FP2級の過去問
2024年1月
学科 問39

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問題

FP技能検定2級 2024年1月 学科 問39 (訂正依頼・報告はこちら)

会社と役員間の取引に係る所得税・法人税に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  • 会社が役員に対して無利息で金銭の貸付けを行った場合、原則として、通常収受すべき利息に相当する金額が、会社の益金の額に算入される。
  • 役員が会社の所有する社宅に無償で居住している場合、原則として、通常の賃貸料相当額が、その役員の給与所得の収入金額に算入される。
  • 会社が役員に対して支給する当該会社の株式上場に係る記念品(現物に代えて支給する金銭は含まない)であって、社会通念上記念品としてふさわしく、かつ、その価額が1万円以下のものは、役員の給与所得の収入金額に算入しない。
  • 役員が所有する建物を適正な時価の2分の1以上かつ適正な時価未満の価額で会社に譲渡した場合、その役員は、適正な時価により当該土地を譲渡したものとして譲渡所得の計算を行う。

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この過去問の解説 (3件)

01

この問題は、会社と役員間の取引に関する所得税・法人税の取り扱いについての理解を問うものです。

特に、会社から役員に対して行われる取引のうち、無利息貸付け、社宅の提供、記念品の支給、資産の譲渡に関する税法の規定について詳しく解説します。

最も不適切な記述を特定するために、それぞれの選択肢を具体的に見ていきましょう。

選択肢1. 会社が役員に対して無利息で金銭の貸付けを行った場合、原則として、通常収受すべき利息に相当する金額が、会社の益金の額に算入される。

適切

会社が役員や使用人に対して無利息または低利で金銭を貸し付ける場合、その利息の差額は給与として課税されます。

例えば、通常の利率で計算した利息が10万円で、実際に受け取る利息が0円の場合、その差額10万円が役員の給与所得とみなされます。

通常収受すべき利息に相当する金額は、会社の益金として計上されるため、この選択肢は適切です。

選択肢2. 役員が会社の所有する社宅に無償で居住している場合、原則として、通常の賃貸料相当額が、その役員の給与所得の収入金額に算入される。

適切

役員が会社所有の社宅に無償で居住する場合、その社宅の賃貸料相当額が役員の給与所得に加算されます。

例えば、通常の賃貸料が月10万円である場合、その10万円が役員の給与所得として課税されます。

また、賃貸料相当額より低い家賃を支払っている場合、その差額も課税対象となります。

選択肢3. 会社が役員に対して支給する当該会社の株式上場に係る記念品(現物に代えて支給する金銭は含まない)であって、社会通念上記念品としてふさわしく、かつ、その価額が1万円以下のものは、役員の給与所得の収入金額に算入しない。

適切

記念品の支給に関しては、社会通念上ふさわしいものであり、その価額が1万円以下の場合には課税されません。

例えば、株式上場を記念して贈られる1万円以下の時計や記念品は給与所得として扱われないことが一般的です。

ただし、現金で支給された場合は課税対象となります。

選択肢4. 役員が所有する建物を適正な時価の2分の1以上かつ適正な時価未満の価額で会社に譲渡した場合、その役員は、適正な時価により当該土地を譲渡したものとして譲渡所得の計算を行う。

不適切

役員が所有する建物を適正な時価の2分の1以上で会社に譲渡した場合、その譲渡価額が収入金額として計算されます。

例えば、時価が1,000万円の建物を500万円以上で譲渡した場合、その譲渡価額が譲渡所得の計算基礎となります。

しかし、時価の2分の1未満で譲渡した場合、時価相当額を譲渡収入として計算します。

この選択肢は誤りであり、不適切です。

まとめ

この問題では、会社と役員間の取引に関する税法の適用について考えました。

役員が所有する建物の譲渡に関する処理について誤りがありました。

具体的には、時価の2分の1以上で譲渡した場合、その譲渡価額が収入金額となり、時価の2分の1未満で譲渡した場合、時価相当額が譲渡収入として扱われます。

参考になった数3

02

会社と会社役員の間の取引に関する問題です。

実際に行っているところを体験したり見聞きする機会が少ないものですので、理解しづらい項目ですね。

取引が、会社にとって得になっているか損になっているかを冷静に判断しながら選択肢を絞り込んでいきましょう。

選択肢1. 会社が役員に対して無利息で金銭の貸付けを行った場合、原則として、通常収受すべき利息に相当する金額が、会社の益金の額に算入される。

適切

大変誤解されやすいですが、会社が役員に無利息で金銭を貸し付けた際は、利息に当たる金額を会社の「益金」に算入します。

この利息分は役員への給与扱いとなって、最終的には会社の損金になります。

選択肢2. 役員が会社の所有する社宅に無償で居住している場合、原則として、通常の賃貸料相当額が、その役員の給与所得の収入金額に算入される。

適切

問題文のとおりです。役員は賃貸料相当額を得しているので、給料を余計に受け取った扱いとして、課税されます。

会社が役員に、家賃を通して経済的利益を与えていると解釈されます。

選択肢3. 会社が役員に対して支給する当該会社の株式上場に係る記念品(現物に代えて支給する金銭は含まない)であって、社会通念上記念品としてふさわしく、かつ、その価額が1万円以下のものは、役員の給与所得の収入金額に算入しない。

適切

役員に記念品という形で利得を与えるとしても、社会通念上ふさわしい品物と価格(1万円以下)であると認められれば、記念品相当額は役員の収入としては判断されません。

選択肢4. 役員が所有する建物を適正な時価の2分の1以上かつ適正な時価未満の価額で会社に譲渡した場合、その役員は、適正な時価により当該土地を譲渡したものとして譲渡所得の計算を行う。

不適切

問題文のような状況の場合は、「適正な時価」により当該土地を譲渡したものとは扱われません。「譲渡価額での取引をした」とみとめて、譲渡所得を計算します。

これが時価の2分の1未満で譲渡した場合であった場合は、「時価相当額」を譲渡収入として、譲渡価額を計算します。

参考になった数1

03

会社と役員間の取引に係る所得税・法人税に関する問題です。

選択肢1. 会社が役員に対して無利息で金銭の貸付けを行った場合、原則として、通常収受すべき利息に相当する金額が、会社の益金の額に算入される。

適切な選択肢

 

会社が役員に対してみ利息で金銭の貸付を行った場合、本来受け取るべき利息額を益金として算入します。

選択肢2. 役員が会社の所有する社宅に無償で居住している場合、原則として、通常の賃貸料相当額が、その役員の給与所得の収入金額に算入される。

適切な選択肢

 

会社の所有する社宅に無償で居住している場合、役員は本来支払うべき賃貸料相当額の給与を受けたものとして給与収入金額に算入します。

選択肢3. 会社が役員に対して支給する当該会社の株式上場に係る記念品(現物に代えて支給する金銭は含まない)であって、社会通念上記念品としてふさわしく、かつ、その価額が1万円以下のものは、役員の給与所得の収入金額に算入しない。

適切な選択肢

 

会社が役員に対して支給する当該会社の株式上場に係る記念品は、社会通念上記念品としてふさわしいものであり価額が1万円以下であれば、給与所得の収入金額へ算入しません。

選択肢4. 役員が所有する建物を適正な時価の2分の1以上かつ適正な時価未満の価額で会社に譲渡した場合、その役員は、適正な時価により当該土地を譲渡したものとして譲渡所得の計算を行う。

不適切な選択肢

 

役員が所有する建物を適正な時価の2分の1以上かつ適正な時価未満の価額で会社に譲渡した場合、譲渡価額を譲渡収入として譲渡所得の計算を行います。

 

時価の2分の1未満で譲渡した場合は、時価を譲渡収入として譲渡所得の計算行います。

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