行政書士の過去問
平成29年度
一般知識等 問26

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問題

行政書士試験 平成29年度 一般知識等 問26 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文章は、X県知事により行われる、ある行政処分に付される教示である。これに関する次のア〜オの記述のうち、妥当なものの組合せはどれか。

(教示)
 この処分に不服があるときは、この処分のあったことを知った日の翌日から起算して3か月以内にX県知事に審査請求をすることができます(処分のあった日の翌日から起算して1年を経過した場合は除きます。)。
 また、この処分に対する取消訴訟については、[ a ]を被告として、この処分のあったことを知った日の翌日から起算して6か月以内に提起することができます(処分があったことを知った日の翌日から起算して1年を経過した場合は除きます。)。ただし、処分のあったことを知った日の翌日から起算して3か月以内に審査請求をした場合には、処分の取消訴訟は、その審査請求に対する裁決の送達を受けた日の翌日から起算して6か月以内に提起しなければなりません(裁決のあった日の翌日から起算して1年を経過した場合は除きます。)。

ア  この教示を怠っても、当該処分がそれを理由として取り消されることはない。
イ  空欄[ a ]に当てはまるものは、X県知事である。
ウ  この教示は、行政不服審査法と行政事件訴訟法に基づいて行われている。
エ  この教示が示す期間が過ぎた場合には、取消訴訟を提起することはできないが、正当な理由がある場合には、審査請求のみは許される。
オ  この教示は、審査請求の裁決を経てからでなければ、取消訴訟が提起できないことを示している。
  • ア・イ
  • ア・ウ
  • イ・ウ
  • ウ・オ
  • エ・オ

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は2
教示とは、処分の相手方など国民に対して、不服申立てやまたは訴訟による救済が受けられることを知らせる制度です。それぞれ、行政不服審査法および行政事件訴訟法によりますので、対比して覚えておきましょう。

ア〇 教示を怠ったからといって、処分まで取消されることはないと解されています(東京地判S54.8.21)。

イ× 行政事件訴訟法11条1項に、被告適格について「一 処分の取消しの訴え 当該処分をした行政庁の所属する国又は公共団体」「二 裁決の取消しの訴え 当該裁決をした行政庁の所属する国又は公共団体」と定められています。本文では、X県が被告となります。

ウ〇 その通りです。行政不服審査法82条1項および行政事件訴訟法46条1項によります。

エ× 取消訴訟と審査請求はいずれも、教示が示す期間が過ぎた場合には提起できませんが、正当な理由がある場合にはこの限りではありません(行政事件訴訟法14条1・2項、行政不服審査法18条1・2項)。

オ× 本教示は、取消訴訟と審査請求のいずれも可能であることを知らせる内容です。

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02

組み合わせ問題は、1つずつの選択肢自体は
難しい事が多いですが、2,3正誤判定が出来れば解答できるので、
諦めずにオの選択肢までしっかり検討してください。

1.教示がないことで処分が取り消されることはありません。

2.行政主体が被告となるので、知事が所属する「県」が正解です。

3.「行政不服審査法82条1項」「行政事件訴訟法46条1項」
 に規定あり、よって正解です。

4.原則教示の期間が過ぎれば、どちらもする事ができません。
 よってXです。

5.審査請求前置とは書いていない。のでXです。

参考になった数6

03

ア 教示をしなかったことに対する不服申し立てはできますが、処分自体が取り消されるということはありません。正しい記述です。

イ aにはX県が入るので、間違いです。

ウ 正しい記述です。

エ 正当な理由がある場合は、審査請求のみならず取消訴訟もできますので、間違いです。

オ 審査請求をした場合には、とその場合の期日を述べていますので、先に審査請求をすることもできると解釈できますので、間違いです。

よって、アとウを正しい記述とする2が正解です。

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