FP2級の過去問
2023年5月
実技 問18

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問題

FP技能検定2級 2023年5月 実技 問18 (訂正依頼・報告はこちら)

横川さん(40歳)は、父(72歳)と叔父(70歳)から下記<資料>の贈与を受けた。横川さんの2022年分の贈与税額を計算しなさい。なお、父からの贈与については、2021年から相続時精算課税制度の適用を受けている。
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この過去問の解説 (3件)

01

相続時精算課税制度に関する問題はよく出る問題です。

これは1月1日において60歳以上の父母や祖父母が子や孫に贈与する場合、2500万円までは非課税、2500万円を超えた分は20%の贈与税を払う制度です。2500万円は相続時に相続税として課税されます。

2024年より暦年課税(基礎控除110万円)と相続時精算課税制度の併用が可能となりますので注意してください。

父からの贈与は相続時精算課税制度の適用を受けているので、2021年は課税0円となります。

2022年は相続時精算課税制度の上限額(累計)2500万円を超える500万円は課税対象となります。超えた部分には一律20%の贈与税が課せられます。

2021年:2500万円ー1500万円=1000万円相続時精算課税の持ち越し

2022年:1500万円(新たな贈与)ー1000万円(相続時精算課税制度持ち越し分)=500万円

したがって課税額は、

父親からの贈与 500万円×20%=100万円

叔父から贈与に関して、暦年課税を適用し、110万円の基礎控除額を差し引くことができます。

ただし、叔父は直系尊属ではないため、速算表の(ロ)を参照します。

叔父からの贈与

1,000万円ー110万円=890万円

890万円×40%-125万円=231万円

 

合計すると、

100万円+231万円=331万円

となります。

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02

贈与税の計算をさせる問題は比較的出題されやすいです。

相続税と贈与税は基礎的な範囲なので、しっかり計算できるようにしておきましょう。

特に贈与税に関しては、基礎控除を忘れないようにすることが大切です。

また相続時精算課税制度の非課税枠も重要です。

2級では基礎控除をする人と、相続時精算課税制度を利用する人の2人が出てきて、2種類計算させる問題が多いです。

慌てずに分けて計算しましょう。


 

<父からの贈与>

父からの贈与は、2022年から相続時精算課税制度が適用されています。

相続時精算課税制度とは、税金の支払いを後回しにするイメージです。

贈与時に税金の支払いをせず、相続があった時に、相続財産と合算して再度計算します。

 

〇税金の計算方法

制度を選択した特定の1人(今回は父)からの贈与に対して、2,500万円の非課税枠があります。

そしてこの非課税枠を超えた部分に対して、20%の税金がかかります。

 

今回は2022年から相続時精算課税制度を適用しているので、2023年時点では、すでに非課税枠が1,500万円埋まっているところからスタートとなります。

 

1,500万円+1,500円

=3,000円

 

非課税枠を500万円超えているので、この超えている500万円に対して20%の税金がかかります。

 

500万円✕20%

100万円


 

<叔父からの贈与>
 

叔父から1,000万円の贈与を受けているが、基礎控除があります。

1年間で受け取った贈与の金額から110万円を控除することができます。

※今回は叔父からの贈与ですが、これが叔父と母など、父以外の2人から贈与を受けた場合は、すべての金額を足して、そこから110万円を控除しなけれなりません。

 

1,000万円ー110万円

890万円

 

叔父は直系尊属ではないため、(ロ)の速算表を使って贈与税額を計算します。
 

890万円✕40%ー125万円

231万円

 

 

<贈与税額の合計>

父からの贈与と叔父からの贈与に対する贈与税額を足します。

 

100万円+231万円

331万円

 

 

 

相続時精算課税制度を選択すると、暦年課税に戻ることができません。

そして相続時精算課税制度は、今回は「父」のみですが、別々の人からも選択することができます。

例え「父」と「母」両方を相続時精算課税制度で贈与を受け取ると、それぞれ2,500万円ずつ非課税枠を使うことができるようになります。

相続時精算課税制度は学科でもたまに制度について問われることがあるので、重要なことはしっかり覚えておきましょう。

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03

贈与税に関する問題は学科、実技共によく出題されます。

今回は贈与税を計算する問題です。

直系尊属からの贈与、それ以外からの贈与によって算出方法が異なります。

また、相続時精算課税制度や暦年課税制度の内容について理解しておきましょう。

選択肢1. 331(万円)

直系尊属である父からの贈与ですが、設問では父からの贈与については2021年から相続時精算課税制度の適用を受けているとあるので、2021年の贈与分と合わせて2,500万円まで非課税になります。

超えた部分には一律20%の贈与税が課せられます。

父から贈与を受けた金額は、2021年に1,500万円のため、2022年の1,500万円のうち1,000万円のみ非課税になります。

残りの500万円には20%の贈与税がかかります。

500万円×20%=100万円

叔父から贈与を受けた金額は、暦年課税制度が適用され、1,000万円から110万円の基礎控除額を差し引くことができます。

叔父は直系尊属ではないため、速算表の(ロ)を使用して算出します。

1,000万円ー110万円=890万円

890万円×40%=356万円

356万円ー125万円=231万円

  

最後に全ての贈与税を合計します。

100万円+231万円=331万円

まとめ

贈与税のしくみには、暦年課税制度と相続時精算課税制度があります。

暦年課税制度・・・1年間の贈与財産額より基礎控除110万円を差し引き、贈与税速算表にて税額を算出します。

相続時精算課税制度・・・2,500万円まで贈与税を非課税にできる制度です。

2,500万円を超えた部分には一律20%の贈与税がかかります。

相続発生時に贈与財産を相続財産に合算して相続税を算出します。

相続時精算課税制度と暦年課税制度の併用はできませんが、2024年1月1日より併用可能となります。

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