保育士の過去問
平成27年(2015年)
社会的養護 問38
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問題
保育士試験 平成27年(2015年) 社会的養護 問38 (訂正依頼・報告はこちら)
次の文は、「児童養護施設入所児童等調査結果(平成25年2月1日現在)」(厚生労働省)の児童の状況に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を× とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 児童養護施設入所児の平均年齢は、児童自立支援施設入所児の平均年齢よりも高い。
B 里親委託児の委託時の平均年齢は、乳児院入所児の入所時の平均年齢よりも高い。
C 児童養護施設入所児の平均在所期間は、児童自立支援施設入所児の平均在所期間よりも長い。
D 里親委託児の委託経路で「家庭から」の割合は、児童養護施設入所児の入所経路の「家庭から」よりも高い。
E 児童自立支援施設入所児の就学状況別の「中学校」の割合は、情緒障害児短期治療施設入所児の就学状況別の「中学校」よりも高い。
A 児童養護施設入所児の平均年齢は、児童自立支援施設入所児の平均年齢よりも高い。
B 里親委託児の委託時の平均年齢は、乳児院入所児の入所時の平均年齢よりも高い。
C 児童養護施設入所児の平均在所期間は、児童自立支援施設入所児の平均在所期間よりも長い。
D 里親委託児の委託経路で「家庭から」の割合は、児童養護施設入所児の入所経路の「家庭から」よりも高い。
E 児童自立支援施設入所児の就学状況別の「中学校」の割合は、情緒障害児短期治療施設入所児の就学状況別の「中学校」よりも高い。
- (A)○ (B)○ (C)○ (D)○ (E)×
- (A)○ (B)○ (C)× (D)× (E)○
- (A)○ (B)× (C)× (D)○ (E)×
- (A)× (B)○ (C)○ (D)× (E)○
- (A)× (B)× (C)○ (D)× (E)○
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この過去問の解説 (3件)
01
A 不適切です。
児童養護施設の入所目的は、虐待されている児童、又は環境上擁護を必要とする児童です。被虐待児の年齢別割合の約5割は、3歳から小学生(2014(平成26年) 児童相談所より)となっており、この数字からも、施設の特徴としてこの時期に入所する最も多い年齢を推測出来ます。
次に、児童自立支援施設です。入所目的は、不良行為をなす、またはそのおそれのある児童などです。最も多いのは中学生で、家庭からの入所は6割、家庭裁判所を経て入所する児童は約2割います。このことから、児童自立支援施設入所時の平均年齢は、児童養護施設より高いと推測出来ます。
B 適切です。
里親委託は0歳から18歳までの児童を対象としています。
次に、乳児院です。原則0歳から1歳未満までの乳児を対象としています(就学前まで入院している例外もあり)。双方比較すると、平均年齢の高い方は里親委託と推測出来ます。
C 適切です。
児童養護施設の特徴はAの解説で記載したように、家庭での擁護に代わって、安全で安心出来る生活の場を提供する施設となります。退所となる場合は、親子の再構築をして家庭に戻る(約3割)、もしくは里親委託(約2割弱)などです。しかし、双方とも割合は少なく、15歳又は18歳まで入所したのち進学(入所延長措置有り)や就職をするなど、入所時の平均年齢(6.2歳)から退所までを考えると、比較的長く入所されると推測出来ます。
次に、児童自立支援施設です。
施設の特徴は、社会生活に適応出来る様に自立を支援するものです。職員や同じ施設の入所児童と過ごし、生活指導を受けながら人間関係の再構築をします。それらを経て、自宅に戻る(約8割)、もしくは児童養護施設に入所(約1割)して進学・就職などをします。
家庭に代わる生活の場を提供する施設ではないこと、適応能力を身に付けて退所とすること、最も多い入所年齢は中学生であること、これらをふまえると、平均在所期間の長い方は児童養護施設だと推測出来ます。
D 不適切です。
里親委託の特徴は、家庭的な雰囲気のもとで養育される事です。
里親委託児の保護者の状況は、「両親又は一人親有り」約5割、「両親ともいない」約4割となっています。
委託経路は、「家庭から」約5割、「乳児院」約3割、「児童養護施設」約2割です。
替わって、児童養護施設の特徴は、安全な場所で、安心出来る大人や仲間と一緒に集団生活をしながら養育される事です。
施設入所児の保護者の状況は、「両親又は一人親有り」約8割、「両親ともいない」約2割弱となります。
入所経路は、「家庭から」約7割、「乳児院」約2割です。
双方共、児童相談所を中心に委託や入所の決定となります。理由は様々で、里親委託で多いのは養育拒否、児童養護施設入所で多いのは母の放任・怠惰です。
里親・施設双方の特徴や、保護者の状況、委託・入所経路とその理由をふまえると、里親委託の委託経路の「家庭から」と、児童養護施設の入所経路の「家庭から」の割合、より高くなるのは後者であると推測出来ます。
E 適切です。
児童自立支援施設の入所時の最も多い年齢は、先にも述べたように中学生になります。
次に、情緒障害児短期治療施設(現・児童心理治療施設(2016・平成28年より))です。
施設の特徴は、社会不適応を起こしている児童に対し治療を行い、社会に適応出来るようにするものです。この場合の社会不適応とは、緘黙や、知能に問題のない学業不振の児童、チックなどの神経症のある児童等です。
これらの症状の最も多く現われる時期は、幼児期や小学生ぐらいである事をふまえると、施設入所時に中学生の就学状況別の割合の高い方は、児童自立支援施設だと推測出来ます。
以上の事から、正解は4となります。
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02
児童養護施設入所時の平均年齢は6.2歳であり、児童自立支援施設は13.1歳です。児童自立支援施設の主な入所者は中学生であることからも判断できます。よってAは×です。
B.正しい
C.正しい
D.里親委託の入所経路は、家庭から47%で、児童養護施設は68.2%です。よってDは×となります。
E.正しい
よって正解は4となります。
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03
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