FP2級の過去問
2024年1月
学科 問40

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問題

FP技能検定2級 2024年1月 学科 問40 (訂正依頼・報告はこちら)

貸借対照表および損益計算書の一般的な特徴に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  • 貸借対照表の無形固定資産は、物理的な形態を持たない特許権や商標権等の資産の金額を表示している。
  • 貸借対照表の固定負債は、返済期限が決算日の翌日から起算して1年以内に到来しない借入金等の負債の金額を表示している。
  • 損益計算書の営業利益は、売上総利益金額から販売費及び一般管理費の合計額を控除した金額を表示している。
  • 損益計算書の税引前当期純利益は、経常利益または経常損失の金額に営業外収益・営業外費用を加算・減算した金額を表示している。

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この過去問の解説 (3件)

01

貸借対照表と損益計算書は、企業の財務状態や経営成績を表す重要な財務諸表です。

これらの特徴を正しく理解することは、企業分析や会計の基本を押さえる上で非常に重要です。

選択肢1. 貸借対照表の無形固定資産は、物理的な形態を持たない特許権や商標権等の資産の金額を表示している。

適切
無形固定資産とは、物理的な形態を持たないが、1年以上にわたって使用される資産です。

具体例として、特許権、商標権、借地権、ソフトウェア、のれん(営業権)などが含まれます。

 

これらの無形固定資産は、取得時に資産として計上され、その後、毎期均等に償却されます。

償却額を控除した残額が貸借対照表に無形固定資産として表示されます。

 

例えば、企業が新しいソフトウェアを購入した場合、そのソフトウェアは無形固定資産として計上され、使用期間に応じて減価償却が行われます。

このように、無形固定資産は物理的な形態を持たないものの、企業の経済的価値を形成する重要な資産です。

選択肢2. 貸借対照表の固定負債は、返済期限が決算日の翌日から起算して1年以内に到来しない借入金等の負債の金額を表示している。

適切
固定負債とは、返済期限が1年以上先の負債を指します。

これには、社債や長期借入金、未払金や買掛金などの返済義務を伴う負債が含まれます。

 

例えば、企業が5年間の返済期間を持つ長期借入金を持っている場合、その金額は固定負債として計上されます。

このように、固定負債は短期的な返済義務がなく、長期的に企業の財務構造に影響を与える負債を示します。

また、固定負債は企業の長期的な資金調達や投資活動に関連しており、その管理が企業の安定経営にとって重要です。

選択肢3. 損益計算書の営業利益は、売上総利益金額から販売費及び一般管理費の合計額を控除した金額を表示している。

適切
営業利益は、企業の本業による利益を示す指標です。計算式は以下の通りです。

営業利益=売上総利益−販売費及び一般管理費

売上総利益は、売上高から売上原価を差し引いたものです。

販売費及び一般管理費には、広告宣伝費や人件費、事務所賃貸料などが含まれます。

 

例えば、ある企業が売上高1,000万円、売上原価600万円、販売費及び一般管理費200万円の場合、営業利益は200万円となります。

このように、営業利益は企業が本業でどれだけの利益を上げているかを示し、経営効率や競争力を評価するための重要な指標となります。

選択肢4. 損益計算書の税引前当期純利益は、経常利益または経常損失の金額に営業外収益・営業外費用を加算・減算した金額を表示している。

不適切
税引前当期純利益の計算方法に誤りがあります。

正しくは以下の通りです。

税引前当期純利益=経常利益+(特別利益−特別損失)

 

経常利益は、本業以外の収益や費用を含めた利益を示します。

特別利益や特別損失は、一時的な利益や損失を指し、企業の通常の営業活動とは直接関係のない項目です。

 

例えば、企業が所有する土地を売却した場合、その売却益は特別利益として計上されます。

税引前当期純利益は、これらの特別項目を加減した後の最終的な利益を示し、企業の年間の経営成績を包括的に評価するための重要な指標です。

まとめ

貸借対照表と損益計算書の構成要素や計算方法について正確に理解することは、財務諸表を正しく解釈するために不可欠です。

特に、無形固定資産の償却方法、固定負債の扱い、営業利益の計算方法、税引前当期純利益の構成要素など、各項目の正確な知識を持つことが重要です。

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02

企業会計に関する問題です。

どちらかというと、簿記や会計士の試験問題に近いと言えます。問題文に出てくる用語は基礎的なものですので、この機会に覚えてしまいましょう。

選択肢1. 貸借対照表の無形固定資産は、物理的な形態を持たない特許権や商標権等の資産の金額を表示している。

適切

問題文のとおりです。

問題文にあるものの他、いわゆる「のれん」や、借地権などもこれにあたります。

選択肢2. 貸借対照表の固定負債は、返済期限が決算日の翌日から起算して1年以内に到来しない借入金等の負債の金額を表示している。

適切

問題文のとおりです。

これに対し「流動負債」は、1年以内に返済期限が到来する借入金などを指します。

選択肢3. 損益計算書の営業利益は、売上総利益金額から販売費及び一般管理費の合計額を控除した金額を表示している。

適切

以下の損益計算書における「5種の利益」は必修です。

・売上総利益(売上高-売上原価)

・営業利益(売上総利益-販売管理費・一般管理費)

・経常利益(営業利益-営業外費用+営業外利益)

・税引前当期純利益(経常利益-特別損失+特別利益)

・当期純利益(税引前当期純利益-法人税など)

 

選択肢4. 損益計算書の税引前当期純利益は、経常利益または経常損失の金額に営業外収益・営業外費用を加算・減算した金額を表示している。

不適切

営業外収益・営業外費用でなく、特別損失・特別利益です。

 

以下の「5種の利益」を必ずマスターしましょう。

・売上総利益(売上高-売上原価)

・営業利益(売上総利益-販売管理費・一般管理費)

・経常利益(営業利益-営業外費用+営業外利益)

・税引前当期純利益(経常利益-特別損失+特別利益)

・当期純利益(税引前当期純利益-法人税など)

参考になった数2

03

貸借対照表および損益計算書の一般的な特徴に関する問題です。

選択肢1. 貸借対照表の無形固定資産は、物理的な形態を持たない特許権や商標権等の資産の金額を表示している。

適切な選択肢

 

無形固定資産は、特許権・商標権・借地権・のれんなどの物理的な形態を持たない資産のことです。

選択肢2. 貸借対照表の固定負債は、返済期限が決算日の翌日から起算して1年以内に到来しない借入金等の負債の金額を表示している。

適切な選択肢

 

固定負債は、長期借入金など返済期限が1年以内に到来しない負債です。

選択肢3. 損益計算書の営業利益は、売上総利益金額から販売費及び一般管理費の合計額を控除した金額を表示している。

適切な選択肢

 

営業利益は、売上総利益額‐販売費・一般管理費で求めることができます。

選択肢4. 損益計算書の税引前当期純利益は、経常利益または経常損失の金額に営業外収益・営業外費用を加算・減算した金額を表示している。

不適切な選択肢

 

税引前当期純利益は、経常利益+特別利益‐特別損失で求めることができます。

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