行政書士 過去問
令和6年度
問47 (一般知識等 問1)

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問題

行政書士試験 令和6年度 問47(一般知識等 問1) (訂正依頼・報告はこちら)

政治に関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。
  • 政党助成法は、衆議院または参議院に一定数以上の議席を有するか、議席を有して一定の国政選挙で有効投票総数の一定割合以上の得票があった政党に対して、政党交付金による助成を行う旨を規定している。
  • マス・メディアなどの情報に対して、主体的に世論を形成するためなどに、それらを批判的に読み解く能力は、メディア・リテラシーと呼ばれる。
  • 政治資金規正法は、政治資金の収支の公開や寄附の規制などを通じ政治活動の公明と公正を確保するためのルールを規定している。
  • 有権者のうち、特定の支持政党を持たない層は、無党派層と呼ばれる。
  • 性差に起因して起こる女性に対する差別や不平等に反対し、それらの権利を男性と同等にして女性の能力や役割の発展を目指す主張や運動は、ポピュリズムと呼ばれる。

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この過去問の解説 (2件)

01

政治に関する用語の名前と意味を問う問題です。

選択肢1. 政党助成法は、衆議院または参議院に一定数以上の議席を有するか、議席を有して一定の国政選挙で有効投票総数の一定割合以上の得票があった政党に対して、政党交付金による助成を行う旨を規定している。

記載の通り一定の議席数または得票数が助成の条件になります。

なお、政党交付金の総額は人口に250円を乗じた額となります。

これを議席数または得票数に応じて政党に分けます。

選択肢2. マス・メディアなどの情報に対して、主体的に世論を形成するためなどに、それらを批判的に読み解く能力は、メディア・リテラシーと呼ばれる。

記載の通り、マス・メディアなどの情報に対して批判的に読み解き、自己による評価を創造する能力はメディア・リテラシーと呼ばれます。

選択肢3. 政治資金規正法は、政治資金の収支の公開や寄附の規制などを通じ政治活動の公明と公正を確保するためのルールを規定している。

政治資金規正法1条政治資金の収支の公開並びに政治団体及び公職の候補者に係る政治資金の授受の規正その他の措置を講ずることにより、政治活動の公明と公正を確保し、もつて民主政治の健全な発達に寄与することを目的とする。」

記載の通りです。

選択肢4. 有権者のうち、特定の支持政党を持たない層は、無党派層と呼ばれる。

無党派層とはどの政党にも属していない人や、どの政党も支持していない人のことを指します。

選択肢5. 性差に起因して起こる女性に対する差別や不平等に反対し、それらの権利を男性と同等にして女性の能力や役割の発展を目指す主張や運動は、ポピュリズムと呼ばれる。

×

女性に対する差別や不平等に反対し、それらの権利を男性と同等にして女性の能力や役割の発展を目指す主張や運動のことは「フェミニズム」といいます。

「ポピュリズム」とは既存の権力構造を批判し、社会変革を成し遂げるために人民に訴えかける主義や運動を指します。

まとめ

政治用語については過去問の一般知識問題を解いて学習することがお勧めです。

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02

本問は、統一的なテーマのないよく言えば風変わりな、悪く言えばいやらしい問題です。
メディアで見聞きすることの多い言葉を、無造作に選んで並べただけのように見えます。
テーマがないということは、とにかく知識量で押すだけという力ずくの解き方にならざるを得ませんが、知らないのはさすがに問題でしょうという常識的なものばかりなので、問題としてはきわめて易しいです。サービス問題と考えてもいいと思います。

選択肢1. 政党助成法は、衆議院または参議院に一定数以上の議席を有するか、議席を有して一定の国政選挙で有効投票総数の一定割合以上の得票があった政党に対して、政党交付金による助成を行う旨を規定している。

妥当です。


政党助成法は、一定の要件に該当する政党に対して助成のための政党交付金を交付することを定める法律です。

 

政党助成法第3条第1項「国は、この法律の定めるところにより、政党交付金の交付を受ける政党等に対する法人格の付与に関する法律(……)第4条第1項の規定による法人である政党に対して、政党交付金を交付する。」

 

政党助成法は、その是非はともかく、今日の政党政治を資金面から支援する法律です。
本来は、企業団体献金の規制(禁止)を視野に1994年に制定された法律のはずなのですが、企業団体献金の規制(禁止)は遅々として進んでいません。
政府与党はそういう話だったこと自体を否定しているようですが。

選択肢2. マス・メディアなどの情報に対して、主体的に世論を形成するためなどに、それらを批判的に読み解く能力は、メディア・リテラシーと呼ばれる。

妥当です。
 

メディアリテラシーとは、平たく言えば、メディアの情報を鵜呑みにすることなく、多角的に分析する能力のことです。

 

リテラシー(literacy)とはもともと、「識字能力」「読み書きの能力」という意味ですが、昨今は様々な分野分類において、頭にその分野分類を冠して、その分野分類で情報の適切な取捨選択分析理解発信を行うための基礎的な能力ないし素養のことを示すようになりました。
 

例えば金融分野であれば金融リテラシー、(インター)ネットに関しては(インター)ネットリテラシーなどと使います。

 

インターネットではソーシャルメディア(いわゆるSNS等)の発達により、個人は情報の受け手に留まらず発信者でもあるため、従来の情報の受け手としてのメディアリテラシーだけでなく、発信者としてのメディアリテラシーも重要になっています。

選択肢3. 政治資金規正法は、政治資金の収支の公開や寄附の規制などを通じ政治活動の公明と公正を確保するためのルールを規定している。

妥当です。
 

政治資金規正法は、文字通り、政治資金を規制する法律です。

 

政治資金規正法第1条「この法律は、議会制民主政治の下における政党その他の政治団体の機能の重要性及び公職の候補者の責務の重要性にかんがみ、政治団体及び公職の候補者により行われる政治活動が国民の不断の監視と批判の下に行われるようにするため、政治団体の届出、政治団体に係る政治資金の収支の公開並びに政治団体及び公職の候補者に係る政治資金の授受の規正その他の措置を講ずることにより、政治活動の公明と公正を確保し、もつて民主政治の健全な発達に寄与することを目的とする。」

 

条文の後半部分ほぼそのままです。

選択肢4. 有権者のうち、特定の支持政党を持たない層は、無党派層と呼ばれる。

妥当です。
 

まさしくその通りです。読んで字のごとく、党派が無いから無党派です。浮動層とも言います。

 

有権者が無党派層になる原因は時代により変遷があります。かつてのノンポリのような政治信条のないがゆえに政治に無関心な層だけでなく、今は、政治自体に無関心なわけではなく、既成政党に与しないだけという層も少なくありません。単に特定の支持政党がないという態度自体が同じだけです。


そして、無党派層が増加すると、いわゆる浮動票が増え、確実に得票の見込める固定票の割合が相対的に減少します。

そうなると当落に浮動票の影響が大きくなり、無党派層の支持をいかに取り付けるか、「無党派層の取り込み」というものが選挙選において重要な意味を有することがあります。

特に都市部では、人間関係における閉鎖的なしがらみが少なく、その傾向が強くなります。

選択肢5. 性差に起因して起こる女性に対する差別や不平等に反対し、それらの権利を男性と同等にして女性の能力や役割の発展を目指す主張や運動は、ポピュリズムと呼ばれる。

妥当ではありません。よってこの肢が正解です。


大雑把に言って男女の平等を目指す活動は、フェミニズム(feminism)です。ポピュリズム(populism)ではありません。

 

ポピュリズムとは、日本語では、大衆迎合主義、つまり、有権者の大半を占める大衆の支持を得るために大衆に迎合した政治的主張・政策を行うことを指します。

ただし、アメリカでpopulismは必ずしも否定的な意味ではなく、大衆を味方につけて既成の政治体制などを変革する政治的態度一般を指す言葉のようです。

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