FP2級の過去問
2024年1月
学科 問49
このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。
問題
FP技能検定2級 2024年1月 学科 問49 (訂正依頼・報告はこちら)
不動産の譲渡に係る各種特例に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、記載されたもの以外の要件はすべて満たしているものとする。
- 自宅を譲渡して「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除」の適用を受ける場合、当該自宅の所有期間は、譲渡した日の属する年の1月1日において10年を超えていなければならない。
- 自宅を譲渡して「居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例」(軽減税率の特例)の適用を受ける場合、同年に取得して入居した家屋について住宅借入金等特別控除の適用を受けることはできない。
- 「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除」と「居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例」(軽減税率の特例)は、重複して適用を受けることができない。
- 相続により取得した土地について、「相続財産に係る譲渡所得の課税の特例」(相続税の取得費加算の特例)の適用を受けるためには、当該土地を、当該相続の開始があった日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後1年を経過する日までの間に譲渡しなければならない。
正解!素晴らしいです
残念...
この過去問の解説 (3件)
01
不動産の譲渡に係る特例については、多くの要件や条件が存在します。
これらの特例を適用するためには、要件を正確に把握し、適切な判断を下すことが重要です。
本問題では、具体的な特例の適用条件に関する4つの選択肢が提示されています。
それぞれの選択肢について適切か不適切かを判断し、解説を行います。
不適切
マイホーム(居住用財産)を売却する際、譲渡所得から最高3,000万円まで控除できる特例があります。
この特例は「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除」と呼ばれます。
この特例を受けるためには、以下の条件を満たす必要がありますが、所有期間の長短は問われません。
・売却するのは自分が住んでいた家屋であること。
・住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すること(災害により滅失した場合も含む)。
・売却の前年および前々年に同様の特例を受けていないこと。
・売却の年、その前年および前々年に他の特例(マイホームの買換え、交換など)を受けていないこと。
・売却する家屋や敷地について、収用など他の特例の適用を受けていないこと。
・売手と買手が特別な関係(親子や夫婦など)にないこと。
適切
住宅借入金等特別控除は、新築または購入した住宅に対する住宅ローンの支払額に応じて所得税から控除を受けられる制度です。
住宅借入金等特別控除の適用要件には、以下の条文が明記されてます。
居住年およびその前2年の計3年間に次に掲げる譲渡所得の課税の特例の適用を受けていないこと。
居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例(租税特別措置法第31条の3第1項)
この規定により、「居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例」を適用した年には、新たに取得して入居した家屋についての住宅借入金等特別控除を適用することはできません。
不適切
自宅を10年以上保有し、その売却による利益(譲渡所得)に対して適用される「10年超所有軽減税率の特例」は、「居住用財産の3,000万円控除」と併用することが可能です。
これにより、譲渡所得から3,000万円を控除した後、残りの譲渡所得に対して低い税率が適用されます。
つまり、両方の特例を重複して適用することで、税負担を大幅に軽減することができます。
不適切
相続や遺贈により取得した土地や建物、株式などの財産については、相続税額の一部を取得費に加算する特例があります。
この特例を適用するための要件は以下の通りです。
・相続や遺贈により財産を取得した者であること。
・その財産に対して相続税が課税されていること。
・その財産を、相続開始の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに譲渡していること。
この特例の適用期間は、相続税の申告期限の翌日以後3年間です。
したがって、1年ではなく3年以内に譲渡する必要があります。
この問題では、不動産の譲渡に関する特例の要件を正確に理解することが求められます。
これらの特例を適用する際には、詳細な要件を確認し、それぞれの適用条件を理解しておくことが試験対策のポイントとなります。
正確な知識を持っていることが、実際の不動産取引や税務申告においても役立つでしょう。
参考になった数4
この解説の修正を提案する
02
不動産の譲渡に係る各種特例に関する問題です。
不適切な選択肢
「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除」を受ける要件に、所有期間に関する事項はありません。
軽減税率の特例では譲渡年の1月1日時点で10年越えの所有期間が要件になります。
適切な選択肢
同じ年に軽減税率の特例と住宅ローン控除の適用を併用することはできません。
不適切な選択肢
居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除と軽減税率の特例は、重複して適用を受けることができます。
不適切な選択肢
相続税の取得費加算の特例の適用を受けるためには、相続税の申告期限の翌日以後3年以内に譲渡しなければなりません。
参考になった数0
この解説の修正を提案する
03
不動産の譲渡・贈与・相続にまつわる問題です。
不動産に限らず、相続や贈与に関しては多くの特例(税の割増、控除など)が存在します。非常によく問われ、選択肢中のひっかけポイントにもなりますので、注意しながら問題文を読みすすめましょう。
不適切
「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除」は、マイホームを売ったときは所有期間に関わりなく、譲渡所得から3,000万円を控除できる制度です。10年間という縛りはありません。
ただし、この制度を利用するためだけに入居したと思われる場合は無効です。
適切
問題文のとおりです。このほか、「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除」を利用した場合も同様です。
住宅借入金等特別控除とはいわゆる「住宅ローン減税」です。優遇税制を重ねて受けることは不適切という考え方なので、前々年からその年までに「軽減税率の特例」「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除」の適用を受けた場合、住宅借入金等特別控除は受けられません。
不適切
「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除」と「居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例」は、重複して利用可能です。
ただし、これら2つの制度の利用タイミングが近い場合(前々年から3年後)は「住宅ローン減税」を同時に受けることはできません。
不適切
「相続財産に係る譲渡所得の課税の特例」(相続税の取得費加算の特例)とは、相続によって得た財産を別の人に譲渡した場合、その財産にかかった分の相続税額を、譲渡所得を計算する際の「取得費」に参入することができるという制度です。
これは、相続の申告期限から1年でなく3年のあいだに行った場合に適用されます。
参考になった数0
この解説の修正を提案する
前の問題(問48)へ
2024年1月問題一覧
次の問題(問50)へ