2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級) 過去問
2024年5月
問45 (学科 問45)

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問題

2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)試験 2024年5月 問45(学科 問45) (訂正依頼・報告はこちら)

都市計画区域および準都市計画区域内における建築基準法の規定に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • 敷地の前面道路の幅員が12m未満である建築物の容積率は、原則として、「都市計画で定められた容積率」と「前面道路の幅員に一定の数値を乗じて得たもの」とのいずれか高い方が上限となる。
  • 建築基準法第42条第2項により道路境界線とみなされる線と道路との間の敷地部分(セットバック部分)は、建蔽率を算定する際の敷地面積に算入することはできないが、容積率を算定する際の敷地面積に算入することはできる。
  • 建築物の地階でその天井が地盤面からの高さ1m以下にあるものの住宅の用途に供する部分の床面積は、原則として、当該建築物の住宅の用途に供する部分の床面積の合計の5分の1を限度として、建築物の容積率の算定の基礎となる延べ面積に算入されない。
  • 共同住宅の共用の廊下または階段の用に供する部分の床面積は、原則として、建築物の容積率の算定の基礎となる延べ面積に算入されない。

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この過去問の解説 (3件)

01

この問題は不動産に関する法令の建築基準法に関する内容です。

建築基準法は建物を建築する際の最低限どの基準を定めた法律です。

道路に対する制限、敷地に対する建物の割合(建蔽率)、

隣接する道路による建物の延べ面積(容積率)などが代表的です。

数字が多様される内容で実技試験でも出題されやすい傾向ですので、

内容の理解だけではなく計算問題も解けるようになる必要があります。

選択肢1. 敷地の前面道路の幅員が12m未満である建築物の容積率は、原則として、「都市計画で定められた容積率」と「前面道路の幅員に一定の数値を乗じて得たもの」とのいずれか高い方が上限となる。

不適切

敷地の前面道路の幅員が12m未満の場合、

以下のどちらか低い方が容積率の上限となります。

 

①都市計画で定められた指定容積率

前面道路の幅員(m)×法定乗数

 

選択肢では高い方と記述されているため不適切です。

 

※法定乗数

居住系用途地域  :4/10

その他の用途地域:6/10

選択肢2. 建築基準法第42条第2項により道路境界線とみなされる線と道路との間の敷地部分(セットバック部分)は、建蔽率を算定する際の敷地面積に算入することはできないが、容積率を算定する際の敷地面積に算入することはできる。

不適切

建築基準法上の道路とは4m以上の幅員が必要となります。

ただし、4m未満の道も建築基準法第42条第2項により2項道路

とされることもあります。

2項道路は原則として中心線から2m手前に下がった線を境界線とみなし、

この時の敷地面積の後退がセットバックと言います。

セットバック部分は道路とみなされるため、

建蔽率や容積率のどちらも計算に入れることが出来ません。

選択肢3. 建築物の地階でその天井が地盤面からの高さ1m以下にあるものの住宅の用途に供する部分の床面積は、原則として、当該建築物の住宅の用途に供する部分の床面積の合計の5分の1を限度として、建築物の容積率の算定の基礎となる延べ面積に算入されない。

不適切

地階とは床が地盤面よりも下にある階で床面から地盤面までの高さが

その階の天井高の1/3以上の空間のことを言います。

また、地盤面からの高さ1m以下にあるものの住宅の用途に供する部分の

床面積はその建築物の床面積の合計の3分の1までは

容積率の計算の延べ面積に含まれません。

 

選択肢4. 共同住宅の共用の廊下または階段の用に供する部分の床面積は、原則として、建築物の容積率の算定の基礎となる延べ面積に算入されない。

適切

共同住宅には容積率の不算入措置というものがあります。

これはエレベーターホールや廊下、

階段などの共用部分は容積率の計算に含めなくても良いというものです。

そのため、この選択肢は適切です。

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02

この問題では、建蔽率・容積率の計算におけるルールについて問われています。

 

実技試験と合わせて解くことで理解が進みます。

選択肢1. 敷地の前面道路の幅員が12m未満である建築物の容積率は、原則として、「都市計画で定められた容積率」と「前面道路の幅員に一定の数値を乗じて得たもの」とのいずれか高い方が上限となる。

不適切です。

前面道路の幅員が12m未満の容積率は、

「指定容積率」と「前面道路の幅員×法定乗数」のいずれか低い方が上限となります。

 

選択肢2. 建築基準法第42条第2項により道路境界線とみなされる線と道路との間の敷地部分(セットバック部分)は、建蔽率を算定する際の敷地面積に算入することはできないが、容積率を算定する際の敷地面積に算入することはできる。

不適切です。

建蔽率・容積率の計算は、セットバック部分を敷地面積から除外して行います。

 

セットバックした部分は、道路とみなされるため、建物を建てることができません。

 

 

選択肢3. 建築物の地階でその天井が地盤面からの高さ1m以下にあるものの住宅の用途に供する部分の床面積は、原則として、当該建築物の住宅の用途に供する部分の床面積の合計の5分の1を限度として、建築物の容積率の算定の基礎となる延べ面積に算入されない。

不適切です。

下記の条件を満たした地階(地下室)は、

床面積の1/3までを限度に、延べ面積に算入されません。

 

【条件】
①床面~地盤面までの高さが天井高の1/3
②天井が地盤面から1m以下

選択肢4. 共同住宅の共用の廊下または階段の用に供する部分の床面積は、原則として、建築物の容積率の算定の基礎となる延べ面積に算入されない。

適切です。

共用部分の床面積は、容積率を求める際に延べ面積に算入されません

参考になった数1

03

今回の建築基準法に関する設問は、どれもかなり難易度の高いものです。

テキストにも十分に記載されていることが少ないため、苦手な方は他の問題から取り掛かるのも良いでしょう。
FP2級では特に時間配分が重要視されるため、苦手・知らない問題を素早く判別して、どの順番で解いていくのかがカギとなります。

宅建資格を持っているなど、不動産分野が得意な方でない限りは、難易度によって判断をしていく必要があります。

 

建築基準法の範囲で押さえるべきは、建蔽率と容積率についてです。
細かい条件はもちろん、実技では計算問題も出題されるので、注意しましょう。

選択肢1. 敷地の前面道路の幅員が12m未満である建築物の容積率は、原則として、「都市計画で定められた容積率」と「前面道路の幅員に一定の数値を乗じて得たもの」とのいずれか高い方が上限となる。

不適切

容積率には敷地が面している前面道路の幅員によって制限があります。

 

前面道路の幅員が12m未満である場合、以下の計算をして数値の少ない方(=制限の厳しい方)の容積率を用います。

〇都市計画法の用途地域ごとに定められている容積率(指定容積率)

〇前面道路の幅員に一定の数値を掛けたもの

・住居系用途地域

前面道路の幅員×4/10

・住居系用途地域以外

前面道路の幅員×6/10

選択肢2. 建築基準法第42条第2項により道路境界線とみなされる線と道路との間の敷地部分(セットバック部分)は、建蔽率を算定する際の敷地面積に算入することはできないが、容積率を算定する際の敷地面積に算入することはできる。

不適切

建築基準法第42条第2項とは、テキストには「2項道路」と記載されている場合は多いです。

建築基準法上の道路とは、原則4m以上必要です。
(特定行政庁が指定する区域では6m以上)

しかし建築基準法が適用される前には、4m未満の道路もあったため、これらも例外として現在も道路とされています。

この2項道路部分に新たに家を建てるなどする場合は、道路の中心線から2mずつ水平に後退した線を境界線としなければなりません。

これにより、新たに幅員4mを確保できることになります。

図のようになります。

そしてこのセットバックした部分に関しては、建蔽率はもちろん、容積率を算定する際の敷地面積に入れることはできません

選択肢3. 建築物の地階でその天井が地盤面からの高さ1m以下にあるものの住宅の用途に供する部分の床面積は、原則として、当該建築物の住宅の用途に供する部分の床面積の合計の5分の1を限度として、建築物の容積率の算定の基礎となる延べ面積に算入されない。

不適切

居住のための建築物において、地下室のように天井が地盤面から高さ1m以下にある場所のものは、延べ床面積の合計の3分の1を限度に計算対象外となります。

地下室を作ることで延べ床面積を減らすことができるということです。

選択肢4. 共同住宅の共用の廊下または階段の用に供する部分の床面積は、原則として、建築物の容積率の算定の基礎となる延べ面積に算入されない。

適切

容積率を計算する際、建物の延べ床面積に算入せずに計算できる場所があります

〇共同住宅の共用廊下・階段部分

〇エレベーターの昇降路部分

〇住宅の地下(天井が地盤面の1m以下)

…最大延べ床面積の3分の1まで

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