2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級) 過去問
2024年9月
問12 (学科 問12)

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問題

2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)試験 2024年9月 問12(学科 問12) (訂正依頼・報告はこちら)

生命保険の保険料等の一般的な仕組みに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  • 大数の法則は、個々の事象では偶発的でも、事象を多く集めると一定の法則が見出せることをいう。
  • 収支相等の原則は、保険会社が受け取る保険料等の総額が、保険会社が支払う保険金等の総額と等しくなるように保険料を算定することをいう。
  • 責任準備金は、保険会社が、将来の保険金等および契約者配当金の支払財源として保険数理に基づいて算定し、積み立てておく準備金である。
  • 契約者が支払う保険料は、保険金等の支払財源となる純保険料と、保険会社が保険事業を運営・管理していくために必要な経費等の財源となる付加保険料から構成されている。

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この過去問の解説 (3件)

01

この問題では、生命保険の一般的な仕組みについて問われています。

選択肢1. 大数の法則は、個々の事象では偶発的でも、事象を多く集めると一定の法則が見出せることをいう。

適切です。

大数の法則は、確率論や統計学の定理で、死亡率等の発生率の予測に使用します。

 

事故や病気等のデータが少なければ偶発的といえますが、多くのデータを集めて分析することで、一定の法則(40代の女性に10%の確率で起こる等)を見出すことができます。

 

この予測を用いて、保険料の設定をしていきます

選択肢2. 収支相等の原則は、保険会社が受け取る保険料等の総額が、保険会社が支払う保険金等の総額と等しくなるように保険料を算定することをいう。

適切です。

収支相等の原則は、保険会社の収入と支出のバランスを等しくする原則です。

 

保険会社は、大数の法則に基づいて予測した発生率をもとに、支出(支払う保険金や経費)を考えます。

 

その上で、収入と支出が等しくなるように、加入者から集める保険料を決定しています。

選択肢3. 責任準備金は、保険会社が、将来の保険金等および契約者配当金の支払財源として保険数理に基づいて算定し、積み立てておく準備金である。

不適切です。

責任準備金は、将来の保険金および給付金を支払うために、準備されます。

 

契約者配当金は、契約者配当準備金によって、積み立てられます。

 

準備金の種類が異なるため注意が必要です。

選択肢4. 契約者が支払う保険料は、保険金等の支払財源となる純保険料と、保険会社が保険事業を運営・管理していくために必要な経費等の財源となる付加保険料から構成されている。

適切です。

保険料は、純保険料と付加保険料から構成されています。

 

純保険料は、予定死亡率、予定利率を元に計算しています。

付加保険料は、予定事業費率をもとに計算しています。

まとめ

保険料を決める原則と内訳、責任準備金の財源と目的についておさえておきましょう。

参考になった数2

02

この問題では生命保険について一般的な知識について問われています。

 

選択肢1. 大数の法則は、個々の事象では偶発的でも、事象を多く集めると一定の法則が見出せることをいう。

適切です。

設問の通り大数の法則は、個々の事象では偶発的でも、事象を多く集めると一定の法則が見出せることを言います。生命保険会社には、将来的な死亡の危険性を予測するために、大数の法則を活用しています。

選択肢2. 収支相等の原則は、保険会社が受け取る保険料等の総額が、保険会社が支払う保険金等の総額と等しくなるように保険料を算定することをいう。

適切です。

設問の通りです。保険会社が収支相当の原則をもとに保険料を算定する目的は様々あり、保険契約全体で収支バランスを保つことであったり、保険契約者の負担を公平にすること等が挙げられます。

 

選択肢3. 責任準備金は、保険会社が、将来の保険金等および契約者配当金の支払財源として保険数理に基づいて算定し、積み立てておく準備金である。

不適切です。
責任準備金は保険会社が将来の保険金・年金・給付金などの支払い財源として備えているものです。配当金は保険会社が支払う保険料の予定と実際に支払う保険金などから生じた剰余金を契約者に分配するお金のことです。設問には「契約者配当金の支払財源として保険数理に基づいて算定」とありますので誤りです。

 

選択肢4. 契約者が支払う保険料は、保険金等の支払財源となる純保険料と、保険会社が保険事業を運営・管理していくために必要な経費等の財源となる付加保険料から構成されている。

適切です。

設問の通りです。契約者が支払う保険料は、保険金等の支払財源となる純保険料と、保険会社が保険事業を運営・管理していくために必要な経費等の財源となる付加保険料から構成されています。純保険料と付加保険料が反対になって出題されるケースもありますので注意しましょう。

まとめ

生命保険の一般的な知識についての問題もFP試験では頻出問題となります。基礎知識を身に付けておきましょう。

参考になった数0

03

この問題では、生命保険の保険料等の一般的な仕組みを理解しておく必要があります。

選択肢1. 大数の法則は、個々の事象では偶発的でも、事象を多く集めると一定の法則が見出せることをいう。

適切です。

大数の法則とは、事象が少ないと何の法則性も見えないが、事象が多く集まると一定の法則が成り立つことをいいます。例えば、特定の人の死亡率は予測できなくても、その年代全体での死亡率は推定することができるため、保険会社はこれを参考にリスクを見積もることができています。

選択肢2. 収支相等の原則は、保険会社が受け取る保険料等の総額が、保険会社が支払う保険金等の総額と等しくなるように保険料を算定することをいう。

適切です。

収支相等の原則とは、保険会社の収入と支出の総額が等しくなるように保険料を算出することをいいます。このときの収入は保険会社が受け取る保険料と運用益の合計のことを指し、支出は、保険会社が支払う保険金と運営費などの合計を指します。

選択肢3. 責任準備金は、保険会社が、将来の保険金等および契約者配当金の支払財源として保険数理に基づいて算定し、積み立てておく準備金である。

不適切です。

責任準備金とは、保険会社が将来、保険金や給付金を支払うのに備えて積み立てているお金です。契約者配当金の支払い財源として積み立てているものではありません。責任準備金は、保険料積立金・未経過保険料・払戻積立金・危険準備金からなっており、保険料積立金と払戻積立金に関しては原則、平準純保険料式と呼ばれる保険数理に基づき積立金額を算出することが保険業法で定められています。

選択肢4. 契約者が支払う保険料は、保険金等の支払財源となる純保険料と、保険会社が保険事業を運営・管理していくために必要な経費等の財源となる付加保険料から構成されている。

適切です。

契約者が支払う保険料は、保険会社が将来支払う保険金や給付金の支払財源となる「純保険金」と、保険会社が保険事業を継続するために必要な費用の財源となる「付加保険料」から成っています。

まとめ

責任準備金は契約者配当金の支払財源として積み立てているわけではなく、保険会社が将来支払う保険金や給付金に備えて積み立てているものであることを覚えておきましょう。

参考になった数0