FP2級の過去問
2024年1月
学科 問18

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問題

FP技能検定2級 2024年1月 学科 問18 (訂正依頼・報告はこちら)

契約者(= 保険料負担者)を法人、被保険者を従業員とする損害保険に係る保険金の経理処理に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • 業務中の事故によるケガが原因で入院をした従業員が、普通傷害保険の入院保険金を保険会社から直接受け取った場合、法人は当該保険金相当額を益金の額に算入する。
  • 業務中の事故で従業員が死亡したことにより、法人が普通傷害保険の死亡保険金を受け取った場合、法人は当該保険金相当額を益金の額に算入する。
  • 従業員が法人の所有する自動車で対人事故を起こし、その相手方に保険会社から自動車保険の対人賠償保険の保険金が直接支払われた場合、法人は当該保険金相当額を益金の額に算入する。
  • 従業員が法人の所有する自動車で交通事故を起こし、法人が、当該車両が全損したことにより受け取った自動車保険の車両保険の保険金で業務用機械設備を取得した場合、圧縮記帳が認められる。

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この過去問の解説 (3件)

01

この問題は、法人が契約者であり、従業員が被保険者である損害保険における保険金の経理処理についての適切さを問うものです。

保険金の受取人や用途によって、法人の益金に算入できるかどうか、また圧縮記帳が認められるかどうかが異なります。

それぞれの選択肢について詳しく見ていきましょう。

選択肢1. 業務中の事故によるケガが原因で入院をした従業員が、普通傷害保険の入院保険金を保険会社から直接受け取った場合、法人は当該保険金相当額を益金の額に算入する。

不適切

法人が契約する損害保険において、従業員が保険金を直接受け取った場合、法人は経理処理をする必要はありません。

法人が支払った保険料は経費として処理されており、資産計上していないため取り崩す仕訳が必要ありません。

また、法人としては保険金を受け取っていないため益金として算入するものもありません。

選択肢2. 業務中の事故で従業員が死亡したことにより、法人が普通傷害保険の死亡保険金を受け取った場合、法人は当該保険金相当額を益金の額に算入する。

適切

契約者と受取人が法人で、被保険者がその法人の役員や従業員とする傷害保険についての死亡保険金や配当金を受け取った場合、受け取った金額は益金に算入されます。

益金に算入する時期は、支払を受けるべきことが確定した日の属する事業年度です。

選択肢3. 従業員が法人の所有する自動車で対人事故を起こし、その相手方に保険会社から自動車保険の対人賠償保険の保険金が直接支払われた場合、法人は当該保険金相当額を益金の額に算入する。

不適切

対人賠償保険とは自動車事故によって相手が死傷した場合の損害賠償責任で、自賠責保険等で支払われる保険金額を超える部分を補償します。

法人が契約する損害保険において、対人事故の相手方が保険会社から保険金を直接受け取った場合、法人は経理処理をすることはありません。

法人は保険金を受け取っておらず、また取り崩すべき資産計上額もありません。

選択肢4. 従業員が法人の所有する自動車で交通事故を起こし、法人が、当該車両が全損したことにより受け取った自動車保険の車両保険の保険金で業務用機械設備を取得した場合、圧縮記帳が認められる。

不適切

圧縮記帳とは、課税所得となる利益を将来に繰り延べる制度で、法人税法と租税特別措置法に規定されています。

法人所有の自動車など、固定資産の損害に対する保険金を受け取り、代替資産を取得する場合に圧縮記帳が認められます。

しかし、業務用機械設備は自動車の代替資産とは認められません。

自動車が全損したことによって代替の自動車を取得した場合には圧縮記帳が認められますが、業務用機械設備の場合は認められません。

まとめ

この問題では、法人が契約者である損害保険の保険金の経理処理に関する適切な処理を求めています。

重要なポイントは、保険金を法人が受け取るかどうか、またその保険金の用途によって経理処理が異なることです。

保険金を直接従業員や相手方が受け取る場合は、法人の益金に算入する必要はありません。

一方、法人が受け取る保険金は益金に算入されます。

また、圧縮記帳の適用についても代替資産の種類によって適用の可否が異なるため、注意が必要です。

参考になった数4

02

法人が従業員に損害保険をかけているシチュエーションの問題です。

保険金の動きをよく見極め、法人が「利得」を得ているかを考えましょう。

選択肢1. 業務中の事故によるケガが原因で入院をした従業員が、普通傷害保険の入院保険金を保険会社から直接受け取った場合、法人は当該保険金相当額を益金の額に算入する。

不適切

問題文のような状況の場合、法人には全くお金は入りませんので、経理処理の必要もありません。記述はありませんが、基本的に法人が払っている保険料金は「損金」として処理します。

選択肢2. 業務中の事故で従業員が死亡したことにより、法人が普通傷害保険の死亡保険金を受け取った場合、法人は当該保険金相当額を益金の額に算入する。

適切

損害保険が『積立型』ではない場合、法人が受け取った給付金はそのまま「益金」となります。

選択肢3. 従業員が法人の所有する自動車で対人事故を起こし、その相手方に保険会社から自動車保険の対人賠償保険の保険金が直接支払われた場合、法人は当該保険金相当額を益金の額に算入する。

不適切

問題文のような状況の場合、法人には全くお金が入りませんので、経理処理も必要ありません。

選択肢4. 従業員が法人の所有する自動車で交通事故を起こし、法人が、当該車両が全損したことにより受け取った自動車保険の車両保険の保険金で業務用機械設備を取得した場合、圧縮記帳が認められる。

不適切

圧縮記帳が認められる場合は、受け取った保険金で被害を受けた資産(問題文の場合は車両)にかわる財産(代替資産)を取得した時です。

問題文の場合、車両が被害を受けた保険金で別の設備を取得しているため、圧縮記帳が認められません。

参考になった数1

03

保険金の経理処理に関する問題です。

選択肢1. 業務中の事故によるケガが原因で入院をした従業員が、普通傷害保険の入院保険金を保険会社から直接受け取った場合、法人は当該保険金相当額を益金の額に算入する。

不適切な選択肢

 

保険金を従業員が保険会社から直接受け取っていますので、法人としては経理処理をする必要はありません。

選択肢2. 業務中の事故で従業員が死亡したことにより、法人が普通傷害保険の死亡保険金を受け取った場合、法人は当該保険金相当額を益金の額に算入する。

適切な選択肢

 

法人が保険金を受け取っていますので全額益金として算入します。

選択肢3. 従業員が法人の所有する自動車で対人事故を起こし、その相手方に保険会社から自動車保険の対人賠償保険の保険金が直接支払われた場合、法人は当該保険金相当額を益金の額に算入する。

不適切な選択肢

 

法人は保険金を受け取ってはいないので、経理処理する必要はありません。

選択肢4. 従業員が法人の所有する自動車で交通事故を起こし、法人が、当該車両が全損したことにより受け取った自動車保険の車両保険の保険金で業務用機械設備を取得した場合、圧縮記帳が認められる。

不適切な選択肢

 

固定資産の損害に対して保険金を受け取り代替資産を取得した場合は圧縮記帳が認められます。

 

本設問では自動車の損害に対して業務用設備を取得しているため、代替資産とはならないため圧縮記帳は認められません。

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