FP2級の過去問
2023年5月
学科 問15

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

FP技能検定2級 2023年5月 学科 問15 (訂正依頼・報告はこちら)

法人を契約者(=保険料負担者)とする生命保険等に係る保険料の経理処理に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、いずれの保険契約も保険料は年払いかつ全期払いで、2022年10月に締結したものとする。
  • 被保険者が役員・従業員全員、死亡保険金受取人および満期保険金受取人が法人である養老保険の支払保険料は、その全額を資産に計上する。
  • 被保険者が役員、死亡保険金受取人が法人である終身保険の支払保険料は、その全額を損金の額に算入することができる。
  • 被保険者が役員、給付金受取人が法人である解約返戻金のない医療保険の支払保険料は、その全額を損金の額に算入することができる。
  • 被保険者が役員、死亡保険金受取人が法人で、最高解約返戻率が60%である定期保険(保険期間30年、年払保険料100万円)の支払保険料は、保険期間の前半4割相当期間においては、その40%相当額を資産に計上し、残額を損金の額に算入することができる。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (3件)

01

法人の保険契約に関する問題は、3級試験にはない範囲のため、2級では頻出です。

とても難しい範囲ですが、1つ法則があるので、これだけはしっかり覚えておきましょう。

〇会社が得をしている→資産(貯蓄性のある養老保険や終身保険などが該当)

〇会社が損をしている→損金(定期保険などの掛け捨ての保険はこれに該当)

選択肢1. 被保険者が役員・従業員全員、死亡保険金受取人および満期保険金受取人が法人である養老保険の支払保険料は、その全額を資産に計上する。

適切

被保険者=役員・従業員全員

死亡保険金受取人・満期保険金受取人=法人

さらに保険金を受け取ることができるのは会社のため、会社が得をしています。

そのためこの養老保険は、資産計上することができます。

選択肢2. 被保険者が役員、死亡保険金受取人が法人である終身保険の支払保険料は、その全額を損金の額に算入することができる。

不適切

被保険者=役員

死亡保険金受取人=法人

保険金は法人が受け取ることになっているため、会社が得をしています。

そのためこの終身保険は、資産計上となります。

選択肢3. 被保険者が役員、給付金受取人が法人である解約返戻金のない医療保険の支払保険料は、その全額を損金の額に算入することができる。

適切

テキストによっては詳細がない場合があるので、これは他全ての選択肢を見てから判断しましょう。

給付金受取人が法人である解約返戻金のない医療保険の支払い保険料は、全額を損金算入することができます。

解約返戻金のない医療保険や定期保険は、経理処理が特殊なので注意しましょう

選択肢4. 被保険者が役員、死亡保険金受取人が法人で、最高解約返戻率が60%である定期保険(保険期間30年、年払保険料100万円)の支払保険料は、保険期間の前半4割相当期間においては、その40%相当額を資産に計上し、残額を損金の額に算入することができる。

適切

保険金受取人が法人である定期保険において、特殊な経理処理をするものがあります。

〇最高解約返戻率→50%超70%以下

 資産計上期間→保険期間の前半4割

 資産計上割合→当初支払額の40%(前払い保険料)

 損金算入割合→当初支払額の60%

テキストによっては表で記載されているものもあるので、復習しておきましょう。

参考になった数3

02

この問題で覚えておくポイントは、法人を契約者とする生命保険等に係る保険料の経理処理についてです。

選択肢1. 被保険者が役員・従業員全員、死亡保険金受取人および満期保険金受取人が法人である養老保険の支払保険料は、その全額を資産に計上する。

適切

養老保険は将来法人がお金を受け取る保険ですので、法人のお金として資産に計上します

選択肢2. 被保険者が役員、死亡保険金受取人が法人である終身保険の支払保険料は、その全額を損金の額に算入することができる。

不適切

終身保険は将来法人がお金を受け取る保険ですので、法人のお金として資産に計上します

選択肢3. 被保険者が役員、給付金受取人が法人である解約返戻金のない医療保険の支払保険料は、その全額を損金の額に算入することができる。

適切

解約返戻金のない医療保険の支払保険料は、将来法人がお金を受け取ることが決まってはいないので、全額を損金の額に算入することができます

選択肢4. 被保険者が役員、死亡保険金受取人が法人で、最高解約返戻率が60%である定期保険(保険期間30年、年払保険料100万円)の支払保険料は、保険期間の前半4割相当期間においては、その40%相当額を資産に計上し、残額を損金の額に算入することができる。

適切

最高解約返戻率が50%超70%以下である定期保険の支払保険料は、保険期間の前半4割相当期間においては、その40%相当額を資産に計上し、残額(60%)を損金の額に算入することができます。

まとめ

定期保険の支払保険料については、最高解約返戻率により、計上できる保険期間と資産計上割合が決まっていますので覚えておきましょう。

参考になった数1

03

法人が保険料を払う場合の法人会計の取扱いに関する問題です。

支払保険料が法人の資産になるのか、損金となるのか、

保険の貯蓄性などについて考えて見極めましょう。

選択肢1. 被保険者が役員・従業員全員、死亡保険金受取人および満期保険金受取人が法人である養老保険の支払保険料は、その全額を資産に計上する。

適切

養老保険には貯蓄としての機能がありますので、

保険料を法人が払う場合は、支払保険料は法人資産として計上します。

選択肢2. 被保険者が役員、死亡保険金受取人が法人である終身保険の支払保険料は、その全額を損金の額に算入することができる。

不適切

終身保険は貯蓄性があり、保険金受取人が法人である場合は、支払保険料は法人資産として取り扱うことが適切です。

選択肢3. 被保険者が役員、給付金受取人が法人である解約返戻金のない医療保険の支払保険料は、その全額を損金の額に算入することができる。

適切

解約返戻金がない、掛け捨ての保険の場合は、法人が払った保険料が戻りませんので、損金として扱います。

選択肢4. 被保険者が役員、死亡保険金受取人が法人で、最高解約返戻率が60%である定期保険(保険期間30年、年払保険料100万円)の支払保険料は、保険期間の前半4割相当期間においては、その40%相当額を資産に計上し、残額を損金の額に算入することができる。

適切

長期平準定期保険といい、多額の前払保険料があるために、一定の保険料については前半期間では一部を資産とし、残額は損金として扱い、その後に取り崩していくという扱いをします。

最高解約返戻率が50%以下の場合は全額を損金算入しますが、問題文の通りの場合は、保険期間の前半4割相当期間では、その40%相当額を資産に計上し、残額を損金の額に算入します。

その他の組み合わせについてもチェックしておきましょう。

参考になった数0