2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級) 過去問
2024年5月
問7 (学科 問7)

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問題

2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)試験 2024年5月 問7(学科 問7) (訂正依頼・報告はこちら)

公的年金の障害給付に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  • 障害基礎年金の受給権者が新たに所定の要件を満たす子を有するに至った場合、所定の手続きにより、その子を有するに至った日の属する月の翌月から、その子に係る加算額が加算された障害基礎年金が支給される。
  • 障害厚生年金の額の計算上、その計算の基礎となる被保険者期間の月数が300月に満たない場合、300月として計算する。
  • 厚生年金保険の被保険者が病気により障害を負い、その障害の状態が障害認定日においては所定の障害等級に該当していなかったものの、その後病状が悪化して、所定の障害等級に該当するに至った場合、65歳に達する日の前日までに請求することにより、原則として、障害厚生年金の支給を受けることができる。
  • 同一の事由により、労働者災害補償保険の障害補償年金と障害基礎年金および障害厚生年金が支給される場合、障害基礎年金および障害厚生年金は、所定の割合で減額されて支給される。

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この過去問の解説 (2件)

01

この問題は公的年金の障害給付に関わる問題です。

障害給付は病気や怪我をして障害者となった場合、

一定の要件を満たすことで受給することができます。

障害基礎年金と障害厚生年金に分かれており、

給付の内容や計算式などが変わってくるため注意が必要です。

選択肢1. 障害基礎年金の受給権者が新たに所定の要件を満たす子を有するに至った場合、所定の手続きにより、その子を有するに至った日の属する月の翌月から、その子に係る加算額が加算された障害基礎年金が支給される。

適切

障害基礎年金の計算式は「老齢基礎年金の満額×子の加算額」です。

そのため、

受給開始後に生計を維持する子を有する場合にも

この加算額を得ることが出来ます。

 

1級「老齢基礎年金の満額×1.25倍×子の加算額

2級「老齢基礎年金の満額×子の加算額

選択肢2. 障害厚生年金の額の計算上、その計算の基礎となる被保険者期間の月数が300月に満たない場合、300月として計算する。

適切

障害厚生年金の計算式は報酬比例部分の年金額を元に決定します。

報酬比例部分の年金額は被保険者期間によって決まります。

被保険者期間が極端に期間が短い場合、

障害厚生年金額も生活を保証できるほどの受給が出来なくなります。

そのため、被保険者期間が300月に満たない場合は

300月とみなして計算されるようになっています。

 

         1級  「報酬比例部分の年金額×1.25倍×配偶者加給年金

         2級  「報酬比例部分の年金額×配偶者加給年金

         3級   「報酬比例部分の年金額」

障害手当金(一時金) 「報酬比例部分の年金額×2倍

選択肢3. 厚生年金保険の被保険者が病気により障害を負い、その障害の状態が障害認定日においては所定の障害等級に該当していなかったものの、その後病状が悪化して、所定の障害等級に該当するに至った場合、65歳に達する日の前日までに請求することにより、原則として、障害厚生年金の支給を受けることができる。

適切

障害基礎年金及び障害厚生年金の受給要件には

障害認定日に障害等級が1〜3級となる必要があります

(障害基礎年金は2級まで、障害厚生年金には3級より下の手当金

まであります)

ただし、障害年金には「事後重症による請求」があります。

これは障害認定日に受給要件に該当しなくても、

病状が悪化して受給要件に該当した場合は請求日の翌月から

障害年金を受給することが出来るという内容です。

 

※障害認定日

障害の程度を定める日のことです。初診日の1年6ヶ月以内で傷病が治った日、

または治らないまま1年6ヶ月経過した日になります。

選択肢4. 同一の事由により、労働者災害補償保険の障害補償年金と障害基礎年金および障害厚生年金が支給される場合、障害基礎年金および障害厚生年金は、所定の割合で減額されて支給される。

不適切

同一の事由により労災保険の障害保証年金と障害年金を受給される場合には

併給調整がされます。

障害認定された場合は障害年金は満額支給され、

労災保険の障害保証年金は所定の割合で減額調整されます。

この選択肢では逆の説明となっているため不適切です。

参考になった数11

02

ライフプランニング分野から、公的年金の障害給付に関する問題になります。

障害年金とは、病気やケガによって生活や仕事などが制限されるようになった場合、受け取ることができる年金です。国民年金に加入していた場合は「障害基礎年金」、厚生年金に加入していた場合は「障害厚生年金」が請求できます。

選択肢1. 障害基礎年金の受給権者が新たに所定の要件を満たす子を有するに至った場合、所定の手続きにより、その子を有するに至った日の属する月の翌月から、その子に係る加算額が加算された障害基礎年金が支給される。

適切

障害基礎年金受給者に生計を維持されているがいた場合、子の加算額が加算されて支給されます。2人までは1人につき239,300円、3人目以降は1人につき79,800円の加算額となります。(2025年6月30日時点)なお、「子」とは、18歳になった後の最初の年度末までの子または20歳未満で障害等級1級または2級状態の子を指します。(日本年金機構HP「障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額」参照)

選択肢2. 障害厚生年金の額の計算上、その計算の基礎となる被保険者期間の月数が300月に満たない場合、300月として計算する。

適切

障害厚生年金の年金額の計算式は下記の通りです。(2025年4月時点)

1級→(報酬比例の年金額)×1.25+(配偶者の加給年金額)

2級→(報酬比例の年金額)+(配偶者の加給年金額)

3級→(報酬比例の年金額)

この(報酬比例の年金額)部分の計算において、被保険者期間が300月未満の場合は、300月とみなして計算します。

選択肢3. 厚生年金保険の被保険者が病気により障害を負い、その障害の状態が障害認定日においては所定の障害等級に該当していなかったものの、その後病状が悪化して、所定の障害等級に該当するに至った場合、65歳に達する日の前日までに請求することにより、原則として、障害厚生年金の支給を受けることができる。

適切

障害認定日時点では障害等級に該当していなくても、後日症状が悪化し障害状態となったときには、障害年金を受給できます。(事後重症)しかし、請求は、65歳に達する日の前日までに行う必要があります。

選択肢4. 同一の事由により、労働者災害補償保険の障害補償年金と障害基礎年金および障害厚生年金が支給される場合、障害基礎年金および障害厚生年金は、所定の割合で減額されて支給される。

不適切

複数の年金が受給対象となる場合は、受給する年金を選択する必要があります。これを、併給調整といいます。基本的に、年金制度は1人1制度ですが、併給が認められるケースもあります。

障害補償年金と障害年金の場合、障害基礎年金および障害厚生年金が全額受け取れ障害補償年金が所定割合で減額されて支給されるため、説明が逆になっています。

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