FP2級の過去問
2023年9月
学科 問17

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問題

FP技能検定2級 2023年9月 学科 問17 (訂正依頼・報告はこちら)

任意加入の自動車保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  • 被保険者が被保険自動車を運転中に、車庫入れを誘導していた運転者の同居の父親に誤って接触してケガをさせた場合、対人賠償保険の補償の対象となる。
  • 被保険者が被保険自動車を運転中に、対人事故を起こして法律上の損害賠償責任を負った場合、自動車損害賠償責任保険等によって補償される部分を除いた額が、対人賠償保険の補償の対象となる。
  • 被保険者が被保険自動車を運転中に、交通事故を起こして被保険者がケガをした場合、その損害額のうち、被保険者の過失割合に相当する部分についても人身傷害保険の補償の対象となる。
  • 被保険者が被保険自動車を運転中に、ハンドル操作を誤って飲食店に衝突して損害を与えた場合、店舗を修復する期間の休業損害は対物賠償保険の補償の対象となる。

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この過去問の解説 (3件)

01

自動車保険は、運転中に発生する可能性のあるさまざまなリスクから私たちを守るための重要な保険です。

任意加入の自動車保険には様々な種類があり、それぞれ異なる状況下での損害をカバーします。

この問題を通じて任意加入の自動車保険の商品性理解を深めることを目指します。

選択肢1. 被保険者が被保険自動車を運転中に、車庫入れを誘導していた運転者の同居の父親に誤って接触してケガをさせた場合、対人賠償保険の補償の対象となる。

不適切

任意の自動車保険における対人賠償保険は、原則として運転者が事故を起こし、他人に身体的損害を与えた際の法律上の賠償責任を補償します。

しかし、以下のような場合には保険金は支払われません。

・記名被保険者

・被保険自動車を運転中の者またはその父母、配偶者もしくは子

被保険者の父母、配偶者または子

・被保険者の業務に従事中の使用人

・被保険者の使用者の業務に従事中の他の使用人

選択肢2. 被保険者が被保険自動車を運転中に、対人事故を起こして法律上の損害賠償責任を負った場合、自動車損害賠償責任保険等によって補償される部分を除いた額が、対人賠償保険の補償の対象となる。

適切

対人賠償保険は、運転中に発生した事故で他人を死傷させた際に適用される保険です。

法律上、運転者に損害賠償責任が発生した場合、対人事故に関連する費用を補償します。

ただし、自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)等から補償を受けた部分は除外されます。

つまり、対人賠償保険は、これらの保険でカバーされない残余の賠償額を補填するために存在します。

解答を導く際のポイントは、対人賠償保険が損害賠償の全額をカバーするわけではなく、自賠責保険等で賄われる範囲を超えた損害に対してのみ適用されるということです。

選択肢3. 被保険者が被保険自動車を運転中に、交通事故を起こして被保険者がケガをした場合、その損害額のうち、被保険者の過失割合に相当する部分についても人身傷害保険の補償の対象となる。

適切

人身傷害保険は、被保険者が自動車の運転中に事故を起こし、自身がケガをした場合でも補償を提供します。

この保険の特徴的な点は、被保険者の事故に対する過失割合にかかわらず、損害額全体(保険金額の上限まで)が補償されるということです。

つまり、被保険者自身の過失があった場合であっても、その割合を考慮せずに保険金が支払われるのです。

事故において双方に過失がある場合、通常は過失相殺の原則に基づき、相手方に支払われる賠償金額は相殺されます。

しかし、人身傷害保険があると、保険会社は過失割合に関係なく、定められた保険金を支払うため、被保険者は相手方の賠償金を待たずに、事故による自身の損害に対する経済的補償を迅速に受けることができます。

選択肢4. 被保険者が被保険自動車を運転中に、ハンドル操作を誤って飲食店に衝突して損害を与えた場合、店舗を修復する期間の休業損害は対物賠償保険の補償の対象となる。

適切

対物賠償保険は、運転者が自動車を運転中に他人の財産に損害を与えた際に発生する法律上の賠償責任を補償する保険です。

対物賠償保険の適用範囲は、車両や物件の修復費用にとどまらず、事故による間接的な影響、例えば事業の中断による休業損害や営業損失も含まれます。

もし、事故が業務用の自動車、例えばバス、トラック、タクシー等に関わる場合、その車両が通常運行していれば得られるであろう収益も損害賠償の範囲に入ります。

つまり、飲食店に車が衝突して修理のために営業を停止せざるを得ないような状況では、その営業停止期間の損害も対物賠償保険によって補償されるのです。

まとめ

任意加入の自動車保険は、自賠責保険では補償されないリスクを広範囲にカバーするために設計されています。

任意の自動車保険は、対人賠償保険、対物賠償保険、人身傷害保険などを含みます。

自賠責保険の補償範囲を把握し、それを超えるリスクに対して任意保険がどのように保障を提供するかを理解することが重要です。

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02

自動車保険には、自賠責保険(強制加入)と任意加入の自動車保険があります。

選択肢1. 被保険者が被保険自動車を運転中に、車庫入れを誘導していた運転者の同居の父親に誤って接触してケガをさせた場合、対人賠償保険の補償の対象となる。

不適切

父親は他人には該当しませんので、対人賠償保険の補償の対象外です。

選択肢2. 被保険者が被保険自動車を運転中に、対人事故を起こして法律上の損害賠償責任を負った場合、自動車損害賠償責任保険等によって補償される部分を除いた額が、対人賠償保険の補償の対象となる。

適切

支払われる保険金の額は、損害賠償責任の総額のうち、自動車損害賠償責任保険等によって補償される部分を除いた額です。

選択肢3. 被保険者が被保険自動車を運転中に、交通事故を起こして被保険者がケガをした場合、その損害額のうち、被保険者の過失割合に相当する部分についても人身傷害保険の補償の対象となる。

適切

被保険者の過失割合に関わらず、損害額(上限は保険金額)が補償の対象です。

選択肢4. 被保険者が被保険自動車を運転中に、ハンドル操作を誤って飲食店に衝突して損害を与えた場合、店舗を修復する期間の休業損害は対物賠償保険の補償の対象となる。

適切

修理費等に加えて、休業損害も対物賠償保険の補償の対象となります。

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03

自動車保険の”賠償”の範囲や考え方について確認をしましょう。

選択肢1. 被保険者が被保険自動車を運転中に、車庫入れを誘導していた運転者の同居の父親に誤って接触してケガをさせた場合、対人賠償保険の補償の対象となる。

対人賠償は第三者賠償となります。

基本的に家族は第三者となりませんので、父親は補償の対象外となります。

選択肢2. 被保険者が被保険自動車を運転中に、対人事故を起こして法律上の損害賠償責任を負った場合、自動車損害賠償責任保険等によって補償される部分を除いた額が、対人賠償保険の補償の対象となる。

自賠責保険と任意保険の関係性が問われる問題でした。

強制保険である”自賠責保険”から優先的に補償され、残った部分が任意保険である対人賠償保険から支払いとなります。

選択肢3. 被保険者が被保険自動車を運転中に、交通事故を起こして被保険者がケガをした場合、その損害額のうち、被保険者の過失割合に相当する部分についても人身傷害保険の補償の対象となる。

人身傷害保険は過失割合に関係なく、補償の対象となります。

選択肢4. 被保険者が被保険自動車を運転中に、ハンドル操作を誤って飲食店に衝突して損害を与えた場合、店舗を修復する期間の休業損害は対物賠償保険の補償の対象となる。

対物賠償は、第三者の物の損害だけではなく、間接的損害(休業補償や代車費用など)も補償の対象となります。

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