行政書士の過去問
令和3年度
法令等 問42_3

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問題

行政書士試験 令和3年度 法令等 問42_3 (訂正依頼・報告はこちら)

感染症法 の令和3年2月改正に関する次の会話の空欄( ウ )に当てはまる語句を、以下の選択肢(1~20)から選びなさい。
(注)※ 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律

教授A: 今日は最近の感染症法改正について少し検討してみましょう。
学生B: はい、新型コロナウイルスの感染症防止対策を強化するために、感染症法が改正されたことはニュースで知りました。
教授A: そうですね。改正のポイントは幾つかあったのですが、特に、入院措置に従わなかった者に対して新たに制裁を科することができるようになりました。もともと、入院措置とは、感染者を感染症指定医療機関等に強制的に入院させる措置であることは知っていましたか。
学生B: はい、それは講学上は( ア )に当たると言われていますが、直接強制に当たるとする説もあって、講学上の位置づけについては争いがあるようです。
教授A: そのとおりです。この問題には決着がついていないようですので、これ以上は話題として取り上げないことにしましょう。では、改正のポイントについて説明してください。
学生B: 確か、当初の政府案では、懲役や100万円以下の( イ )を科すことができるとなっていました。
教授A: よく知っていますね。これらは、講学上の分類では( ウ )に当たりますね。その特徴はなんでしょうか。
学生B: はい、刑法総則が適用されるほか、制裁を科す手続に関しても刑事訴訟法が適用されます。
教授A: そのとおりですね。ただし、制裁として重すぎるのではないか、という批判もあったところです。
学生B: 結局、与野党間の協議で当初の政府案は修正されて、懲役や( イ )ではなく、( エ )を科すことになりました。この( エ )は講学上の分類では行政上の秩序罰に当たります。
教授A: そうですね、制裁を科すとしても、その方法には様々なものがあることに注意しましょう。

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この過去問の解説 (3件)

01

以下、空欄を補充した全文です。

教授A: 今日は最近の感染症法改正について少し検討してみましょう。

学生B: はい、新型コロナウイルスの感染症防止対策を強化するために、感染症法が改正されたことはニュースで知りました。

教授A: そうですね。改正のポイントは幾つかあったのですが、特に、入院措置に従わなかった者に対して新たに制裁を科することができるようになりました。もともと、入院措置とは、感染者を感染症指定医療機関等に強制的に入院させる措置であることは知っていましたか。

学生B: はい、それは講学上は即時強制(ア)に当たると言われていますが、直接強制に当たるとする説もあって、講学上の位置づけについては争いがあるようです。

教授A: そのとおりです。この問題には決着がついていないようですので、これ以上は話題として取り上げないことにしましょう。では、改正のポイントについて説明してください。

学生B: 確か、当初の政府案では、懲役や100万円以下の罰金(イ)を科すことができるとなっていました。

教授A: よく知っていますね。これらは、講学上の分類では行政刑罰(ウ)に当たりますね。その特徴はなんでしょうか。

学生B: はい、刑法総則が適用されるほか、制裁を科す手続に関しても刑事訴訟法が適用されます。

教授A: そのとおりですね。ただし、制裁として重すぎるのではないか、という批判もあったところです。

学生B: 結局、与野党間の協議で当初の政府案は修正されて、懲役や罰金(イ)ではなく、過料(エ)を科すことになりました。この過料(エ)は講学上の分類では行政上の秩序罰に当たります。

教授A: そうですね、制裁を科すとしても、その方法には様々なものがあることに注意しましょう。

よって、正解は

ア・・・6 即時強制

イ・・・1 罰金 

ウ・・・12 行政刑罰

行政刑罰では懲役刑や罰金刑といった、刑法で定められている刑罰を定めることができます。

また、刑事訴訟法が適用されることも行政刑罰の特徴です。

エ・・・2 過料

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02

正解は 12.行政刑罰

ア.即時強制(6)

 強制入院させる措置は直接強制か即時強制のため、(ア)に入るのは即時強制です。

イ.罰金(1)

 科料は1000円以上10000円以下のため、100万円以下は「罰金」です。

ウ.行政刑罰(12)

 懲役は「行政刑罰」のひとつです。

エ.過料(2)

 秩序罰にあたるものは「過料」です。

以下、全文

教授A: 今日は最近の感染症法改正について少し検討してみましょう。

学生B: はい、新型コロナウイルスの感染症防止対策を強化するために、感染症法が改正されたことはニュースで知りました。

教授A: そうですね。改正のポイントは幾つかあったのですが、特に、入院措置に従わなかった者に対して新たに制裁を科することができるようになりました。もともと、入院措置とは、感染者を感染症指定医療機関等に強制的に入院させる措置であることは知っていましたか。

学生B: はい、それは講学上は即時強制に当たると言われていますが、直接強制に当たるとする説もあって、講学上の位置づけについては争いがあるようです。

教授A: そのとおりです。この問題には決着がついていないようですので、これ以上は話題として取り上げないことにしましょう。では、改正のポイントについて説明してください。

学生B: 確か、当初の政府案では、懲役や100万円以下の罰金を科すことができるとなっていました。

教授A: よく知っていますね。これらは、講学上の分類では行政刑罰に当たりますね。その特徴はなんでしょうか。

学生B: はい、刑法総則が適用されるほか、制裁を科す手続に関しても刑事訴訟法が適用されます。

教授A: そのとおりですね。ただし、制裁として重すぎるのではないか、という批判もあったところです。

学生B: 結局、与野党間の協議で当初の政府案は修正されて、懲役や罰金ではなく、過料を科すことになりました。この過料は講学上の分類では行政上の秩序罰に当たります。

教授A: そうですね、制裁を科すとしても、その方法には様々なものがあることに注意しましょう。

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03

この問題のポイントは即時強制・行政罰の理解です。

まず即時強制とは義務の履行を目的とせず、目前窮迫の障害を除く必要上、義務を命ずる余裕がない場合、直接に私人の身体又は財産に実力を加え、行政上必要な状態を実現させる作用です。

直接的に国民の身体又は財産に実力を加えるので、法律上の根拠が必要です。

直接強制は行政上の義務の不履行がある場合に、義務者の身体又は財産に直接実力行使をして義務が履行されたのと同一の状態を実現するもののうち、代執行を除いたもののことをいいます。

次に行政罰には行政刑罰と行政上の秩序罰の2つがあります。

行政刑罰には懲役・禁錮・罰金・拘留・科料の4つがあります。

罰金と科料は金銭の納付を命じる行政刑罰であり、刑法17条より科料は千円以上1万円未満の間でしか定めることができません。

最後に行政上の秩序罰とは比較的軽微な行政法規違反に対して科せられる金銭的制裁で過料を指します。

 

以上の点をおさえて、解説をみていきましょう。

選択肢12. 行政刑罰

ウの前文が当初の政府案では、懲役や100万円以下の( イ )を科すことができるとされており、ウはこれらの講学上の分類が該当します。

また、解説の冒頭より、懲役や金銭の納付を命じるものはまとめて行政刑罰とされてます。

よって、ウは行政刑罰が該当します。

まとめ

この問題のように即時強制や行政罰の理解について問う問題は度々行政書士試験に出てくるので、語句の意味をしっかりおさえた方が良いでしょう。

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