2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級) 過去問
2023年9月
問49 (学科 問49)

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問題

FP技能検定2級 2023年9月 問49(学科 問49) (訂正依頼・報告はこちら)

個人が土地を譲渡した場合の譲渡所得に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  • 相続により取得した土地を譲渡した場合、その土地の所有期間を判定する際の取得の日は、相続人が当該相続を登記原因として所有権移転登記をした日である。
  • 土地の譲渡に係る所得が長期譲渡所得に区分される場合、課税長期譲渡所得金額に対し、原則として、所得税(復興特別所得税を含む)が15.315%、住民税が5%の税率で課される。
  • 土地の譲渡に係る所得については、その土地を譲渡した日の属する年の1月1日における所有期間が5年以下の場合、短期譲渡所得に区分される。
  • 譲渡所得の金額の計算上、譲渡した土地の取得費が不明な場合には、譲渡収入金額の5%相当額を取得費とすることができる。

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この過去問の解説 (3件)

01

土地の譲渡所得に関する税法は、土地を取得してから譲渡するまでの期間(所有期間)や取得費の計算方法によって、課税所得の計算が異なります。

この規定の理解は、土地譲渡時の税務計画において重要です。

選択肢1. 相続により取得した土地を譲渡した場合、その土地の所有期間を判定する際の取得の日は、相続人が当該相続を登記原因として所有権移転登記をした日である。

不適切

相続によって取得した土地を売却する際、所有期間の計算において重要なのは相続人がその土地を実際に所有し始めた日ではなく、元の所有者、つまり被相続人がその土地を取得した日です。

したがって、相続が発生してから土地を売却する場合でも、その土地の所有期間は被相続人の取得日から計算されます。

この原則により、相続直後に不動産を売却しても、それが短期譲渡所得に該当するとは限りません。

所有期間の計算は、被相続人が不動産を取得した時点から始まり、相続人による所有権移転登記の日付は考慮されません。

選択肢2. 土地の譲渡に係る所得が長期譲渡所得に区分される場合、課税長期譲渡所得金額に対し、原則として、所得税(復興特別所得税を含む)が15.315%、住民税が5%の税率で課される。

適切

土地を売却して得られる所得は、所有期間によって「長期譲渡所得」と「短期譲渡所得」の二つに区分されます。

所有期間が5年を超える場合の所得は長期譲渡所得として扱われ、所得税(復興特別所得税含む)は15.315%、住民税は5%の税率が適用されます。

これに対して、所有期間が5年以下の場合は短期譲渡所得とみなされ、所得税(復興特別所得税含む)は30.63%、住民税は9%の高い税率が課されます。

この制度は、不動産の長期保有を奨励し、短期間での売買による市場の過熱を抑制する目的があります。

長期譲渡所得に対する比較的低い税率は、長期的な資産形成や安定した市場環境の維持に寄与することが期待されています。

選択肢3. 土地の譲渡に係る所得については、その土地を譲渡した日の属する年の1月1日における所有期間が5年以下の場合、短期譲渡所得に区分される。

適切

土地の譲渡所得に関しては、譲渡時点での所有期間が非常に重要です。

所有期間が譲渡年の1月1日時点で5年以下である場合、得られる所得は「短期譲渡所得」として分類されます。

対照的に、所有期間が5年を超える場合には「長期譲渡所得」とみなされます。

これにより、税金の計算方法が異なります。

この区分は、投資や資産運用の戦略を立てる際に考慮すべき重要な要素の一つです。

選択肢4. 譲渡所得の金額の計算上、譲渡した土地の取得費が不明な場合には、譲渡収入金額の5%相当額を取得費とすることができる。

適切

土地や建物の売却において、譲渡所得を計算する際は売却価格から取得費及び譲渡費用を差し引くことが基本です。

しかし、土地や建物が長期間保有されていたり、過去に相続や贈与で取得したなど、具体的な取得費が不明なケースがあります。

このような状況では、譲渡収入金額の5%を取得費として計算することが認められています。

この措置は、取得費の証明が難しい場合にも税負担を可能にするための配慮です。

例えば、3,000万円で土地建物を売却した場合、その取得費が不明あるいは実際の取得費が売却価格の5%以下である場合でも、売却価格の5%にあたる150万円を取得費として用いることができます。

これにより、譲渡所得の計算を行い、税額を算出することが可能になります。

まとめ

土地の譲渡所得に関する税法は、所有期間や取得費の計算方法に基づいて様々な場合分けがあります。

相続土地の譲渡、長期譲渡所得の税率、所有期間による区分、取得費が不明な場合の計算方法など、正確な理解が税務計画における重要なポイントとなります。

FP2級試験では、これらの知識を整理して適切な選択肢を選ぶ能力が問われます。

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02

個人が土地を譲渡した場合、譲渡所得が発生します。

この譲渡所得に関する問題は頻出です。

特に概算取得費に関する問題は頻出で、実技では計算問題も出題されますので、パーセンテージを覚えた上で、しっかり計算できるようにしましょう。

選択肢1. 相続により取得した土地を譲渡した場合、その土地の所有期間を判定する際の取得の日は、相続人が当該相続を登記原因として所有権移転登記をした日である。

不適切

相続により取得した土地は、被相続人が取得した日をそのまま相続人も受け継ぐことになります。

たとえば父から相続された土地の取得日は、父が取得した日をそのまま受け継ぎ、子が譲渡をする場合もこの父から受け継いだ取得日で所有期間を判定します。

選択肢2. 土地の譲渡に係る所得が長期譲渡所得に区分される場合、課税長期譲渡所得金額に対し、原則として、所得税(復興特別所得税を含む)が15.315%、住民税が5%の税率で課される。

適切

土地の譲渡に係る所得には、長期譲渡所得と短期譲渡所得があります。

長期譲渡所得の税率は原則として、所得税が15.315%、住民税が5%、合計で20.315%です。

選択肢3. 土地の譲渡に係る所得については、その土地を譲渡した日の属する年の1月1日における所有期間が5年以下の場合、短期譲渡所得に区分される。

適切

土地の譲渡にかかる所得には、長期譲渡所得短期譲渡所得があります。

これには所有期間が5年を超えると長期譲渡所得5年以下であれば短期譲渡所得に区分されます。

ここで大切なのが、この所有期間の計算方法です。

譲渡した年の1月1日から遡って、5年を超えているかいないかで判定されます。

 

たとえば2024年12月15日に土地のを譲渡した場合です。

2024年1月1日時点で、所有期間が5年を超えていれば長期譲渡所得になります。

所有したのが2019年2月15日であれば、2024年1月1日時点では5年が経過していません。

この場合であれば、短期譲渡所得となります。

この所有期間の違いはしっかり覚えておきましょう。

選択肢4. 譲渡所得の金額の計算上、譲渡した土地の取得費が不明な場合には、譲渡収入金額の5%相当額を取得費とすることができる。

適切

譲渡所得を計算するためには、土地の取得費が必要です。

しかしあまりにも古かったりして取得費が分からないこともあります。

そんなときは、譲渡収入金額の5%を概算取得費として計算することができます。

 

 

〇譲渡所得の計算式

※実技で計算問題が出題されるので、しっかり覚えておきましょう。

 

譲渡収入金額ー(取得費+譲渡費用)

 

この取得費の箇所を「譲渡収入金額の5%」の概算取得費で計算することができます。

ちなみに取得費が概算取得費を使う方が安い場合は、概算取得費で計算しても問題ありません。

どちらを使用するかは、選択できます。

譲渡費用は、仲介手数料や印紙税などが当てはまります。

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03

不動産を譲渡して収入を得たときには、譲渡所得として所得税がかかります。

選択肢1. 相続により取得した土地を譲渡した場合、その土地の所有期間を判定する際の取得の日は、相続人が当該相続を登記原因として所有権移転登記をした日である。

不適切

相続によって取得した場合は、被相続人の取得日を引き継ぎます。

選択肢2. 土地の譲渡に係る所得が長期譲渡所得に区分される場合、課税長期譲渡所得金額に対し、原則として、所得税(復興特別所得税を含む)が15.315%、住民税が5%の税率で課される。

適切

長期譲渡所得の場合、所得税15%、住民税5%、復興特別所得税0.315%の合計20.315%の税率がかかります。

選択肢3. 土地の譲渡に係る所得については、その土地を譲渡した日の属する年の1月1日における所有期間が5年以下の場合、短期譲渡所得に区分される。

適切

5年以下の場合は短期譲渡所得、5年超の場合は長期譲渡所得となります。

選択肢4. 譲渡所得の金額の計算上、譲渡した土地の取得費が不明な場合には、譲渡収入金額の5%相当額を取得費とすることができる。

適切

譲渡した土地の取得費が不明な場合や取得費が収入金額の5%を下回る場合においては、譲渡収入金額の5%相当額を取得費とすることができます。

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