FP2級の過去問
2023年5月
学科 問54

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問題

FP技能検定2級 2023年5月 学科 問54 (訂正依頼・報告はこちら)

遺言に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  • 公正証書遺言を作成する際には、証人2人以上の立会いが必要とされる。
  • 公正証書遺言を作成した遺言者は、その遺言を自筆証書遺言によって撤回することができる。
  • 自筆証書遺言を作成する際に財産目録を添付する場合、その目録はパソコン等で作成することができる。
  • 自筆証書遺言は、自筆証書遺言書保管制度により法務局(遺言書保管所)に保管されているものであっても、相続開始後に家庭裁判所の検認を受けなければならない。

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この過去問の解説 (3件)

01

遺言に関する問題は頻出です。

特に今回の選択肢はどれも覚える必要があり、さらに3級でも覚えるべき難易度の低いものばかりです。

必ず覚えるようにしましょう。

選択肢1. 公正証書遺言を作成する際には、証人2人以上の立会いが必要とされる。

適切

公正証書遺言を作成する際は、立会人として2人以上の証人が必要です。

またその証人はざっくりですが「該当の相続に関係の無い者」ということも覚えておきましょう。

推定相続人など、相続によって影響のある者などは法律により、証人となることができません。

選択肢2. 公正証書遺言を作成した遺言者は、その遺言を自筆証書遺言によって撤回することができる。

適切

遺言は原則として、どのような遺言の種類であっても、最新のものが有効になります。

これを「後遺言優先の原則」と言いますが、この名称は覚えなくても問題ありません。

つまり、公正証書遺言を作成し、その後に自筆証書遺言を作成した場合は、遺言の種類に関係なく新しい方が有効なので、前に作成した自筆証書遺言を撤回することになります

選択肢3. 自筆証書遺言を作成する際に財産目録を添付する場合、その目録はパソコン等で作成することができる。

適切

遺言を作成する際は、財産目録を添付することで、相続をすみやかに行うことが可能とされています。

その財産目録を自筆証書遺言を作成時に添付する際は、目録のみパソコンなどでの作成が可能になりました。

しかし、本文・氏名・日付は必ず自筆でなければなりません。

選択肢4. 自筆証書遺言は、自筆証書遺言書保管制度により法務局(遺言書保管所)に保管されているものであっても、相続開始後に家庭裁判所の検認を受けなければならない。

不適切

自筆証書遺言書保管制度とは、法務局にて自筆証書遺言を保管することができる制度です。

そしてこの自筆証書遺言書保管制度を利用して遺言を保管する場合は、家庭裁判所の検認は必要ありません

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02

遺言の種類には、公正証書遺言自筆証書遺言秘密証書遺言があります。

作成方法、証人の有無、作成場所など それぞれの違いに注意しましょう。

選択肢1. 公正証書遺言を作成する際には、証人2人以上の立会いが必要とされる。

適切

公正証書遺言と秘密証書遺言では証人として2人以上の立合いが必要です。

一方、自筆証言遺言では証人は不要です。

選択肢2. 公正証書遺言を作成した遺言者は、その遺言を自筆証書遺言によって撤回することができる。

適切

遺言はその全部または一部について、自由に撤回が可能です。新しい遺言が優先され、先の遺言は撤回されたとみなされます。新しい遺言は先に作成された遺言と同じ方式である必要はありません。

選択肢3. 自筆証書遺言を作成する際に財産目録を添付する場合、その目録はパソコン等で作成することができる。

適切

自筆証書遺言は本人が全文自筆します。作成年月日、氏名、押印が必要です。

但し、添付する財産目録についてはパソコン等による作成が可能です。(2019年法改正)

選択肢4. 自筆証書遺言は、自筆証書遺言書保管制度により法務局(遺言書保管所)に保管されているものであっても、相続開始後に家庭裁判所の検認を受けなければならない。

不適切

2020年に改正された自筆証書遺言書の保管制度により法務局で保管されている自筆証書遺言は家庭裁判所の検認手続きは省略可能になりました

法務局に提出する際に不備等の確認を行っているためです。

まとめ

各選択肢の解説で少し触れた通り、自筆証書遺言に関しては最近改正された点がありますので、注意してください。

要点をまとめると以下になります。

遺言作成者の条件は満15歳以上で意思能力のある人です。

公正証書遺言

・公証役場にて遺言作成者が口述し公証人が作成

・証人は2名以上必要

・家庭裁判所の検認不要

自筆証書遺言

・遺言者の自筆作成が必要(財産目録はパソコン等も可)

・証人は不要

・作成場所はどこでも可

・家庭裁判所の検認必要(法務局で保管分は不要)

秘密証書遺言

・公証役場にて公証人の前で封印する

・パソコンによる作成可で代筆も可

 但しその場合、

 ・証人2名以上

 ・家庭裁判所の検認

 が必要。

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03

遺言に関する問題は頻出論点です。

遺言の種類には、公正証書遺言自筆証書遺言秘密証書遺言があります。

出題されやすい特徴を押さえておきましょう。

選択肢1. 公正証書遺言を作成する際には、証人2人以上の立会いが必要とされる。

適切

公正証書遺言では証人として2人以上の立合いが必要とされています。

自筆証言遺言では証人は不要となっており、秘密証言遺言では証人として2人以上の立ち合いが必要です。

選択肢2. 公正証書遺言を作成した遺言者は、その遺言を自筆証書遺言によって撤回することができる。

適切

遺言者はいつでも遺言を取消すことができます

取消ししようとしている遺言と同じ方式である必要はなく、公正証書遺言を自筆証書遺言によって撤回することも可能です。

選択肢3. 自筆証書遺言を作成する際に財産目録を添付する場合、その目録はパソコン等で作成することができる。

適切

自筆証書遺言は本人が全文、日付、氏名等を自分で書き、押印します。

添付する財産目録についてはパソコン等による作成が可能です。

選択肢4. 自筆証書遺言は、自筆証書遺言書保管制度により法務局(遺言書保管所)に保管されているものであっても、相続開始後に家庭裁判所の検認を受けなければならない。

不適切

自筆証書遺言書保管制度により法務局で保管されている自筆証書遺言は家庭裁判所の検認は必要ありません

法務局に提出する際に不備の有無を確認し保管されるため、紛失や改ざんのリスクがありません。

そのため相続開始後に家庭裁判所の検認は不要となっています。

まとめ

遺言は満15歳以上で意思能力のある人であれば誰でも行うことができます。

公正証書遺言・・・公証役場にて公証人が作成。証人2名以上。家庭裁判所の検認不要。

自筆証書遺言・・・遺言者が自筆にて作成。一部パソコン等でも可。証人不要。家庭裁判所の検認必要(法務局で保管分は不必要)。

秘密証書遺言・・・公証役場にて公証人の前で封印するため内容は秘密にできる。パソコン等による作成、代筆可。証人2名以上。家庭裁判所の検認必要。

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