FP2級の過去問
2023年9月
学科 問5

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問題

FP技能検定2級 2023年9月 学科 問5 (訂正依頼・報告はこちら)

公的年金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  • 国民年金の保険料納付済期間が10年以上あり、厚生年金保険の被保険者期間を有する者は、原則として、65歳から老齢基礎年金および老齢厚生年金を受給することができる。
  • 学生納付特例の承認を受けた期間に係る国民年金保険料のうち、追納することができる保険料は、追納に係る厚生労働大臣の承認を受けた日の属する月前10年以内の期間に係るものに限られる。
  • 老齢厚生年金の繰上げ支給を請求する場合、老齢基礎年金の繰上げ支給の請求も同時に行わなければならない。
  • 加給年金額が加算される老齢厚生年金について繰下げ支給の申出をする場合、加給年金額についても繰下げ支給による増額の対象となる。

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この過去問の解説 (3件)

01

公的年金制度は、国民年金と厚生年金保険の2階建て構造になっています。

また、給付には、老齢給付、障害給付、遺族給付の3つがあります。

選択肢1. 国民年金の保険料納付済期間が10年以上あり、厚生年金保険の被保険者期間を有する者は、原則として、65歳から老齢基礎年金および老齢厚生年金を受給することができる。

適切

老齢基礎年金は、受給資格期間(保険料納付済期間・保険料免除期間・合算対象期間の合計)が10年以上の人が、65歳以上になると受け取れます。

また、老齢厚生年金の受給資格は、老齢基礎年金の受給資格期間を満たしていることに加えて、厚生年金の加入期間が1か月以上です。

選択肢2. 学生納付特例の承認を受けた期間に係る国民年金保険料のうち、追納することができる保険料は、追納に係る厚生労働大臣の承認を受けた日の属する月前10年以内の期間に係るものに限られる。

適切

学生納付特例制度によって免除・猶予された国民年金保険料は、10年以内であれば遡って追納することが可能です。

選択肢3. 老齢厚生年金の繰上げ支給を請求する場合、老齢基礎年金の繰上げ支給の請求も同時に行わなければならない。

適切

老齢厚生年金の繰上げは、老齢基礎年金の繰上げと同時に行う必要があります。

老齢厚生年金の繰下げは、老齢基礎年金の繰下げと別々に行うことができます。

選択肢4. 加給年金額が加算される老齢厚生年金について繰下げ支給の申出をする場合、加給年金額についても繰下げ支給による増額の対象となる。

不適切

加給年金額と振替加算額は、繰り下げによる増額の対象となりません。

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02

この公的年金に関する問題では、年金受給の条件や特例、繰上げ・繰下げ支給などの制度に関する理解が問われています。

選択肢ごとに老齢基礎年金、老齢厚生年金、学生納付特例、加給年金額に関する適切または不適切な記述を解説します。

選択肢1. 国民年金の保険料納付済期間が10年以上あり、厚生年金保険の被保険者期間を有する者は、原則として、65歳から老齢基礎年金および老齢厚生年金を受給することができる。

適切

老齢基礎年金は、65歳に達した人で、保険料を支払った期間や免除を受けた期間など、10年以上の年金資格期間がある場合に受給可能です。

また、老齢厚生年金は、老齢基礎年金の受給資格を満たし、さらに厚生年金に1ヵ月以上加入していた場合に受け取ることができます。

選択肢2. 学生納付特例の承認を受けた期間に係る国民年金保険料のうち、追納することができる保険料は、追納に係る厚生労働大臣の承認を受けた日の属する月前10年以内の期間に係るものに限られる。

適切

学生納付特例の承認を受けた期間に係る国民年金保険料の追納は、厚生労働大臣の承認を受けた月の前10年以内の期間に限られます。

選択肢3. 老齢厚生年金の繰上げ支給を請求する場合、老齢基礎年金の繰上げ支給の請求も同時に行わなければならない。

適切

老齢基礎年金と老齢厚生年金の繰上げ支給は、同時期に請求する必要があります。

これに対して、老齢厚生年金の繰下げ支給は、老齢基礎年金の繰下げとは独立して行うことができます。

繰上げ支給は早期の受給を希望する場合に請求され、繰下げ支給は受給を遅らせても問題ない場合に申し出るものです。

また、「繰上げ」は請求、「繰下げ」は申し出という用語の違いにも注意が必要です。

選択肢4. 加給年金額が加算される老齢厚生年金について繰下げ支給の申出をする場合、加給年金額についても繰下げ支給による増額の対象となる。

不適切

老齢厚生年金に関する繰下げ支給の申出を行っても、加給年金の金額は増加しません。

増額の対象となるのは付加年金経過的加算額です。

一方、加給年金額振替加算額は繰下げによって増額されないので注意が必要です。

まとめ

公的年金制度に関する問題では、年金受給資格や支給条件に関する知識が求められます。

老齢基礎年金と老齢厚生年金の受給条件、学生納付特例の追納条件、繰上げ・繰下げ支給のルールなど、それぞれの制度の詳細を正確に理解することが重要です。

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03

公的年金の受給要件や追納、繰上げ繰下げに関わる問題は頻出問題となっています。

増額率や減額率についても復習しておきましょう。

選択肢1. 国民年金の保険料納付済期間が10年以上あり、厚生年金保険の被保険者期間を有する者は、原則として、65歳から老齢基礎年金および老齢厚生年金を受給することができる。

老齢基礎年金は、受給資格期間保険料納付済期間と保険料免除期間などの合算10年以上あれば受給可能です。

老齢厚生年金は、老齢基礎年金が受け取れることを条件に、厚生年金保険の被保険者期間を有する者は受け取ることが出来ます。

選択肢2. 学生納付特例の承認を受けた期間に係る国民年金保険料のうち、追納することができる保険料は、追納に係る厚生労働大臣の承認を受けた日の属する月前10年以内の期間に係るものに限られる。

学生納付特例の追納期間は10年です。

※期間を変えて不適切な選択肢にすることがありますので、気をつけましょう。

選択肢3. 老齢厚生年金の繰上げ支給を請求する場合、老齢基礎年金の繰上げ支給の請求も同時に行わなければならない。

繰上げ請求は、老齢基礎年金と老齢厚生年金、同時に請求する必要があります。

繰下げ請求は、個別に請求することができます。

※早くもらいたい人は全部早くしないとだめで、遅くもらってもいい人は好きにしていいよ!

 といった感覚で覚えるといいと思います。 

選択肢4. 加給年金額が加算される老齢厚生年金について繰下げ支給の申出をする場合、加給年金額についても繰下げ支給による増額の対象となる。

加給年金額と振替加算額は繰下げによる増額はありません

また、加給年金は繰上げ受給することはできません。

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