行政書士の過去問
令和3年度
法令等 問22

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問題

行政書士試験 令和3年度 法令等 問22 (訂正依頼・報告はこちら)

地方自治法が定める公の施設に関する次のア~エの記述のうち、法令および最高裁判所の判例に照らし、妥当なものの組合せはどれか。

ア  普通地方公共団体は、法律またはこれに基づく政令に特別の定めがあるものを除くほか、公の施設の設置に関する事項を、条例で定めなければならない。
イ  普通地方公共団体の長以外の機関(指定管理者を含む。)がした公の施設を利用する権利に関する処分についての審査請求は、審査請求制度の客観性を確保する観点から、総務大臣に対してするものとされている。
ウ  普通地方公共団体が公の施設のうち条例で定める特に重要なものについて、これを廃止したり、特定の者に長期の独占的な使用を認めようとしたりするときは、議会の議決に加えて総務大臣の承認が必要となる。
エ  普通地方公共団体は、住民が公の施設を利用することについて不当な差別的取扱いをしてはならないが、この原則は、住民に準ずる地位にある者にも適用される。
  • ア・イ
  • ア・エ
  • イ・ウ
  • イ・エ
  • ウ・エ

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この過去問の解説 (3件)

01

ア.妥当である。

 「普通地方公共団体は、法律又はこれに基づく政令に特別の定めがあるものを除くほか、公の施設の設置及びその管理に関する事項は、条例でこれを定めなければならない。」(地方自治法244条の2第1項) 

イ.妥当でない。

 「普通地方公共団体の長以外の機関(指定管理者を含む。)がした公の施設を利用する権利に関する処分についての審査請求は、普通地方公共団体の長が当該機関の最上級行政庁でない場合においても、当該普通地方公共団体の長に対してするものとする。」(地方自治法第244条の4第1項)

 当該普通公共団体の長に対して行うと規定されており、総務大臣ではありません。

ウ.妥当でない。

 「普通地方公共団体は、条例で定める重要な公の施設のうち条例で定める特に重要なものについて、これを廃止し、又は条例で定める長期かつ独占的な利用をさせようとするときは、議会において出席議員の三分の二以上の者の同意を得なければならない。」(地方自治法第244条の2の第2項)

 総務大臣の承認は規定されていません。

エ.妥当である。

 「普通地方公共団体は、住民が公の施設を利用することについて、不当な差別的取扱いをしてはならない。」(地方自治法第244条3項)

 また判例(最判平成18年7月14日)により、地方自治法244条3項、は住民ではないがその市町村の区域内に建物があって、地方税を納付する義務があるなど住民に準ずる地位にある者にも適用されます。

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02

ア.妥当である。普通地方公共団体は、法律又はこれに基づく政令に特別の定めがあるものを除くほか、公の施設の設置及びその管理に関する事項は、条例でこれを定めなければならない。(地自法244条の2第1項)とされ、条文通りの内容です。

イ.妥当でない。普通地方公共団体の長以外の機関(指定管理者を含む。)がした公の施設を利用する権利に関する処分についての審査請求は、普通地方公共団体の長が当該機関の最上級行政庁でない場合においても、普通地方公共団体の長に対してするものとする。(地自法244条の4第1項)とされ、総務大臣に対してするものではありません。

ウ.妥当でない。普通地方公共団体は、条例で定める重要な公の施設のうち条例で定める特に重要なものについて、これを廃止し、又は条例で定める長期かつ独占的な利用をさせようとするときは、議会において出席議員の3分の2以上の同意を得なければならない。(地自法244条の2第1項)とされ、総務大臣の同意は必要とされていません。

エ.妥当である。判例では、住民に準ずる地位にあるものに地方自治法244条3項の規律が及ばないと解するのは相当でなく、これらの者と普通地方公共団体との結び付きの程度等に照らし合理的な理由なく差別的取扱いをすることは、同項に違反するものというべきであるとし、住民に準ずる地位にある者にも適用されるとしました。(旧高根町給水条例無効等確認請求事件/ 最判平18.7.14)

よって、正解は2。

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03

地方自治法の条文知識がそのまま問われる問題です。いかに条文を読んでいるかがポイントとなります。

選択肢2. ア・エ

ア.妥当です。

普通地方公共団体は、法律又はこれに基づく政令に特別の定めがあるものを除くほか、公の施設の設置及びその管理に関する事項は、条例でこれを定めなければならない(地方自治法244条の2第1項)

 

イ.妥当ではありません。

普通地方公共団体の長以外の機関がした公の施設を利用する権利に関する処分についての審査請求は、普通地方公共団体の長が当該機関の最上級行政庁でない場合においても、当該普通地方公共団体の長に対してするものとする。(地方自治法244条の4第1項)

とあり、総務大臣に対してするものではありません。

 

ウ.妥当ではありません。

普通地方公共団体は、条例で定める重要な公の施設のうち条例で定める特に重要なものについて、これを廃止し、又は条例で定める長期かつ独占的な利用をさせようとするときは、議会において出席議員の2/3以上の者の同意を得なければならない。(地方自治法244条の2第2項)

とあり、総務大臣の承認は必要ありません。

 

エ.妥当です。

普通地方公共団体は、住民が公の施設を利用することについて、不当な差別的取扱いをしてはならない。(地方自治法244条3項)

とあり、“一定の地方税の負担をしている等により住民に準ずる地位にある者にも適用される。”と判例もあります。

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