FP2級の過去問
2024年1月
学科 問15

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問題

FP技能検定2級 2024年1月 学科 問15 (訂正依頼・報告はこちら)

契約者(= 保険料負担者)を法人とする生命保険に係る保険料等の経理処理に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、いずれの保険契約も保険料は年払いかつ全期払いで、2023年10月に締結したものとする。
  • 被保険者が役員、死亡保険金受取人が法人である終身保険の支払保険料は、その全額を資産に計上する。
  • 被保険者が役員・従業員全員、死亡保険金受取人が被保険者の遺族、満期保険金受取人が法人である養老保険の支払保険料は、その全額を損金の額に算入することができる。
  • 被保険者が役員・従業員全員、給付金受取人が法人である医療保険について、法人が受け取った入院給付金および手術給付金は、その全額を益金の額に算入する。
  • 被保険者が役員、死亡保険金受取人が法人で、最高解約返戻率が80%である定期保険(保険期間30年)の支払保険料は、保険期間の前半4割相当期間においては、その60%相当額を資産に計上し、残額を損金の額に算入することができる。

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この過去問の解説 (3件)

01

法人が保険料を負担し、役員や従業員に保険をかけた場合の経理処理に関する問題です。

普段、サラリーマンとして働いている人にはなれないシチュエーションですが、落ち着いてお金の流れを把握し、保険が会社にとって財産となるのか、費用となるのかなどを見極めましょう。

選択肢1. 被保険者が役員、死亡保険金受取人が法人である終身保険の支払保険料は、その全額を資産に計上する。

適切

法人が保険金を払い、役員に保険をかけ、役員が死亡した場合・途中解約して解約返戻金を受け取る場合は法人にお金が入る状況です。

これは保険金相当分を法人が貯蓄している事に当たりますので、支払保険料の全額が試算として扱われます。

選択肢2. 被保険者が役員・従業員全員、死亡保険金受取人が被保険者の遺族、満期保険金受取人が法人である養老保険の支払保険料は、その全額を損金の額に算入することができる。

不適切

全額を損金にすることはできません。2分の1となります。

法人が契約する養老保険は基本的に全額を資産計上しますが、「死亡保険金受取人が被保険者の遺族、満期保険金受取人が法人」という場合は、支払い保険金の半分は資産、もう半分は福利厚生費として損金に参入します。

ハーフタックスプランと呼ばれるものです。

選択肢3. 被保険者が役員・従業員全員、給付金受取人が法人である医療保険について、法人が受け取った入院給付金および手術給付金は、その全額を益金の額に算入する。

適切

問題文のような状況の場合、支払い保険料は資産計上しません。そのため、受け取った給付金の全額が益金になります。

選択肢4. 被保険者が役員、死亡保険金受取人が法人で、最高解約返戻率が80%である定期保険(保険期間30年)の支払保険料は、保険期間の前半4割相当期間においては、その60%相当額を資産に計上し、残額を損金の額に算入することができる。

適切

問題文のとおりです。法人が契約する定期保険で保険期間が3年以上の場合、最高解約返戻率が何%かによって扱いが変わります。(保険期間3年未満の場合は期間の経過に応じて保険料の全額を損金に計上します)

50%以下の場合は、全額を損金算入、

50%超~70%の場合は前半4割の期間で支払保険料の40%を資産計上、残り60%を損金算入、

70%超~85%の場合は前半4割の期間で支払保険料の60%を資産計上、残り40%を損金算入、

それ以上の場合は当初10年は支払保険料×最高解約返戻率×90%を資産計上、残りを損金算入、

11年目以降は最高解約返戻率期間の最終日まで、

支払保険料×最高解約返戻率×70%を資産計上、残りを損金算入となります。

 

非常に覚えにくいところですが、頻出の項目です。

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02

法人契約の保険に関する問題です。

選択肢1. 被保険者が役員、死亡保険金受取人が法人である終身保険の支払保険料は、その全額を資産に計上する。

適切な選択肢

 

死亡保険金受取人が法人である終身保険の支払い保険料は全額資産として計上します。

 

養老保険年金保険など貯蓄性の高い保険は同様になります。

選択肢2. 被保険者が役員・従業員全員、死亡保険金受取人が被保険者の遺族、満期保険金受取人が法人である養老保険の支払保険料は、その全額を損金の額に算入することができる。

不適切な選択肢

 

①契約者を法人②被保険者を役員・従業員③死亡保険金の受取人を役員・従業員の遺族という契約の養老保険1/2養老保険(ハーフタックスプラン)といいます。

 

1/2養老保険(ハーフタックスプラン)では支払い保険料のうち1/2を資産計上、1/2を損金算入します。

選択肢3. 被保険者が役員・従業員全員、給付金受取人が法人である医療保険について、法人が受け取った入院給付金および手術給付金は、その全額を益金の額に算入する。

適切な選択肢

 

医療保険の保険料は資産計上されていないので、全額雑収入として益金に算入され法人税が課せられます。

選択肢4. 被保険者が役員、死亡保険金受取人が法人で、最高解約返戻率が80%である定期保険(保険期間30年)の支払保険料は、保険期間の前半4割相当期間においては、その60%相当額を資産に計上し、残額を損金の額に算入することができる。

適切な選択肢

 

法人契約の定期保険で保険期間が3年以上の保険料の処理は以下のようになります。

最高解約返戻率資産計上期間資産計上期間の処理
50%超70%以下保険期間の前半4割相当期間

支払保険料の40%を資産計上

60%を損金算入

70%超85%以下保険期間の前半4割相当期間

支払保険料の60%を資産計上

40%を損金算入

85%超

保険開始日から最高返戻解約率

となる期間

保険開始日から10年間

支払い保険料×最高解約返戻率×90%を資産計上

残りは損金算入

 

それ以降

支払い保険料×最高解約返戻率×70%を資産計上

残りは損金算入

 

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03

この問題は、法人が契約者となる生命保険の経理処理に関するものであり、保険料の取り扱いや資産計上、損金算入についての知識が問われています。

それぞれの選択肢について、適切か不適切かを判断し、その理由を解説します。

選択肢1. 被保険者が役員、死亡保険金受取人が法人である終身保険の支払保険料は、その全額を資産に計上する。

適切

この選択肢では、被保険者が役員で、死亡保険金の受取人が法人となっている終身保険の保険料について説明しています。

終身保険は貯蓄性のある保険であり、死亡保険金受取人が法人の場合、保険料の全額を資産として計上する必要があります。

もし死亡保険金受取人が従業員や役員の遺族であれば、その保険料は福利厚生費として損金に計上されます。

選択肢2. 被保険者が役員・従業員全員、死亡保険金受取人が被保険者の遺族、満期保険金受取人が法人である養老保険の支払保険料は、その全額を損金の額に算入することができる。

不適切

この選択肢の場合、死亡保険金の受取人が被保険者の遺族、生存保険金の受取人が法人となっています。

このような場合、支払った保険料のうち、1/2は資産に計上し、残りの1/2は損金に算入します。

したがって、支払保険料の全額を損金に算入することはできません。

選択肢3. 被保険者が役員・従業員全員、給付金受取人が法人である医療保険について、法人が受け取った入院給付金および手術給付金は、その全額を益金の額に算入する。

適切

この選択肢では、法人が契約者となり、役員や従業員が被保険者となる医療保険について説明しています。

役員や従業員がケガや病気で入院や手術をした場合、法人が受け取る給付金は益金となります。

受け取った給付金は、一般的に「雑収入」として処理されます。

また、見舞金は法人の経費として扱われるため、受け取った給付金から見舞金を支払うことができます。

選択肢4. 被保険者が役員、死亡保険金受取人が法人で、最高解約返戻率が80%である定期保険(保険期間30年)の支払保険料は、保険期間の前半4割相当期間においては、その60%相当額を資産に計上し、残額を損金の額に算入することができる。

適切

最高解約返戻率とは、保険期間を通じて最も高い解約返戻率を指します。

法人契約の定期保険で保険期間が3年以上の場合、最高解約返戻率に応じて損金に算入できる割合が異なります。

最高解約返戻率が80%の場合、保険期間の前半4割相当期間において、保険料の60%を資産に計上し、残りの40%を損金に算入することが認められています。

まとめ

この問題では、法人が契約者となる生命保険の経理処理についての基本的な知識が問われました。

終身保険や養老保険、医療保険、定期保険それぞれの保険料の取り扱い方法を理解することが重要です。

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