FP2級の過去問
2024年1月
学科 問50

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問題

FP技能検定2級 2024年1月 学科 問50 (訂正依頼・報告はこちら)

不動産の投資判断手法等に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • NOI利回り(純利回り)は、対象不動産から得られる年間の総収入を総投資額で除して算出される利回りであり、不動産の収益性を測る指標である。
  • DCF法は、連続する複数の期間に発生する総収入および復帰価格を、その発生時期に応じて現在価値に割り引き、それぞれを合計して対象不動産の収益価格を求める手法である。
  • 借入金併用型投資では、投資の収益率が借入金の金利を下回っている場合、レバレッジ効果により、自己資金に対する投資の収益率向上を期待することができる。
  • ⅠRR(内部収益率)とは、投資によって得られる将来のキャッシュフローの現在価値と投資額が等しくなる割引率をいう。

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この過去問の解説 (3件)

01

不動産投資判断手法に関する問題です。

各選択肢が正しいかどうかを判断するためには、不動産投資の基本的な指標や手法についての理解が求められます。

各選択肢の適切性を確認しながら解説していきます。

選択肢1. NOI利回り(純利回り)は、対象不動産から得られる年間の総収入を総投資額で除して算出される利回りであり、不動産の収益性を測る指標である。

不適切

NOIとはNet Operating Incomeの略で、収入(賃料)から、実際に発生した経費(管理費、固定資産税など)のみを控除して求める純収益を指します。

NOI利回りは、対象不動産から得られる年間の総収入から各種の費用(修繕費、管理費、減価償却費など)を差し引いて算出されます。

問題文のような計算により算出されるのは「単純利回り」や「表面利回り」と呼ばれます。

選択肢2. DCF法は、連続する複数の期間に発生する総収入および復帰価格を、その発生時期に応じて現在価値に割り引き、それぞれを合計して対象不動産の収益価格を求める手法である。

不適切

DCF法(Discounted Cash Flow法)は、不動産投資物件の収益価格を計算する方法の一つですが、問題文の説明は不正確です。

DCF法では、各年の純収益(総収入から必要経費を差し引いたもの)と将来の転売価格である復帰価格を、その発生時期に応じて現在価値に割引き、それを合計して対象不動産の収益価格を求めます。

問題文では「総収入」と記載されていますが、実際には「純収益」を現在価値に割り引くことが正しい手法です。

選択肢3. 借入金併用型投資では、投資の収益率が借入金の金利を下回っている場合、レバレッジ効果により、自己資金に対する投資の収益率向上を期待することができる。

不適切

投資の収益率が借入金の金利を上回っている場合に、レバレッジ効果により自己資金に対する投資の収益率が向上します。

収益率が借入金の金利を下回っている場合、逆に収益率は低下します。

選択肢4. ⅠRR(内部収益率)とは、投資によって得られる将来のキャッシュフローの現在価値と投資額が等しくなる割引率をいう。

適切

IRR(Internal Rate of Return)は、投資に必要な支出額の現在価値と、投資によって得られる将来のキャッシュフローの現在価値の総和が等しくなる割引率を指します。

IRRは、早期に利益を獲得できる投資案件ほど高くなり、より収益性の高い投資であると判断されます。

まとめ

この問題では、不動産投資の基本的な指標や手法について理解が求められました。

各選択肢について適切か不適切かを判断するためには、それぞれの用語の定義や計算方法を正確に理解する必要があります。

特にNOI利回りやDCF法、レバレッジ効果、IRRについては、それぞれの正確な意味を理解しておくことが重要です。

参考になった数3

02

不動産の投資判断手法等に関する問題です。

選択肢1. NOI利回り(純利回り)は、対象不動産から得られる年間の総収入を総投資額で除して算出される利回りであり、不動産の収益性を測る指標である。

不適切な選択肢

 

NOI利回り(純利回り)は年間収入合計から諸経費を引いたものを総投下資本で除して算出されます。

 

NOI利回り(純利回り)=(年間収入合計‐諸経費)÷総投下資本×100

となります。

選択肢2. DCF法は、連続する複数の期間に発生する総収入および復帰価格を、その発生時期に応じて現在価値に割り引き、それぞれを合計して対象不動産の収益価格を求める手法である。

不適切な選択肢

 

DCF法は対象不動産から得られると期待される純収益を現在価値に割り引いて計算した値により、投資の収益性を評価する方法です。

選択肢3. 借入金併用型投資では、投資の収益率が借入金の金利を下回っている場合、レバレッジ効果により、自己資金に対する投資の収益率向上を期待することができる。

不適切な選択肢

 

レバレッジ効果とは、借入金の金利が対象不動産から得られる利回りよりも低いと、自己資金に対する投資の収益率向上を期待することができることです。

選択肢4. ⅠRR(内部収益率)とは、投資によって得られる将来のキャッシュフローの現在価値と投資額が等しくなる割引率をいう。

適切な選択肢

 

IRR(内部収益率)とは、投資によって得られる将来のキャッシュフローの現在価値と投資額が等しくなる割引率をいいます。

 

内部収益率が大きいほど有利な投資といえ、また内部収益率>投資家の期待収益率の場合も有利な投資といえます。

参考になった数0

03

不動産に関する投資用語の問題です。

株式投資の用語よりも、さらに一般的な用語でないため、かなりの難題です。問題文に出てくる用語は一通り調べるようにしましょう。

選択肢1. NOI利回り(純利回り)は、対象不動産から得られる年間の総収入を総投資額で除して算出される利回りであり、不動産の収益性を測る指標である。

不適切

純利回りとは、対象不動産から得られる年間の総収入から各種の費用(修繕費、管理費、減価償却費など)を差し引いてから算出される利回りです。

問題文のような計算により算出されるのは、「単純利回り」「表面利回り」と呼ばれます。

選択肢2. DCF法は、連続する複数の期間に発生する総収入および復帰価格を、その発生時期に応じて現在価値に割り引き、それぞれを合計して対象不動産の収益価格を求める手法である。

不適切

DCF法はディスカウントキャッシュフロー(Discount Cash Flow)方式のことで、将来に企業や不動産がうみだすお金(キャッシュフロー)と将来の売却価格(復帰価格)を、現在価値に割り引いて合計することで、対象となる企業・不動産の収益価格を求めます。

問題文の「総収入」という記述が誤りで、正しくは「純利益(総収入-必要経費)」となります。

選択肢3. 借入金併用型投資では、投資の収益率が借入金の金利を下回っている場合、レバレッジ効果により、自己資金に対する投資の収益率向上を期待することができる。

不適切

問題文の逆で、投資の収益率が借入金の金利を上回っている場合は収益率がレバレッジ効果で向上します。

借入金の金利が投資収益率より多いのでは、投資家は損をする一方です。これは単純な国語の問題とも言えるでしょう。

選択肢4. ⅠRR(内部収益率)とは、投資によって得られる将来のキャッシュフローの現在価値と投資額が等しくなる割引率をいう。

適切

問題文のとおりです。

IRRは「Internal Rate of Return」の略で、数値が高いと有利な投資であるとされます。

不動産投資によって得られる収益は将来に発生するものなので、それを割引率で割り戻し、現在価値に換算して投資判断をします。

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