FP2級の過去問 2023年5月 学科 問39
この過去問の解説 (3件)
この問題で覚えておくポイントは、会社と役員間の取引に係る税金についてです。
適切
会社が退職金を支給した場合、不相当に高額な部分の金額など一定のものを除き、その会社の所得金額の計算上、損金の額に算入することができます。
適切
会社が役員に対して無利息で金銭の貸付けを行った場合、通常収受すべき利息に相当する金額が、その会社の所得金額の計算上、益金の額に算入されます。
適切
役員が所有する土地を適正な時価の2分の1未満の価額で会社に譲渡した場合、その役員は、適正な時価により当該土地を譲渡したものとして譲渡所得の計算を行います。
時価の2分の1以上で譲渡した場合はその譲渡価格で譲渡したものとなります。
不適切
役員が会社の所有する社宅に無償で居住している場合、原則として、通常の賃貸料相当額が、その役員の給与所得の収入金額に算入されます。
会社と役員間の取引に係る所得税・法人税に関する問題は、”誰が、誰に”を意識して、法人と役員のどちらがそれに当てはまるのかを整理して問題を解きましょう。
会社と、その役員の間でも、報酬や待遇(社宅など)として金銭やそれに準じた取引が行われます。
これらが所得税等の対象になるかを見極めていく問題です。
基本的に、会社が役員に対して「得をさせている」形になっているかを考えましょう。
適切
会社役員に対する退職金は、常識的な金額であれば報酬と同様にその全額を事業年度の損金に参入できます。
損金算入限度額は、
役員最終報酬月額✕在任年数✕功績倍率
で計算されます。
適切
問題文のような取引があった場合、会社側は通常収受すべき利息額を益金として参入し、税金を上乗せで払う必要があります。
役員側では、得した利息金額の分が給与所得と考えられ、課税されます。
適切
この場合、役員が非常に安い金額で会社に財産を渡したので、譲渡金額は時価であるとして譲渡収入を計算します。2分の1以上であれば、譲渡価額が譲渡収入と認められます。
なお、法人側は値引きされた分を得したことになるので、時価との差額を「受贈益」として計上する必要があります。
不適切
賃料相当額は、雑所得でなく、給与所得の収入金額に参入されます。
法人の財産で、役員が家賃分を得したので、役員が収入を得たのと同じと考えるわけです。
会社と役員間の取引に係る所得税・法人税についての問題は、とても難しい範囲のため、苦手な方は飛ばすのも有効です。
選択肢の文章自体も難しいので、なかなかすぐに解けるタイプの問題ではありません。
しっかり見極めることが大切です。
また法人と役員間の取引についての問題のポイントは、以下の通りです。
〇法人が得をしている→受贈益(益金算入)
〇役員が得をしている→役員給与
基本的にはこの考え方なので、タックスが得意な方は覚えておきましょう。
適切
役員の退職金において、適正な金額は所得税の計算上、全額が損金に算入できます。
ただし不当に高額な部分がある場合は、その不当な部分については損金不算入となります。
適切
会社から役員へ無利息の貸付を行った場合、会社としては通常収受すべき利息相当額を益金に算入し、さらに役員への給与として損金処理も行います。
そして役員は支払うべきだった利息分を給与所得として課税の対象となります。
適切
役員が所有する土地を、適正な時価の2分の1未満で会社に譲渡するということは、本来譲渡すべき金額よりも安い金額で会社に土地を譲渡したことになります。
これは、本来支払うべき金額よりも少額で済んだことにより、会社が得をしています。
そのため時価との差を受贈益として計上します。
また、2分の1未満で譲渡の場合は、本来の時価で譲渡したと見なされ、本来の時価額が譲渡所得として課税の対象となります。
不適切
役員が会社の所有する社宅に無償で居住しているということは、役員は得をしています。
そのため、通常の賃貸料相当額が、その役員の給与所得として課税の対象となります。
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