FP2級の過去問
2024年1月
学科 問14

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問題

FP技能検定2級 2024年1月 学科 問14 (訂正依頼・報告はこちら)

個人年金保険の税金に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、いずれも契約者(= 保険料負担者)および年金受取人は同一人であり、個人であるものとする。
  • 個人年金保険の年金に係る雑所得の金額は、その年金額から、その年金額に対応する払込保険料および公的年金等控除額を差し引いて算出する。
  • 個人年金保険の年金に係る雑所得の金額が25万円以上である場合、その年金の支払時に当該金額の20.315%相当額が源泉徴収等される。
  • 個人年金保険(10年確定年金)において、年金受取人が年金受取開始日後に将来の年金給付の総額に代えて受け取った一時金は、一時所得として所得税の課税対象となる。
  • 個人年金保険(保証期間付終身年金)において、保証期間中に年金受取人が死亡して遺族が取得した残りの保証期間の年金受給権は、雑所得として所得税の課税対象となる。

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この過去問の解説 (3件)

01

個人年金保険の税金に関する問題です。

選択肢1. 個人年金保険の年金に係る雑所得の金額は、その年金額から、その年金額に対応する払込保険料および公的年金等控除額を差し引いて算出する。

不適切な選択肢

 

個人年金保険は公的年金には該当しないため、公的年金等控除を受けることはできません

 

個人年金保険の年金に係る雑所得は、その年の年金額より必要経費(払込保険料)を差し引き求めます。

選択肢2. 個人年金保険の年金に係る雑所得の金額が25万円以上である場合、その年金の支払時に当該金額の20.315%相当額が源泉徴収等される。

不適切な選択肢

 

個人年金保険の年金に係る雑所得が25万円以上の場合、その金額の10.21%が所得税・復刻特別所得税として源泉徴収されます。

選択肢3. 個人年金保険(10年確定年金)において、年金受取人が年金受取開始日後に将来の年金給付の総額に代えて受け取った一時金は、一時所得として所得税の課税対象となる。

適切な選択肢

 

個人年金保険において年金を一括で受け取った場合、一時所得として所得税が課せられます。

選択肢4. 個人年金保険(保証期間付終身年金)において、保証期間中に年金受取人が死亡して遺族が取得した残りの保証期間の年金受給権は、雑所得として所得税の課税対象となる。

不適切な選択肢

 

個人年金保険において、補償期間中に年金受取人が死亡し遺族が残りの期間の年金を受け取る場合、年金受給権を相続または遺贈により取得したものとして相続税が課せられます。

参考になった数3

02

個人年金保険に関する税金の取り扱いについては、複雑なルールが存在します。

特に契約者と年金受取人が同一人である場合の税務上の取り扱いは重要です。

この問題を通じて、個人年金保険と税金の関係について解説します。

選択肢1. 個人年金保険の年金に係る雑所得の金額は、その年金額から、その年金額に対応する払込保険料および公的年金等控除額を差し引いて算出する。

不適切
個人年金保険の年金に係る雑所得の金額は、その年に受け取った年金額から、その年金額に対応する払込保険料を差し引いた額で計算されます。

公的年金等控除は適用されません。

選択肢2. 個人年金保険の年金に係る雑所得の金額が25万円以上である場合、その年金の支払時に当該金額の20.315%相当額が源泉徴収等される。

不適切
年金を受け取る際には、あらかじめ税金が差し引かれることがあります。

年金額から、その年金額に対応する払込保険料を差し引いた残額(雑所得の金額)が25万円以上の場合、その残額の10.21%が所得税および復興特別所得税として源泉徴収されます。

20.315%ではありません。

選択肢3. 個人年金保険(10年確定年金)において、年金受取人が年金受取開始日後に将来の年金給付の総額に代えて受け取った一時金は、一時所得として所得税の課税対象となる。

適切
保険料の負担者と年金の受取人が同一人の場合、公的年金等以外の年金受取に係る所得は雑所得として所得税が課税されます。

雑所得の金額は、その年に支払を受けた年金の額から、その金額に対応する払込保険料または掛金の額を差し引いた金額です。

ただし、年金受取開始前または開始後に、将来の年金給付の総額に代えて一時金として受け取った場合、その一時金は一時所得として所得税の課税対象となります。

選択肢4. 個人年金保険(保証期間付終身年金)において、保証期間中に年金受取人が死亡して遺族が取得した残りの保証期間の年金受給権は、雑所得として所得税の課税対象となる。

不適切
個人年金保険契約で、保険料負担者、被保険者、年金受取人が同一人の場合、その年金支払保証期間内にその人が死亡した場合、遺族が残りの期間について年金を受け取ることになります。

この場合、遺族が受け取る年金受給権は相続税の課税対象となります。

雑所得として所得税は課されません。

 

なお、厚生年金や国民年金などを受給していた人が死亡したときに遺族に支給される遺族年金は、原則として所得税も相続税も課税されません。

また、死亡時に支給されていなかった年金を遺族が請求して受け取った場合は、その遺族の一時所得となり、相続税はかかりません。

まとめ

個人年金保険の税務取り扱いは、受け取る年金の種類や受取タイミングにより異なります。

年金の受給に係る雑所得の計算方法や源泉徴収の割合、さらに一時金として受け取った場合の課税方法など、それぞれのルールを理解しておくことが重要です。

特に、年金受取人が死亡した場合の取り扱いは相続税との関係も含めて確認しておきましょう。

参考になった数0

03

個人年金にかかる税金に関する問題です。

老齢年金は基本的に雑所得のカテゴリーですが、受け取り方によっては扱いが変わることに注意しましょう。

選択肢1. 個人年金保険の年金に係る雑所得の金額は、その年金額から、その年金額に対応する払込保険料および公的年金等控除額を差し引いて算出する。

不適切

公的年金等控除は、公的年金にのみ有効です。個人年金保険は民間の保険会社との契約によるものですから控除はありません。

選択肢2. 個人年金保険の年金に係る雑所得の金額が25万円以上である場合、その年金の支払時に当該金額の20.315%相当額が源泉徴収等される。

不適切

問題文のような場合は、20.315%でなく10.21%が所得税および復興特別所得税として徴収されます。

25万円以上という数字も覚えておきたいところです。

選択肢3. 個人年金保険(10年確定年金)において、年金受取人が年金受取開始日後に将来の年金給付の総額に代えて受け取った一時金は、一時所得として所得税の課税対象となる。

適切

問題文のとおりです。年金形式(毎月定額を受け取るなど)での支払いを受ける場合については、雑所得の扱いになります。

保証期間付年金の「保証期間分の一括受取」は、雑所得になることもおさえましょう。

選択肢4. 個人年金保険(保証期間付終身年金)において、保証期間中に年金受取人が死亡して遺族が取得した残りの保証期間の年金受給権は、雑所得として所得税の課税対象となる。

不適切

所得税ではなく、相続税の扱いになります。

本来、死亡した本人が受け取るべきであったお金を遺族が取得することになるので、本人からお金を受け取る権利の相続を受けたという解釈になるのです。

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