2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級) 過去問
2023年9月
問36 (学科 問36)

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問題

FP技能検定2級 2023年9月 問36(学科 問36) (訂正依頼・報告はこちら)

法人税の仕組みに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  • 法人税の各事業年度の所得の金額は、その事業年度の益金の額から損金の額を控除した金額である。
  • 新設法人が設立事業年度から青色申告の適用を受けようとする場合は、設立の日から2ヵ月以内に、「青色申告の承認申請書」を納税地の所轄税務署長に提出し、その承認を受けなければならない。
  • 期末資本金の額等が1億円以下の一定の中小法人に対する法人税の税率は、所得金額のうち年800万円以下の部分については軽減税率が適用される。
  • 過去に行った法人税の確定申告について、計算に誤りがあったことにより、納付した税額が過大であったことが判明した場合、原則として、法定申告期限から5年以内に限り、更正の請求をすることができる。

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この過去問の解説 (3件)

01

法人税に関する正確な知識は、法人の税務計画において重要です。

この問題を通じて、法人税計算、青色申告の申請、中小法人の軽減税率、および過払い税金の更正請求に関する情報を提供します。

選択肢1. 法人税の各事業年度の所得の金額は、その事業年度の益金の額から損金の額を控除した金額である。

適切

法人税の計算は、益金から損金を控除することによって得られる各事業年度の所得金額に基づいて行われます。

これは法人税法に定められた計算方法です。

選択肢2. 新設法人が設立事業年度から青色申告の適用を受けようとする場合は、設立の日から2ヵ月以内に、「青色申告の承認申請書」を納税地の所轄税務署長に提出し、その承認を受けなければならない。

不適切

新設法人が設立事業年度から青色申告を適用する場合、その手続きは設立日から2ヵ月以内に行う必要があるという記述は正しくありません。

実際には、青色申告の承認を受けるためには、設立の日から3ヵ月経過した日または事業年度終了の日のいずれか早い日の前日までに、e-Taxを利用して「青色申告の承認申請書」を提出する必要があります。

この申請プロセスを通じて、新設法人は青色申告の適用を受けることができます。

選択肢3. 期末資本金の額等が1億円以下の一定の中小法人に対する法人税の税率は、所得金額のうち年800万円以下の部分については軽減税率が適用される。

適切

中小企業向けに設けられた法人税の軽減措置により、期末資本金が1億円以下の一定の中小法人は、年間所得800万円以下の部分について15%の軽減税率が適用されます。

これは、資本金が1億円を超える法人に適用される標準税率23.2%よりも低く設定されており、中小企業の税負担を軽減することを目的としています。

この制度は、中小企業の経済活動を支援し、財政的な負担を減らすために重要です。

選択肢4. 過去に行った法人税の確定申告について、計算に誤りがあったことにより、納付した税額が過大であったことが判明した場合、原則として、法定申告期限から5年以内に限り、更正の請求をすることができる。

適切

法人税の確定申告で計算ミスにより納めた税金が過大であった場合、法人は法定申告期限から5年以内に限り更正の請求を行うことができます。

この手続きは、誤った計算が原因で過大な税額を納付した場合、翌期に繰り越すべき欠損金が過少になっている場合、または還付を受けるべき金額が過少であった場合に適用されます。

更正の請求は、e-Taxを通じて行うことが可能です。

この制度は、誤りに基づく過剰な税金の支払いを是正し、法人に対する公平な税務処理を保証するために設けられています。

まとめ

法人税の仕組みには、益金と損金の計算、青色申告の申請期限の理解、中小企業に対する税率の軽減措置の適用、そして申告後の更正請求の権利の活用などが含まれます。

これらの論点を理解することで、法人は税務計画を効果的に進め、適切な税務申告を実現することができます。

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02

法人税とは、法人の各事業年度の所得に対して課される税金です。

選択肢1. 法人税の各事業年度の所得の金額は、その事業年度の益金の額から損金の額を控除した金額である。

適切

法人の所得金額は、益金ー損金の額です。

また、法人税額は、この所得金額に税率をかけて算出します。

選択肢2. 新設法人が設立事業年度から青色申告の適用を受けようとする場合は、設立の日から2ヵ月以内に、「青色申告の承認申請書」を納税地の所轄税務署長に提出し、その承認を受けなければならない。

不適切

新設法人が設立事業年度から青色申告を行う場合は、設立の日から3か月を経過した日もしくは事業年度終了日のどちらかの早い日の前日までに、「青色申告の承認申請書」を納税地の所轄税務署長に提出し、その承認を受ける必要があります。

選択肢3. 期末資本金の額等が1億円以下の一定の中小法人に対する法人税の税率は、所得金額のうち年800万円以下の部分については軽減税率が適用される。

適切

800万円以下の部分については軽減税率が適用され、それ以上の部分には、期末資本金の額等が1億円以上の法人と同様の税率が適用されます。

選択肢4. 過去に行った法人税の確定申告について、計算に誤りがあったことにより、納付した税額が過大であったことが判明した場合、原則として、法定申告期限から5年以内に限り、更正の請求をすることができる。

適切

更正の請求の期限は、法定申告期限から5年以内です。

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03

法人税に関する問題は、頻出ではありませんが、1つ2つ程度は出題されることがあります。

しかし今回の選択肢はとても難問です。

苦手な方は、まず他の問題を解いても良いかもしれません。

法人税は特に細かい数字が多いです。

得意な方でも、注意して選択肢を読むようにしましょう。

選択肢1. 法人税の各事業年度の所得の金額は、その事業年度の益金の額から損金の額を控除した金額である。

適切

法人税の対象となる所得金額の計算方法は以下の通りです。

 

益金ー損金

 

これと対比で覚えるものとして、会計上の利益を見る計算式は違います。

これは「収益ー費用」で計算されます。

益金と収益、損金と費用は性質が異なり一致しません。

そのため調整が必要となります。

選択肢2. 新設法人が設立事業年度から青色申告の適用を受けようとする場合は、設立の日から2ヵ月以内に、「青色申告の承認申請書」を納税地の所轄税務署長に提出し、その承認を受けなければならない。

不適切

青色申告には、法人にかかる法人税を申告するものと、個人事業主にかかる所得税を申告するものがあります。

混同しがちですが、これらをまず分けて理解しておきましょう。

 

新設法人が設立事業年度から青色申告の適用を受ける場合は、以下の期日までに「青色申告承認申請書」を提出しなければなりません。

〇設立の日から3ヶ月経過した日

〇事業年度終了日のどちらか早い方の前日

 

また個人事業主の所得税の青色申告制度のときにも期限があり、その際に2ヵ月というのが出てきます。

個人事業主が所得税の青色申告の適用を受ける場合は、以下の期日までに「青色申告承認申請書」を提出しなければなりません。

〇青色申告をしようとする年の3月15日まで

〇1月16日以後に事業を開始する場合は、事業開始後2ヶ月以内

選択肢3. 期末資本金の額等が1億円以下の一定の中小法人に対する法人税の税率は、所得金額のうち年800万円以下の部分については軽減税率が適用される。

適切

法人税の税率は、期末の資本金の額1億円以下の中小法人であれば、年間800万円以下の部分に対して、軽減税率が適用されます。

年間800万円を超える部分や資本金1億円超の企業の法人税は23.2%ですが、この軽減税率部分は税率は15%になります。

選択肢4. 過去に行った法人税の確定申告について、計算に誤りがあったことにより、納付した税額が過大であったことが判明した場合、原則として、法定申告期限から5年以内に限り、更正の請求をすることができる。

適切

更正の請求とは、払いすぎた税金を返してもらう手続きのことです。

これは法定申告期限から、5年以内に行わなければなりません。

 

またこれによく似たものに修正申告があります。

これは本来支払うべき税金よりも少なく申告をしたものを、修正するものです。

よって、この修正申告はより税金を支払うための申告です。

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