2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級) 過去問
2023年9月
問37 (学科 問37)

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問題

FP技能検定2級 2023年9月 問37(学科 問37) (訂正依頼・報告はこちら)

法人税の損金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  • 法人が従業員の業務遂行中の交通違反に係る反則金を負担した場合、その負担金は、損金の額に算入することができる。
  • 法人が減価償却資産として損金経理した金額のうち、償却限度額に達するまでの金額は、その全額を損金の額に算入することができる。
  • 損金の額に算入される租税公課のうち、事業税については、原則として、その事業税に係る納税申告書を提出した日の属する事業年度の損金の額に算入することができる。
  • 法人が国または地方公共団体に対して支払った寄附金は、原則として、その全額を損金の額に算入することができる。

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この過去問の解説 (3件)

01

損金には、交際費、租税公課、減価償却費などがあります。

選択肢1. 法人が従業員の業務遂行中の交通違反に係る反則金を負担した場合、その負担金は、損金の額に算入することができる。

不適切

制裁的な意味のある罰金や過怠税などは、損金の額に算出することができません。

選択肢2. 法人が減価償却資産として損金経理した金額のうち、償却限度額に達するまでの金額は、その全額を損金の額に算入することができる。

適切

法人が選定した償却方法により損金経理した金額(上限は、償却限度額に達するまでの金額)を、損金に算入できます。

選択肢3. 損金の額に算入される租税公課のうち、事業税については、原則として、その事業税に係る納税申告書を提出した日の属する事業年度の損金の額に算入することができる。

適切

法人事業税は必要経費として認められるため、損金の額に算入することができます。

選択肢4. 法人が国または地方公共団体に対して支払った寄附金は、原則として、その全額を損金の額に算入することができる。

適切

確定申告することで、法人が国または地方公共団体に対して支払った寄附金も損金の額に算入することができます。

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02

法人税の損金に関しては、法人税の中でも難易度は低いですが、タックスが苦手な方には少々覚えにくい範囲です。

しかし簿記の資格を持っている方であれば、比較的イメージしやすいので、覚えておくと得点源にすることができます。

法人税はイメージしやすいことが重要です。

法人に関する損金や費用は、出題されることが比較的多いので、イメージしてピンポイントで覚えておきましょう。

 

損金とは…

法人税を計算する際に、差し引くことができる費用や損失のことです。

会計上の費用だけに限らないので、混同しないようにしましょう。

選択肢1. 法人が従業員の業務遂行中の交通違反に係る反則金を負担した場合、その負担金は、損金の額に算入することができる。

不適切

交通違反にかかる反則金は、損金の額に算入することはできません

損金を算入するということは、これにより法人税を下げる効果があります。

違反をしたことによる反則金で税金が下がることはおかしいというイメージを持ちましょう。

選択肢2. 法人が減価償却資産として損金経理した金額のうち、償却限度額に達するまでの金額は、その全額を損金の額に算入することができる。

適切

減価償却とは、法人が建物や車両、機械装置などの固定資産を購入した際に、使用可能な年数(耐用年数)に従って費用計上をしていくことを言います。

大きな固定資産は長期間使用されていくもののため、一度に費用として計上せず時間の経過や使用頻度によって分割して費用計上していきます。

そしてこの費用計上の最大が償却限度額です。

法人はその年の損金には、その年の分の償却限度額の全額を損金に算入することができます。

選択肢3. 損金の額に算入される租税公課のうち、事業税については、原則として、その事業税に係る納税申告書を提出した日の属する事業年度の損金の額に算入することができる。

適切

租税公課とは、国や地方自治体に納める税金である租税と、国や地方自治体・その他公共団体などへの会費や罰金である公課を合わせた言葉です。

FPの試験上では、基本的には租税公課は税金のことだと覚えておけば問題ありません。

 

そしてこの租税公課には、損金に算入できるものと出来ないものがあります。

それぞれは以下の通りです。

 

〇算入できる

 法人事業税固定資産税都市計画税・印紙税など

〇算入できない

 法人税、法人住民税、延滞税、反則金など

選択肢4. 法人が国または地方公共団体に対して支払った寄附金は、原則として、その全額を損金の額に算入することができる。

適切

法人が支払った寄付金は、国や地方公共団体、そのほか指定寄付金は、全額損金に算入できます。

またそれ以外の寄付金も、一定額であれば損金に算入できます。

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03

法人税の損金に関する正確な理解は、法人の税務計画と申告において重要な要素です。

この解説では、損金に関する各選択肢の適切性を検討し、法人税計算における損金の扱いについての理解を深めます。

選択肢1. 法人が従業員の業務遂行中の交通違反に係る反則金を負担した場合、その負担金は、損金の額に算入することができる。

不適切

従業員の業務遂行中の交通違反に関する反則金を法人が負担した場合、その費用は損金に算入できません。

これは、業務遂行に関連して課された罰金や過料等が、法人の損金として認められないためです。

選択肢2. 法人が減価償却資産として損金経理した金額のうち、償却限度額に達するまでの金額は、その全額を損金の額に算入することができる。

適切

法人税において、減価償却資産の償却費は、その償却限度額までの金額が損金として認められます。

償却費がこの限度額を超えた場合、超過分は損金に算入できず、後の事業年度において償却不足が生じた際にのみ、その範囲で損金算入が可能となります。

このルールは、減価償却資産の価値減少を税務上適切に反映させるためのものです。

選択肢3. 損金の額に算入される租税公課のうち、事業税については、原則として、その事業税に係る納税申告書を提出した日の属する事業年度の損金の額に算入することができる。

適切

租税公課は、国や地方公共団体に納められる税金(租税)と、公共団体などに支払う会費や罰金(公課)の総称です。

これらは政府による社会インフラや公共サービスの提供資金として活用されます。

租税には、不動産取得税や固定資産税、印紙税、事業税、自動車税などがあり、公課には、行政サービスの手数料、各種証明書の発行費用、同業者団体などの会費、延滞税、不納付加算税、過怠税、交通反則金などがあります。

事業税をはじめとする一部の租税については、その納税申告書を提出した事業年度において損金として算入することが可能です。

また、更正や決定によって変更された租税に関しても、その更正または決定があった事業年度での損金算入が認められています。

選択肢4. 法人が国または地方公共団体に対して支払った寄附金は、原則として、その全額を損金の額に算入することができる。

適切

国や地方公共団体への寄附金は、法人税計算上、原則として全額損金として算入可能です。

この制度によって、法人が公共の利益に寄与する形で支払った寄附金は、税務上の費用として認識され、法人の税負担軽減に寄与します。

ただし、国や地方公共団体以外への寄附金については、損金算入が認められるのは一定の限度額までとなっています。

この制度は、公共への貢献を奨励しつつ、税務上の適正な処理を促進するために設計されています。

まとめ

法人税において、損金算入のルールは、法人の経済活動における実際の費用負担を正確に反映するために設けられています。

交通違反の反則金のように、法人が負担することができない費用も存在するため、損金算入の可否を正しく理解することが重要です。

また、減価償却資産の償却費、事業税、国または地方公共団体への寄附金など、損金に算入できる項目を適切に管理することで、法人は適正な税負担を果たすことができます。

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