少なかった場合、費差益が生じる。

適切

保険会社が実際に要した事業費が、保険料を算定する際に見込んでいた事業費よりも少なかった場合、費差益が生じます。

まとめ

生命保険会社の利益源である以下の3つについて覚えておきましょう。

1.死差益:実際の死亡率が予定死亡率より低い場合に得られる利益

2.利差益:実際の運用益が、予定の運用益より多い場合に得られる利益

3.費差益実際の事業費が、見込んだ事業費よりも少ない場合に得られる利益

参考になった数0