FP2級の過去問
2023年9月
学科 問20
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問題
FP技能検定2級 2023年9月 学科 問20 (訂正依頼・報告はこちら)
損害保険を利用した事業活動のリスク管理に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 家庭用品を製造する事業者が、製造した製品が原因で、当該製品を使用した顧客がケガをして法律上の損害賠償責任を負うリスクに備えて、生産物賠償責任保険(PL保険)を契約した。
- ボウリング場を経営する事業者が、施設の管理不備により、来場者がケガをして法律上の損害賠償責任を負うリスクに備えて、施設所有(管理)者賠償責任保険を契約した。
- 建設業を営む事業者が、従業員が業務中の事故によりケガをする場合に備えて、労働者災害補償保険(政府労災保険)の上乗せとして労働災害総合保険(法定外補償)を契約した。
- 事業用ビルの賃貸業を営む事業者が、賃貸ビルに設置した機械設備が火災により損害を被る場合に備えて、機械保険を契約した。
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この過去問の解説 (3件)
01
損害保険は、事業運営に伴うさまざまなリスクに対処するために極めて重要です。
各事業者は、自社の事業活動に固有のリスクを特定し、これらのリスクを緩和するために適切な保険商品を選択し契約する必要があります。
適切
製品に起因する第三者の身体的、財産的損害に対する責任を補償する生産物賠償責任保険(PL保険)は、製造業者にとって重要な保険です。
顧客が製品使用中にケガをした場合の法律的な責任から保護するため、この保険を契約することは適切です。
適切
施設の管理や業務遂行によって発生した賠償事故の責任をカバーする施設所有(管理)者賠償責任保険は、公共施設や商業施設を運営する事業者にとって重要です。
施設の安全性を保障し、来場者のケガによるリスクに備えるため、この保険の選択は適切な対策です。
適切
政府の労災保険制度は、従業員の業務中・通勤中のケガや業務に起因して病気になった場合、それが労災認定されると政府から給付等を受けることができる公的な保険制度です。
労災上乗せ保険の主なものとして労働災害総合保険があります。
従業員が業務中にケガをした場合の補償を政府労災保険に加えて強化するために、労働災害総合保険(法定外補償)を利用することは適切なリスク管理です。
不適切
機械保険とは、工場や事務所に設置した稼働可能な機械等が、何らかの原因で損害を受けたり故障したりしたときに、これを補償する保険です。
火災による損害をカバーするためには、火災保険の契約が必要です。
したがって、事業用ビルの機械設備が火災により損害を被る場合に備えて機械保険を契約するのは不適切なリスク管理策です。
事業活動におけるリスク管理は、損害保険を適切に選択し契約することによって実現されます。
各事業者は自身のビジネスに関連するリスクを正確に理解し、それに対応する保険商品を選ぶことが重要です。
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02
損害保険は、モノ保険、ヒト保険、賠償責任保険、その他の保険の4つに分類することができます。
適切
生産物賠償責任保険(PL保険)は、製造・販売した製品の欠陥によって損害を与え、損害賠償責任を負ったときに備える保険です。
適切
施設所有(管理)者賠償責任保険とは、施設の不備による事故や業務中に発生した事故によって生じた賠償責任に備える保険です。
適切
労働災害総合保険とは、労働災害に対して、労働保険の上乗せ給付や賠償を保証する保険です。
不適切
機械保険とは、機械類が突然の事故により損害を受けた場合に保証される保険です。ただし、火災による損害は対象外です。
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03
事業活動に関する損害保険は、個人向けの損害保険に比べると難しいです。
試験には以下の4つの保険について頻出となりますので、基礎的な知識は押さえましょう。
①施設賠償保険
②生産物賠償保険(PL保険)
③労働災害総合保険
④機械保険
【生産物賠償保険(PL保険)】
作ったもの(生産物)の欠陥などが原因で事故が発生した場合に補償する保険です。
【施設賠償保険】
施設の管理や業務中に発生した事故を補償する保険です。
例えば、床が滑りやすい状況を放置し、第三者が転んでしまってけがをしてしまった場合や、飲食店で飲み物をこぼして服を汚してしまったとき等に備えることが出来ます。
【労働災害総合保険】
政府労災保険は、原則として 一人でも労働者を使用する事業は、業種の規模の如何を問わず、必ず加入する必要があるものです。
それに対し、労働災害総合保険(上乗せ労災)は従業員のために、事業主が任意で加入する保険です。
【機械保険】
機械が不測かつ突発的な事故によって破損するなどの損害が発生した場合に補償してくれる保険です。(火災による損害は補償しません)
火災による損害は、火災保険によって補償されます。
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