FP2級の過去問
2023年5月
実技 問3
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問題
FP技能検定2級 2023年5月 実技 問3 (訂正依頼・報告はこちら)
下記<資料>は、外貨定期預金の契約締結前交付書面の一部である。この契約締結前交付書面に関する次の記述の空欄( ア )~( エ )にあてはまる語句として、最も不適切なものはどれか。なお、<資料>に記載のない事項は一切考慮しないこととする。
- 空欄( ア )にあてはまる語句は、「対象外」である。
- 空欄( イ )にあてはまる語句は、「申告分離課税」である。
- 空欄( ウ )にあてはまる語句は、「1,410,000円」である。
- 空欄( エ )にあてはまる語句は、「対象外」である。
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この過去問の解説 (3件)
01
外貨預金に関する問題がこのように表で出題されることは少ないですが、どの設問も頻出です。
出題の形式が変わっただけで、問われている内容は全く変わっていないので、問題をよく読んでしっかり解けるようにしましょう。
特にTTSやTTBを使った計算問題は頻出です。
計算式は複雑ではないため、計算が苦手ではない方は得点源とすることができます。
またNISAについての問題は今後「新NISA」の内容へと変わることが予想されます。
しっかり準備をして覚えておきましょう。
適切
外貨定期預金など、外貨預金はその全てが預金保険制度の対象外です。
不適切
預金の利息は利子所得で、源泉分離課税です。
外貨預金でも円預金と同じく、20.315%の税金が課せられます。
適切
外貨へ預け入れる際には、為替手数料が発生します。
円貨を外貨へ預け入れる時はTTS、外貨を円貨へ引き出す時はTTBを使用します。
今回は預け入れるので表を見てみると、預け入れの際には1通貨単位に1円が為替手数料として必要だということが分かります。
つまり預け入れる140円に手数料1円を追加して、141円で1ドルへ変えて預け入れを行うことになります。
それを1万ドル分預け入れるので、式は以下の通りです。
141円✕10000ドル
=1,410,000
適切
NISAは株式や投資信託など、値動きの激しいリスク資産に投資をする制度です。
そのため預金や債券などの資産には投資することはできません。
外貨預金も同じです。
※2024年から新NISA制度が始まっています。
新たに出題されることが予想されますので、しっかり覚えておきましょう。
新NISA制度
〇投資で得た利益が恒久的に非課税となる
〇投資上限額1800万円
〇年間投資枠
つみたて投資枠120万円
成長投資枠240万円
〇成長投資枠の投資上限額
1200万円
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02
契約締結前交付書面とは、金融商品取引業者は契約締結前に顧客に交付されるものです。
契約締結前交付書面の中身を覚えるというより、外貨定期預金の性質(預金保護制度の対象になるか等)を確認しておきましょう。
適切
万一の場合は金融機関ごとに預金者一人当たり1,000万円までとその利子に相当する額まで保護されるのが預金保護制度ですが、外貨預金は対象外です。
他に外国銀行への預金、譲渡性預金、投資信託などの対象外があります。
不適切
外貨預金の利息は利子所得と同じように、源泉分離課税の対象となります。
通常の預金と同様、一律20%課税に、さらに復興特別所得税0.315%が課税されます。
適切
以下を覚えましょう。
TTS(対顧客電信売相場):個人が円を外貨に換えるときの相場
TTB(対顧客電信買相場):個人が外貨を円に換える時の相場
仲値:その日の基準となる相場
問題文より、預入時点の為替相場(仲値)が1ドル=140円で預入れ、
引出しそれぞれ1円ずつ手数料が必要なので、
売値では為替手数料1円を加えた1ドル=141円となり、
141円×10,000米ドル=1,410,000円が必要な預入れ金額です。
因みに買値は為替手数料1円を引いた1ドル=139円となり、
139円×10,000米ドル=1,390,000円に円貨されます。
適切
NISAの対象商品は国内株式・投資信託・外国株式等ありますが、外貨定期預金はNISAの対象商品ではありません。
外貨資産に対する理解度を聞く問題です。課税関係や適用為替レートなどを押さえましょう。
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03
外貨定期預金の契約締結前交付書面とは、商品の手数料やリスクなども重要事項を記載しているもので、金融商品取引業者は契約締結前に顧客に対し必ず交付する義務があります。
内容を一つずつ確認し矛盾がないか確認をしましょう。
(ア) 適切
外貨定期預金は預金保護制度の対象外です。
外貨預金、譲渡性預金、無記名預金など対象外があります。
(イ)不適切
外貨預金の利息は申告分離課税ではなく、源泉分離課税の対象です。
円貨預金と同様、国税15%・地方税5%。復興特別所得税0.315%が適用されます。
(ウ)適切
円を外貨に換えるときの相場をTTS(対顧客電信売相場)、外貨を円に換える時の相場をTTB(対顧客電信買相場)といいます。それぞれ「仲値(なかね)」と呼ばれる基準の相場に手数料をプラスマイナスして決められています。
預入時点の為替相場(中値)が1ドル=140円の場合
売値では為替手数料1円を加えた1ドル=141円となります。
141円×10,000米ドル=1,410,000円になります。
(エ)適切
NISAの対象商品は国内株式・投資信託・外国株式であり、外貨定期預金は対象外です。
見慣れない契約締結前交付書面に一見戸惑ってしまいますが、1つずつ見ていくと難しいことはありません。
今回は外貨定期預金についての問題です。
外貨特有の為替手数料については、預入と引出し時の手数料に注意が必要です。
また、外貨定期預金と円貨定期預金との違いを理解しておきましょう。
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