FP2級の過去問
2024年1月
学科 問31

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問題

FP技能検定2級 2024年1月 学科 問31 (訂正依頼・報告はこちら)

所得税の基本的な仕組みに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • 所得税では、納税者が申告した所得金額に基づき、納付すべき税額を税務署長が決定する賦課課税方式が採用されている。
  • 所得税の課税対象は国内において生じた所得のみであり、国外において生じた所得が課税対象となることはない。
  • 所得税における居住者とは、国内に住所を有し、または現在まで引き続いて1年以上居所を有する個人をいう。
  • 所得税額の計算において課税総所得金額に乗じる税率には、課税総所得金額が大きくなるにつれて段階的に税率が高くなる超過累進税率が採用されており、その最高税率は30%である。

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この過去問の解説 (3件)

01

所得税の基本的な仕組みに関する問題は、税制の理解を深めるために重要です。

今回の問題では、所得税の課税方式、課税対象、居住者の定義、累進課税制度についての理解が求められています。

それぞれの選択肢について詳細な解説を行います。

選択肢1. 所得税では、納税者が申告した所得金額に基づき、納付すべき税額を税務署長が決定する賦課課税方式が採用されている。

不適切
所得税は「申告納税制度」を採用しています。

これは納税者が自ら所得を申告し、その申告に基づいて税額を確定し、納付する方式です。

 

一方、「賦課課税方式」は行政機関が税額を決定し、納税者に通知する方式であり、主に地方税で採用されています。

例えば、固定資産税や自動車税が賦課課税方式に該当します。

 

国税においては、昭和22年に税制を民主化するために申告納税制度が導入され、それ以来ほとんどの国税に適用されています。

このため、所得税も申告納税制度を採用しており、納税者自身が税務署に申告する必要があります。

選択肢2. 所得税の課税対象は国内において生じた所得のみであり、国外において生じた所得が課税対象となることはない。

不適切
所得税法では、納税義務者を居住者、非居住者、内国法人、外国法人の4つのグループに分け、それぞれの納税義務を定めています。

居住者とは、日本国内に住所があるか、または1年以上引き続いて居所を有する個人を指します。

居住者はさらに「非永住者以外の居住者」と「非永住者」に分けられます。

 

非永住者以外の居住者は、国内外を問わずすべての所得に対して課税されます。

一般的には、このケースに該当する人が多いです。

 

非永住者は、日本国籍がなく、過去10年以内に日本国内に住所または居所を有していた期間の合計が5年以下である個人です。

非永住者は、国内で生じた所得および、日本国内で支払われた国外所得や日本国内に送金された国外所得に対して課税されます。

 

一方、非居住者は、日本国内で生じた所得(国内源泉所得)のみが課税対象です。

 

このように、居住者、非永住者、非居住者の課税範囲が異なるため、正確に理解することが重要です。

選択肢3. 所得税における居住者とは、国内に住所を有し、または現在まで引き続いて1年以上居所を有する個人をいう。

適切
所得税法では、居住者を「国内に住所を有する者」または「現在まで引き続き1年以上居所を有する者」と定義しています。

 

住所とは、個人の生活の本拠を意味し、生活の本拠であるかどうかは客観的事実によって判断されます。

選択肢4. 所得税額の計算において課税総所得金額に乗じる税率には、課税総所得金額が大きくなるにつれて段階的に税率が高くなる超過累進税率が採用されており、その最高税率は30%である。

不適切
所得税には「超過累進税率」が採用されています。

これは課税所得が一定額を超えた部分に対して高い税率が適用される制度です。

 

現在、所得税の税率は5%から45%までの7段階に区分されています。

最高税率は45%であり、この制度により高額所得者ほど高い税率が適用される仕組みになっています。

したがって、最高税率が30%であるという記述は誤りです。

まとめ

所得税の基本的な仕組みについて理解することは、納税義務を適正に履行するために重要です。

所得税は申告納税制度を採用しており、納税者は自ら申告を行い税額を確定させます。

また、居住者の定義や課税対象、累進課税制度についても正確に理解することが求められます。

今回の問題を通じて、所得税の基本的な仕組みについての理解を深めることができました。

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02

所得税に関する問題です。

選択肢1. 所得税では、納税者が申告した所得金額に基づき、納付すべき税額を税務署長が決定する賦課課税方式が採用されている。

不適切な選択肢

 

所得税は賦課課税方式ではなく、申告納税方式が採用されています。

その他の申告納税方式として、法人税相続税などがあります。

 

賦課課税方式には、住民税固定資産税などがあります。

選択肢2. 所得税の課税対象は国内において生じた所得のみであり、国外において生じた所得が課税対象となることはない。

不適切な選択肢

 

納税義務者のうち居住者のうち非永住者以外すべての所得に課税されます。

 

納税義務者と課税対象の範囲は以下のようになっています。

居住者+非永住者以外すべての所得
居住者+非永住者

国内所得

国外所得で国内で支払いor国外から送金されたもの

非居住者国内所得

選択肢3. 所得税における居住者とは、国内に住所を有し、または現在まで引き続いて1年以上居所を有する個人をいう。

適切な選択肢

 

居住者とは、「国内に住所を有し、または現在まで引き続き1年以上、国内に居所を有する個人」です。

選択肢4. 所得税額の計算において課税総所得金額に乗じる税率には、課税総所得金額が大きくなるにつれて段階的に税率が高くなる超過累進税率が採用されており、その最高税率は30%である。

不適切な選択肢

 

所得税は所得金額が高い部分程高い税率が適用される超過累進課税が採用されています。

その税率は、5%~45%までの7段階に区分されています。

参考になった数1

03

所得税の仕組みに関する問題です。

国外在住者などについては特殊な課税をする場合があることはおさえましょう。

選択肢1. 所得税では、納税者が申告した所得金額に基づき、納付すべき税額を税務署長が決定する賦課課税方式が採用されている。

不適切

賦課課税方式ではなく、納税者個人が自ら税額を計算し、申告を行う「申告納税方式」です。確定申告をしたことのある人はよくわかるでしょう。

賦課課税方式は国などが税額を計算して納税者に通知するもので、住民税や固定資産税などがそれにあたります。

選択肢2. 所得税の課税対象は国内において生じた所得のみであり、国外において生じた所得が課税対象となることはない。

不適切

日本に居住している人や法人の場合、基本的に国外で生じた所得も、課税対象となります。非居住者の場合はその限りではありません。

選択肢3. 所得税における居住者とは、国内に住所を有し、または現在まで引き続いて1年以上居所を有する個人をいう。

適切

問題文のとおりです。

また、「非永住者」とは、日本国民でなく、過去10年以内に日本国内に住んでいた期間が5年以下の人、

「非居住者」とは、居住者以外の個人であることを覚えておきましょう。

選択肢4. 所得税額の計算において課税総所得金額に乗じる税率には、課税総所得金額が大きくなるにつれて段階的に税率が高くなる超過累進税率が採用されており、その最高税率は30%である。

不適切

現在の所得税最高税率は45%となっています。

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