2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級) 過去問
2023年9月
問25 (学科 問25)

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問題

FP技能検定2級 2023年9月 問25(学科 問25) (訂正依頼・報告はこちら)

下記<X社のデータ>に基づき算出される株式の投資指標に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

<X社のデータ>
 株価:18,000円
 当期純利益:3,000億円
 純資産(自己資本):1兆5,000億円
 配当金総額:540億円
 発行済株式数:3億株
  • ROEは、20.0%である。
  • PERは、18倍である。
  • PBRは、3.6倍である。
  • 配当利回りは、1.2%である。

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この過去問の解説 (3件)

01

金融の分野では、いくつかの計算問題が頻出です。

債券の利回り計算、PER、PBR、ROE、配当性向、配当利回り、外貨預金の利回り計算、普通分配金と元本払戻金、ポートフォリオの期待収益率、シャープレシオ。

これらの計算式が与えられることはありませんが、試験ではどれかは必ず出題されます。

3級でも必須範囲なので、2級試験であれば必ず解けるようにしておきましょう。

金融は時事問題が出やすい範囲なので、対策しにくい側面もあります。

しかしこれらは計算式を覚えておくと必ず得点が取れます。

金融が苦手な方でも計算に苦手意識が無ければ、これらを押さえておくことで得点源となります。

 

そして今回の設問で注意すべき点は、発行株式数が3億株だということです。

つまり設問のデータの当期純利益や純資産は、3億株分の数字です。

このままでは一株当たりの計算ができないので、それぞれを1株当たりに直す必要があります。

 

一株当たりの当期純利益=

3,000億株÷3億株=1000円

 

一株当たりの純資産=

1兆5,000億円÷3億=5000円

 

一株当たりの配当金額=

540億円÷3億株=180円

選択肢1. ROEは、20.0%である。

適切

ROEとは自己資本比率のことで、単位は%です。

自己資本比率とは、自己資本に対する利益を表したものです。

つまり株主が投資したお金を使って、どれだけ利益をあげられたかを見る比率で、数値が高いほど利益が上がっていることを示します。

ROEの計算式は以下の通りです。

 

 

ROE(%)=

 

当期純利益 ×100

自己資本

 

 

この計算式に数字を当てはめていきます。

 

ROE(%)

 

 3,000億 ×100

 15,000億

 

=0.2×100

 

20.0%

選択肢2. PERは、18倍である。

適切

PERは、株価収益率のことで、単位は倍です。

一株当たり利益の何倍まで購入されているのかを見る指標です。

数字が高いと割高傾向、低いと割安傾向にあることが分かります。

PERの計算式は以下の通りです。

 

PER(倍)=

 

     株価    

一株当たりの当期純利益

 

この計算式に数字を当てはめていきます。

 

PER(倍)=

 

1,8000円

 1,000円

 

18倍

選択肢3. PBRは、3.6倍である。

PBRは、株価純資産倍率のことで、単位は倍です。

一株当たりの純資産の何倍まで購入されているのかを見る指標です。

PBRが1倍を超えると割高傾向、1倍を下回ると割安傾向にあることが分かります。

PBRの計算式は以下の通りです。

 

PBR(倍)

 

   株価    

 一株当たりの純資産

 

この計算式に数字を当てはめていきます。

 

PBR(倍)

 

1,8000円

  5,000円

 

3.6倍

選択肢4. 配当利回りは、1.2%である。

不適切

配当利回りは、株価に対してどれだけの配当金を出したかの割合を見るもので、単位は%です。

配当利回りの計算式は以下の通りです。

 

配当利回り(%)

 

一株当たりの年間配当金 ×100

     株価     

 

この計算式に数字を当てはめていきます。

 

配当利回り(%)

 

 180円   ×100

 18,000円

 

=0.01×100

 

1%

参考になった数2

02

株式の投資指標は企業の財務健全性や株式の魅力を評価する際に重要なツールです。

ROE、PER、PBR、配当利回りは、特に投資判断において広く利用される指標です。

選択肢1. ROEは、20.0%である。

適切

ROE(Return On Equity、自己資本利益率)は、当期純利益÷純資産×100で計算されます。

X社の場合、

3000億円÷15000億円×100=20.0%となります。

選択肢2. PERは、18倍である。

適切

PER(Price Earnings Ratio、株価収益率)は、株価÷1株あたりの当期純利益で計算されます。

X社の場合、

18000円×3億株÷3000億円=18倍となります。

選択肢3. PBRは、3.6倍である。

適切

PBR(Price Book-value Ratio、株価純資産倍率)は、株価÷1株あたりの純資産で計算されます。

X社の場合、

18000円÷(15000億円÷3億株)=3.6倍となります。

選択肢4. 配当利回りは、1.2%である。

不適切

配当利回りは、年間配当金総額÷(株価×発行済株式数)×100で計算されます。

X社の場合、

540億円÷(18000円×3億株)×100=1.0%となります。

まとめ

この問題では、X社のデータを基にして株式の投資指標を計算しました。

投資指標の計算方法を理解することは、計算問題に対応する上で非常に重要です。

参考になった数0

03

株式の投資指標に関する問題です。

選択肢1. ROEは、20.0%である。

適切

自己資本利益率(ROE)は、当区純利益÷自己資本×100で求められます。

選択肢2. PERは、18倍である。

適切

株価収益率(PER)は、株価÷1株当たり純利益で求められます。

選択肢3. PBRは、3.6倍である。

適切

株価純資産倍率(PBR)は、株価÷1株当たり純資産で求められます。

選択肢4. 配当利回りは、1.2%である。

不適切

配当利回りは、1株当たり年間配当金÷株価×100で求められます。

この問題では、1株当たり年間配当金=540億÷3億=180円であるため、配当利回りは1%となります。

参考になった数0