問題
(注)※ 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律
教授A: 今日は最近の感染症法改正について少し検討してみましょう。
学生B: はい、新型コロナウイルスの感染症防止対策を強化するために、感染症法が改正されたことはニュースで知りました。
教授A: そうですね。改正のポイントは幾つかあったのですが、特に、入院措置に従わなかった者に対して新たに制裁を科することができるようになりました。もともと、入院措置とは、感染者を感染症指定医療機関等に強制的に入院させる措置であることは知っていましたか。
学生B: はい、それは講学上は( ア )に当たると言われていますが、直接強制に当たるとする説もあって、講学上の位置づけについては争いがあるようです。
教授A: そのとおりです。この問題には決着がついていないようですので、これ以上は話題として取り上げないことにしましょう。では、改正のポイントについて説明してください。
学生B: 確か、当初の政府案では、懲役や100万円以下の( イ )を科すことができるとなっていました。
教授A: よく知っていますね。これらは、講学上の分類では( ウ )に当たりますね。その特徴はなんでしょうか。
学生B: はい、刑法総則が適用されるほか、制裁を科す手続に関しても刑事訴訟法が適用されます。
教授A: そのとおりですね。ただし、制裁として重すぎるのではないか、という批判もあったところです。
学生B: 結局、与野党間の協議で当初の政府案は修正されて、懲役や( イ )ではなく、( エ )を科すことになりました。この( エ )は講学上の分類では行政上の秩序罰に当たります。
教授A: そうですね、制裁を科すとしても、その方法には様々なものがあることに注意しましょう。