2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級) 過去問
2023年9月
問46 (学科 問46)

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問題

FP技能検定2級 2023年9月 問46(学科 問46) (訂正依頼・報告はこちら)

都市計画区域および準都市計画区域内における建築基準法の規定に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  • 商業地域、工業地域および工業専用地域においては、地方公共団体の条例で日影規制(日影による中高層の建築物の高さの制限)の対象区域として指定することができない。
  • 建築物の高さに係る隣地斜線制限は、第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域および田園住居地域には適用されない。
  • 第一種低層住居専用地域内には、原則として、老人ホームを建築することはできるが、病院を建築することはできない。
  • 道路斜線制限(前面道路との関係についての建築物の各部分の高さの制限)は、原則として、第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域における建築物にのみ適用され、商業地域における建築物には適用されない。

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この過去問の解説 (3件)

01

計画的に街づくりを行う必要のある地域を都市計画区域といい、都市計画区域外の内、放置することで将来の街づくりに支障が出る可能性のある地域を準都市計画区域といいます。

選択肢1. 商業地域、工業地域および工業専用地域においては、地方公共団体の条例で日影規制(日影による中高層の建築物の高さの制限)の対象区域として指定することができない。

適切

日影規制とは、日照権の守るために、日陰となる時間の最低基準を定めたものです。

選択肢2. 建築物の高さに係る隣地斜線制限は、第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域および田園住居地域には適用されない。

適切

第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域および田園住居地域では、隣地斜線制限より厳しい絶対高さ制限が適用されます。

選択肢3. 第一種低層住居専用地域内には、原則として、老人ホームを建築することはできるが、病院を建築することはできない。

適切

第一種低層住居専用地域内では、病院や大学、ホテルなどを建築することはできません。

選択肢4. 道路斜線制限(前面道路との関係についての建築物の各部分の高さの制限)は、原則として、第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域における建築物にのみ適用され、商業地域における建築物には適用されない。

不適切

道路斜線制限は、すべての用途地域において適用されます。

参考になった数10

02

建築基準法の規定に関する問題は比較的出題されますが、そこまで問題数は多くないので、余裕があれば覚える程度で問題ありません。

そして今回の選択肢はどれも難問です。

これらを全て覚えるとなると、相当不動産が得意な方でなければ難しい範囲です。

用地地域を覚えて、その上で建築基準法を覚える必要があるからです。

苦手な方は、先に別の問題を解くのも、時間配分を考える上では大切になってくる問題です。

選択肢1. 商業地域、工業地域および工業専用地域においては、地方公共団体の条例で日影規制(日影による中高層の建築物の高さの制限)の対象区域として指定することができない。

適切

日影規制とは、建物による日陰ができる時間を抑えて、周辺の居住環境を確保・保護するための規制です。

しかしこの日影規制は、商業地域、工業地域および工業専用地域では適用されません

これらは住居系の用地地域ではなく、もともと住居の少ない・建設不可の地域なので、規制をかけることはありません。

選択肢2. 建築物の高さに係る隣地斜線制限は、第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域および田園住居地域には適用されない。

不適切

隣地斜線制限とは、建物と建物が近すぎて日照や風通しが悪くならないように、その間に空間を確保するための制限です。

建物の高さが20mもしくは31mを超える部分について適用されます。

下記の画像でいうと、右側の建物に適用されます。

しかしもともと高さの制限がある地域(第一種低層住居専用地域・第二種低同住居専用地域・田園住居地域)では適用されません。

 

選択肢3. 第一種低層住居専用地域内には、原則として、老人ホームを建築することはできるが、病院を建築することはできない。

適切

第一種低層住居専用地域内では、原則として、老人ホームを建築することはできます。

しかし病院を建築することはできません。

 

この問題はとても難しいので、優先的に覚える必要はありません。

選択肢4. 道路斜線制限(前面道路との関係についての建築物の各部分の高さの制限)は、原則として、第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域における建築物にのみ適用され、商業地域における建築物には適用されない。

不適切

道路斜線制限とは、建物と建物の間に空間を確保し、道路への採光や風通しを守るための制限です。

この道路斜線制限は、すべての用途地域で適用されます。

参考になった数0

03

都市計画区域および準都市計画区域内での建築行為は、建築基準法の規定によって整理されています。

この問題では、日影規制、隣地斜線制限、特定用途の建築物の建設可否、および道路斜線制限に関する規定についての理解が試されています。

選択肢1. 商業地域、工業地域および工業専用地域においては、地方公共団体の条例で日影規制(日影による中高層の建築物の高さの制限)の対象区域として指定することができない。

適切

商業地域、工業地域、および工業専用地域では、日影規制が適用されません。

この規制は、中高層建築物が冬至の日に周囲に長時間の日影を落とさないようにするためのものです。

商業地域、工業地域、および工業専用地域が日影規制の適用から除外されているのは、経済活動の促進や工業的な発展を優先するためです。

しかし、これらの地域に位置していても、建物が10メートル以上の高さがあり、冬至日に日影規制対象となる地域に影響を与える場合、その建物は規制の対象となる可能性があります。

選択肢2. 建築物の高さに係る隣地斜線制限は、第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域および田園住居地域には適用されない。

適切

隣地斜線制限は、建築物が隣地に与える影響を最小限に抑えるために設けられた規制です。

具体的には、建物の高さを、隣地境界線から一定の距離に設定された架空の斜線内に収める必要があります。

この斜線は、敷地の周囲の隣地境界線から傾斜して上方に伸びる線で、20メートルまたは31メートルの高さから隣地境界線までの距離の1.25倍または2.5倍の傾斜で定められます。

しかし、第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、および田園住居地域では、住居環境の保護を目的とした絶対高さの制限があり、これらの地域では隣地斜線制限は適用されません。

これは、これらの地域が基本的に低層の住宅地域であるため、建築物の高さが自然と限定されることが多いからです。

絶対高さの制限により、建築物の高さは都市計画によって定められた10メートルまたは12メートルを超えることは許されず、これにより住居地域の良好な環境が保持されます。

選択肢3. 第一種低層住居専用地域内には、原則として、老人ホームを建築することはできるが、病院を建築することはできない。

適切

第一種低層住居専用地域は、その名称が示す通り、低層で静かな住宅地の環境を維持し保護することを目的としています。

この地域では、住環境に大きな影響を与える可能性のある病院や大規模な宿泊施設などの建設は原則として許可されていません。

一方で、地域社会の高齢化に伴う需要を考慮して、老人ホームのような福祉施設の建設は可能とされています。

これは、老人ホームが地域の住民にサービスを提供する施設として、比較的静かな住環境に適合すると考えられるためです。

このように、第一種低層住居専用地域の規制は、地域の特性に合わせて住環境の質を維持し、住民の生活の質を高めることを目指しています。

選択肢4. 道路斜線制限(前面道路との関係についての建築物の各部分の高さの制限)は、原則として、第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域における建築物にのみ適用され、商業地域における建築物には適用されない。

不適切

道路斜線制限は、建物が道路に面する際に、道路の幅に基づいて設けられる高さ制限で、建築物の道路側面の高さを限定するものです。

道路斜線制限は、建物から道路への適切な日照や通風、視界の確保を目的としており、全ての地域でその適用を受けます。

このような制限は、都市部の密集地域や住宅地など、さまざまな環境での快適な生活空間を保持するために重要な役割を果たしています。

まとめ

この問題を通じて、建築基準法における地域ごとの建築規制の適用について学びました。

特に、経済活動の盛んな地域における日影規制の非適用、低層住居専用地域での隣地斜線制限の非適用、老人ホームと病院の建築可否、および道路斜線制限の全域適用が重要なポイントです。

これらの知識は、都市計画や建築設計における法的要件を理解する上で不可欠です。

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