FP2級の過去問
2024年1月
学科 問4

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問題

FP技能検定2級 2024年1月 学科 問4 (訂正依頼・報告はこちら)

在職老齢年金に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • 在職老齢年金の仕組みにおいて、支給停止調整額は、受給権者が65歳未満の場合と65歳以上の場合とでは異なっている。
  • 在職老齢年金の仕組みにより老齢厚生年金の全部が支給停止される場合、老齢基礎年金の支給も停止される。
  • 65歳以上70歳未満の厚生年金保険の被保険者が受給している老齢厚生年金の年金額は、毎年9月1日を基準日として再計算され、その翌月から改定される。
  • 厚生年金保険の被保険者が、70歳で被保険者資格を喪失した後も引き続き厚生年金保険の適用事業所に在職する場合、総報酬月額相当額および基本月額の合計額にかかわらず、在職老齢年金の仕組みにより老齢厚生年金が支給停止となることはない。

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この過去問の解説 (3件)

01

在職老齢年金の仕組みは、受給資格者が働き続けることで年金の支給がどう影響を受けるかを規定しています。

この仕組みを理解することは、これからの高齢化社会において重要です。

選択肢1. 在職老齢年金の仕組みにおいて、支給停止調整額は、受給権者が65歳未満の場合と65歳以上の場合とでは異なっている。

不適切

在職老齢年金の支給停止調整額とは、給与等(賞与を含む)と老齢厚生年金を合わせた月額が一定金額以下であれば、年金が全額支給される基準額を指します。

以前は、65歳未満と65歳以上で支給停止調整額が異なっていました。

しかし、令和4年4月の年金制度改正により、60歳以上のすべての年齢層で支給停止調整額が統一されました。

毎年4月の見直しにより、令和6年度では前年の48万円から50万円に変更されることが決定しています。

この改正により、65歳未満と65歳以上の区別なく同一の調整額が適用されるようになったため、選択肢の記述は現行制度とは合致しません。

選択肢2. 在職老齢年金の仕組みにより老齢厚生年金の全部が支給停止される場合、老齢基礎年金の支給も停止される。

不適切

在職老齢年金の規定により、60歳以降に就業しながら老齢厚生年金を受給する場合、その人の月給と賞与(直近1年の賞与を12で割った額)を加えた合計が月額50万円を超えると、老齢厚生年金が減額されます。

しかし、この制度は老齢厚生年金のみに影響し、老齢基礎年金は影響を受けず、完全な額が支給されます。

老齢厚生年金と老齢基礎年金の違いを正確に理解することが重要です。

選択肢3. 65歳以上70歳未満の厚生年金保険の被保険者が受給している老齢厚生年金の年金額は、毎年9月1日を基準日として再計算され、その翌月から改定される。

適切

在職定時改定とは、65歳以上70歳未満で働きながら厚生年金保険に引き続き加入している人の老齢厚生年金が、毎年9月1日を基準日として計算し直される制度です。

この制度により、前年の9月から当年の8月までに加入していた期間が年金額の計算に加わります。

改定された年金額はその年の10月分から改定され、12月に支給されます。これにより、引き続き働いている間に加入期間が増えることで、受け取る老齢厚生年金額も増加する可能性があります。

この仕組みは、在職中に年金額が増加するメリットを提供するために設計されています。

選択肢4. 厚生年金保険の被保険者が、70歳で被保険者資格を喪失した後も引き続き厚生年金保険の適用事業所に在職する場合、総報酬月額相当額および基本月額の合計額にかかわらず、在職老齢年金の仕組みにより老齢厚生年金が支給停止となることはない。

不適切

70歳に達すると、通常、厚生年金保険の被保険者資格を喪失しますが、仕事を続ける場合、厚生年金保険に任意で引き続き加入する選択が可能です。

この場合、被保険者は「高齢任意加入被保険者」として登録し、「高齢任意加入被保険者資格取得申出書」の提出が必要になります。

70歳を超えても年金加入期間が不足している場合、この制度を利用して加入期間を延長し、将来の年金受給額を増やすことができます。

また、70歳以降も在職する場合、在職老齢年金の規則に基づき、給与と年金の合計が一定額を超えると年金の支給が一部または全額停止される可能性があります。

まとめ

在職老齢年金に関する理解を深めることは、FPとして高齢のクライアントへの適切なアドバイスを提供する上で重要です。

特に、最近の制度改正により支給停止調整額が変更されたことや、65歳以上の厚生年金加入者に対する年金再計算の仕組みは、クライアントにとって大きな関心事であり、これらの変更を理解し正確に伝えることが求められます。

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02

在職老齢年金に関する問題です。

選択肢1. 在職老齢年金の仕組みにおいて、支給停止調整額は、受給権者が65歳未満の場合と65歳以上の場合とでは異なっている。

不適切な選択肢

支給停止調整額は年齢関係なく50万円になります。

在職老齢年金とは、老齢厚生年金を受け取りながら働く場合、年金額と賃金の合計額が50万を超えると老齢厚生年金の一部または全部が支給停止になります。

選択肢2. 在職老齢年金の仕組みにより老齢厚生年金の全部が支給停止される場合、老齢基礎年金の支給も停止される。

不適切な選択肢

在職老齢年金により支給停止されるのは老齢厚生年金であり、老齢基礎年金全額支給されます。

選択肢3. 65歳以上70歳未満の厚生年金保険の被保険者が受給している老齢厚生年金の年金額は、毎年9月1日を基準日として再計算され、その翌月から改定される。

適切な選択肢

65歳以上70歳未満の厚生年金保険の被保険者が受給する年金額は、毎年9月1日を基準として年金額の計算が行われます。

選択肢4. 厚生年金保険の被保険者が、70歳で被保険者資格を喪失した後も引き続き厚生年金保険の適用事業所に在職する場合、総報酬月額相当額および基本月額の合計額にかかわらず、在職老齢年金の仕組みにより老齢厚生年金が支給停止となることはない。

不適切な選択肢

70歳になると原則、厚生年金保険の被保険者ではなくなりますが、在職老齢年金の仕組みは引き続き適用されます。そのため年金と賃金の合計額によっては、全部または一部が支給停止となることがあります。
 

参考になった数3

03

在職老齢年金とは、60歳以後も働き、厚生年金保険に加入している人の場合、年金額が調整される制度です。

今後、高齢化がさらに進行していくにつれ、在職老齢年金の対象になる人は多くなると見込まれます。実務にとっても重要なので、わかりにくい制度ですが覚えていきましょう。

選択肢1. 在職老齢年金の仕組みにおいて、支給停止調整額は、受給権者が65歳未満の場合と65歳以上の場合とでは異なっている。

不適切

支給停止調整額は、48万円で年令に関係なく同一です。なお、この金額は毎年状況により変動するので、チェックしておきましょう。

選択肢2. 在職老齢年金の仕組みにより老齢厚生年金の全部が支給停止される場合、老齢基礎年金の支給も停止される。

不適切

この場合支給停止されるのは、老齢厚生年金のうち、報酬比例部分のみであるため、老齢基礎年金は支給停止されません。

選択肢3. 65歳以上70歳未満の厚生年金保険の被保険者が受給している老齢厚生年金の年金額は、毎年9月1日を基準日として再計算され、その翌月から改定される。

適切

問題文のとおりです。前年までの老齢厚生年金加入の実績を、年金額に反映させるための措置です。

選択肢4. 厚生年金保険の被保険者が、70歳で被保険者資格を喪失した後も引き続き厚生年金保険の適用事業所に在職する場合、総報酬月額相当額および基本月額の合計額にかかわらず、在職老齢年金の仕組みにより老齢厚生年金が支給停止となることはない。

不適切

70歳以後でも、在職老齢年金の制度は適用されるため、老齢厚生年金が支給停止となる場合があります。

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