FP2級の過去問
2023年9月
学科 問35

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問題

FP技能検定2級 2023年9月 学科 問35 (訂正依頼・報告はこちら)

所得税の申告に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • 青色申告者は、仕訳帳、総勘定元帳その他一定の帳簿を原則として10年間保存しなければならない。
  • 青色申告者が申告期限後に確定申告書を提出した場合、適用を受けることができる青色申告特別控除額は最大55万円となる。
  • 青色申告者の配偶者で青色事業専従者として給与の支払いを受ける者は、その者の合計所得金額の多寡にかかわらず、控除対象配偶者には該当しない。
  • 青色申告者に損益通算してもなお控除しきれない損失の金額(純損失の金額)が生じた場合、その損失の金額を翌年以後最長で7年繰り越して、各年分の所得金額から控除することができる。

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この過去問の解説 (2件)

01

青色申告とは、複式簿記に基づいて取引を帳簿に記録し、それをもとに所得税を計算して申告することです。

選択肢1. 青色申告者は、仕訳帳、総勘定元帳その他一定の帳簿を原則として10年間保存しなければならない。

不適切

仕訳帳、総勘定元帳その他一定の帳簿の保存は、原則7年間です。

選択肢2. 青色申告者が申告期限後に確定申告書を提出した場合、適用を受けることができる青色申告特別控除額は最大55万円となる。

不適切

最大で65万円控除することができます。

選択肢3. 青色申告者の配偶者で青色事業専従者として給与の支払いを受ける者は、その者の合計所得金額の多寡にかかわらず、控除対象配偶者には該当しない。

適切

配偶者特別控除を受けるためには、配偶者が青色事業専従者または事業専従者でないことが条件です。

選択肢4. 青色申告者に損益通算してもなお控除しきれない損失の金額(純損失の金額)が生じた場合、その損失の金額を翌年以後最長で7年繰り越して、各年分の所得金額から控除することができる。

不適切

損失は、翌年以後最長で3年繰越すことができます。

参考になった数2

02

所得税の申告における青色申告制度は、納税者に多くのメリットを提供する一方で、特定の規則と要件を理解し遵守することが求められます。

この問題を通じて、所得控除および損益通算に関して学び、青色申告者が知っておくべき重要なポイントを解説します。

選択肢1. 青色申告者は、仕訳帳、総勘定元帳その他一定の帳簿を原則として10年間保存しなければならない。

不適切

青色申告者は、複式簿記に基づいた帳簿の記帳を行い、これらの帳簿や書類を7年間保存する義務があります。

10年間の保存義務は誤りであり、正しくは7年間です。

この期間内には、税務調査などで帳簿の提出が求められる可能性があります。

選択肢2. 青色申告者が申告期限後に確定申告書を提出した場合、適用を受けることができる青色申告特別控除額は最大55万円となる。

不適切

青色申告者は、所得税法に基づき、特定の条件を満たすことにより、所得から控除できる特別な控除額の恩恵を受けることができます。

これらの控除には、55万円の青色申告特別控除、65万円の青色申告特別控除、そして10万円の青色申告特別控除が含まれます。

各控除の要件を正確に理解することは、青色申告者が最大限の税務上の利益を得るために不可欠です。

55万円の青色申告特別控除

この控除を受けるためには、以下の条件が必要です。

・不動産所得または事業所得を生じる事業を営むこと。

・取引を複式簿記により記帳すること。

・記帳に基づき作成した貸借対照表および損益計算書を確定申告書に添付し、確定申告期限までに提出すること。

65万円の青色申告特別控除

この控除を受けるためには、55万円控除の条件に加えて、以下のいずれかに該当することが必要です。

・その年分の仕訳帳および総勘定元帳について、電子帳簿保存を行うこと。

・確定申告書の提出期限までにe-Taxを使用して確定申告を行うこと。

10万円の青色申告特別控除

この控除は、上記の55万円または65万円の青色申告特別控除の要件に該当しない青色申告者に適用されます。

申告期限後に確定申告書を提出した青色申告者は、55万円や65万円の青色申告特別控除の適用を受けることができません。

そのため、このケースでは最大10万円の青色申告特別控除が適用されることになります。

選択肢3. 青色申告者の配偶者で青色事業専従者として給与の支払いを受ける者は、その者の合計所得金額の多寡にかかわらず、控除対象配偶者には該当しない。

適切

青色申告者が配偶者や親族を青色事業専従者として雇用し、その給与を支払う場合、この支払いは特定の条件下で必要経費として認められます。

この制度によって、事業運営のコストとして給与支払いを事業の費用に計上することができます。

メリット: 青色申告者には、実際に支払った給与を必要経費として計上できる特例があります。

この特例により、給与支払いが事業経費として認められ、事業所得の計算時に控除することが可能になります。

デメリット: 給与を受け取る青色事業専従者(配偶者や親族)は、その給与受取により控除対象配偶者や扶養親族の条件を満たさなくなります。

青色申告者の事業専従者として給与の支払を受ける者は、控除対象配偶者や扶養親族にはなれません。

青色申告者が配偶者や親族を青色事業専従者として雇用し、給与を支払うことは、経営上の必要経費として認められます。

ただし、この給与を受け取ることによって、受取人は控除対象配偶者や扶養親族としての資格を失います。

選択肢4. 青色申告者に損益通算してもなお控除しきれない損失の金額(純損失の金額)が生じた場合、その損失の金額を翌年以後最長で7年繰り越して、各年分の所得金額から控除することができる。

不適切

青色申告者が損益通算後に控除しきれない損失が生じた場合、その損失額は翌年以降3年間にわたって繰り越して控除することが可能です。

純損失の繰り越しは、事業運営における損失を将来の所得に対して相殺するための重要な制度です。

まとめ

所得税の申告における青色申告制度は、納税者に対して数々のメリットを提供する一方で、帳簿の保存義務、特別控除の条件、専従者給与の取り扱い、損失の繰り越しといった複数の重要な規則を遵守することを要求します。

これらの規則の理解は、納税者が自身の税務計画を管理し、税負担を最適化するために重要です。

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