債務控除は相続、遺贈によって財産を取得した者が、被相続人の債務・葬式費用を負担した場合に相続税の課税価額から控除されるものです。相続を放棄した者などは葬式費用のみ控除可能です。
不適切
非課税財産に対する債務になるので、被相続人が生前に購入したお墓の未払代金は相続財産の総額から控除できません。
適切
被相続人にかかる未払いの所得税、住民税、固定資産税などは相続財産の総額から控除可能です。
被相続人が納税する義務のあるものは控除できます。
不適切
通夜・葬式費用は控除できますが、初七日、四十九日法要に要した費用及び香典返礼費用は控除することができません。
不適切
弁護士・税理士報酬は、相続開始後発生する費用のため、控除することはできません。
基本的には覚えるしかありませんが、債務控除できるものは非課税財産に関するものを除き、被相続人が生きていれば、当然負担したであろう費用と葬儀費用と考えれると覚えやすいと思います。
小難しく感じてしまう問題ですが、ここで大切なのは、どの財産が非課税財産で、どの財産が債務控除の対象になるのか、しっかり見分けられることです。
FP試験上で出題される財産は、そこまで多くないので、覚えてしまいましょう。
〇控除できる･･･不動産などの購入代金の未払金、未払いの所得税や住民税などの税金、通夜・葬儀などに要した費用、お寺へのお布施など
〇控除できない･･･被相続人が生前購入した墓地・墓石・仏壇の未払い金、遺言執行費用、香典返しの費用、初七日や四十九日などの法要費用
（ただし初七日の法要を告別式と同じ日に行い、葬儀会社から内訳されていない請求がきた場合は、控除の対象となります）
不適切
被相続人が生前に購入した墓碑や仏具は、元々非課税財産です。
そのためたとえ未払いであったとしても、購入代金は債務控除の対象にはなりません。
適切
未払いの税金は、納付義務が生じていれば、相続開始時点ですでに今後支払わなければならないため債務となります。
そしてこの債務は、控除の対象となります。
不適切
初七日および四十九日の法要に要した費用は、原則として控除の対象とはなりません。
しかし初七日法要を告別式と同じ日に行い、請求書に内訳が書かれていない場合は、控除の対象となります。
今回はそのような事が前提とされていないので、控除の対象にはなりません。
不適切
相続により必要だった弁護士や税理士への費用は、控除の対象にはなりません。
相続財産の価格から控除できる債務についての問題です。
比較的出題される問題ですので、控除できる債務、控除できない債務について理解しておきましょう。
不適切
被相続人が生前に購入したお墓の未払代金などの非課税財産に関する債務は相続財産の総額から控除することはできません。
適切
被相続人が死亡した時点で被相続人が納税義務のある固定資産税は相続財産の総額から控除することができます。
納付期限が到来していない未払いのものであっても、被相続人が納税する義務があるため控除できます。
不適切
葬式費用は総資産額から差し引くことができますが、初七日、四十九日法要に要した費用は相続財産の総額から控除することができません。
ただし初七日を通夜、告別式と同時に行い、葬儀会社からの請求書で区別がない場合に限り葬儀費用に含めることができます。
不適切
被相続人の相続に係る相続税の申告書を作成するために支払う税理士報酬は、相続開始後に相続人が支払う費用のため、相続財産の総額から控除することはできません。
相続財産から差し引くことができる債務は、被相続人が死亡した時点にあった債務と、葬儀費用（通夜、告別式など）になります。
たとえば、被相続人に課される税金で死亡時点で確定していないものであっても債務として控除できます。
