2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級) 過去問
2024年9月
問18 (学科 問18)

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問題

2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)試験 2024年9月 問18(学科 問18) (訂正依頼・報告はこちら)

法人を契約者(=保険料負担者)とする損害保険に係る保険料等の経理処理に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • 法人が所有する賃貸アパートを保険の対象として支払った地震保険の保険料は、地震保険料控除として5万円を限度として損金の額に算入することができる。
  • 法人が所有する賃貸アパートが台風により損壊し、法人が受け取った火災保険の保険金で原状回復のための修理をした場合、当該保険金を益金の額に算入し、修理費を損金の額に算入することができる。
  • 業務中の事故によりケガをするリスクに備えて、法人がすべての従業員を被保険者とする普通傷害保険に加入した場合、支払った保険料は、その2分の1相当額を限度として損金の額に算入することができる。
  • 法人が所有する業務用自動車が交通事故で全損となり、受け取った自動車保険の車両保険金で同一事業年度中に代替車両を取得した場合であっても、圧縮記帳は認められない。

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この過去問の解説 (3件)

01

法人が契約者の損害保険に係る保険料などの経理処理に関する記述のうち適切な選択肢を選びましょう。

選択肢1. 法人が所有する賃貸アパートを保険の対象として支払った地震保険の保険料は、地震保険料控除として5万円を限度として損金の額に算入することができる。

不適切です。

法人が事業用資産のために支払った地震保険料は、全額損金の額に算入することができます。地震保険料控除は個人に係る所得税・住民税の制度となるので法人は対象外です。

選択肢2. 法人が所有する賃貸アパートが台風により損壊し、法人が受け取った火災保険の保険金で原状回復のための修理をした場合、当該保険金を益金の額に算入し、修理費を損金の額に算入することができる。

適切です。

火災保険から受け取った保険金は、全額雑収入として益金に算入します。修理費に関しては損金の額に算入することができます。

選択肢3. 業務中の事故によりケガをするリスクに備えて、法人がすべての従業員を被保険者とする普通傷害保険に加入した場合、支払った保険料は、その2分の1相当額を限度として損金の額に算入することができる。

不適切です。

すべての従業員を被保険者および保険金受取人とする場合、支払った保険料は全額福利厚生費として損金に算入することができます。ただし、保険金受取人が法人の時は支払保険料は損金として算入します。

選択肢4. 法人が所有する業務用自動車が交通事故で全損となり、受け取った自動車保険の車両保険金で同一事業年度中に代替車両を取得した場合であっても、圧縮記帳は認められない。

不適切です。

法人が保有する車両や不動産などの固定資産の損害に対しての保険金を受け取り、一定の期間内に代替資産を取得または改良する場合、圧縮記帳が認められます。上記の文章では同一事業年度中に車両保険金で代わりとなる自動車を買い替えたということで圧縮記帳の対象となります。

まとめ

法人契約の火災保険は受け取った保険金を全額雑収入として益金に算入することができ、修理にかかった費用は修理費として損金に算入できることを押さえておきましょう。

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02

この問題は損害保険の税務について問われています。

 

選択肢1. 法人が所有する賃貸アパートを保険の対象として支払った地震保険の保険料は、地震保険料控除として5万円を限度として損金の額に算入することができる。

不適切です。

地震保険料控除の対象となる契約は本人または本人と生計を一にする配偶者その他の親族の所有する自宅建物または収容家財を保険の対象とする地震保険契約です。つまり、法人で所有する建物は地震保険料控除の対象外ということになります。従って設問の場合は不適切になります。

選択肢2. 法人が所有する賃貸アパートが台風により損壊し、法人が受け取った火災保険の保険金で原状回復のための修理をした場合、当該保険金を益金の額に算入し、修理費を損金の額に算入することができる。

適切です。

設問の通り、法人が受け取った火災保険の建物に係る保険金は益金の額に算入し、修理費の損失額および関連費用は損金の額に算入することができます。

選択肢3. 業務中の事故によりケガをするリスクに備えて、法人がすべての従業員を被保険者とする普通傷害保険に加入した場合、支払った保険料は、その2分の1相当額を限度として損金の額に算入することができる。

不適切です。

法人がすべての従業員を被保険者とする普通傷害保険に加入した場合、支払った保険料は「福利厚生費」として全額損金の額に算入することが可能です。設問にある「2分の1相当額を限度として」が誤りです。

選択肢4. 法人が所有する業務用自動車が交通事故で全損となり、受け取った自動車保険の車両保険金で同一事業年度中に代替車両を取得した場合であっても、圧縮記帳は認められない。

不適切です。

圧縮手帳は法人が受け取った保険金により代替資産を取得した場合、代替資産の取得価額を減少されることで、減少させた分を損金算入し、保険差益の課税対象を縮小される経理処理のことです。

圧縮記帳の要件は代替資産の取得に充てる保険金は滅失・損壊等のあった日から3年以内に支払が確定した保険金であることです。

従って設問にあるように同一事業年度中に代替車両を取得した場合であっても圧縮記帳は認められます。

 

まとめ

損害保険の税務は個人分野では地震保険料控除、法人の場合は圧縮記帳が出題が中心です。それぞれ論点を押さえましょう。

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03

この問題では、損害保険の経理処理について問われています。

選択肢1. 法人が所有する賃貸アパートを保険の対象として支払った地震保険の保険料は、地震保険料控除として5万円を限度として損金の額に算入することができる。

不適切です。

法人契約の地震保険料は、全額損金の額に算入できます。

 

地震保険料控除は、個人契約に対する控除です。

個人契約の地震保険料は、5万円を限度に控除が受けられます。

 

選択肢2. 法人が所有する賃貸アパートが台風により損壊し、法人が受け取った火災保険の保険金で原状回復のための修理をした場合、当該保険金を益金の額に算入し、修理費を損金の額に算入することができる。

適切です。

法人契約において、火災保険の保険金全額益金に算入します。

 

その上で、修理費を損金の額に算入します。

選択肢3. 業務中の事故によりケガをするリスクに備えて、法人がすべての従業員を被保険者とする普通傷害保険に加入した場合、支払った保険料は、その2分の1相当額を限度として損金の額に算入することができる。

不適切です。

法人契約において、普通傷害保険の保険料全額損金に算入します。

選択肢4. 法人が所有する業務用自動車が交通事故で全損となり、受け取った自動車保険の車両保険金で同一事業年度中に代替車両を取得した場合であっても、圧縮記帳は認められない。

不適切です。

固定資産の損害に対して保険金を受け取った場合、原則1年以内に代替資産を取得すれば、圧縮記帳が認められます。

 

代替資産とは、古い資産を売って新しく買った資産のことを指します。

 

圧縮記帳とは、資産の売却益に、税金をかけないための会計処理のことを指します。

まとめ

損害保険の基本的な経理処理、圧縮記帳の要件についておさえておきましょう。

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