保育士の過去問
平成28年(2016年)後期
児童家庭福祉 問50

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問題

保育士試験 平成28年(2016年)後期 児童家庭福祉 問50 (訂正依頼・報告はこちら)

次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。

【事例】
P君(2歳児クラス)の着替えを手伝っていた担任のQ保育士が、P君の腕や太ももなど、不自然なところにアザがあるのを見つけた。P君に尋ねても要領を得なかった。P君の母親Rさんが迎えに来た際、話を聞いたところ、こわばった表情で「転んだのではないか。よくわからない」と答えた。Q保育士は所長や主任保育士にこの件についてすぐに報告し、S市役所に相談した上で、保育所全体でP君やRさんを意識して見守りつつ、声をかけるようにした。
一週間後、改めてRさんにP君のアザのことを尋ねると、「夫が躾のためにつねったり、たたいたりしているのを見た」と話した。さらに、RさんはP君の前で夫から暴力を受けていることについて示唆した。

【設問】
次の文のうち、Rさんに対するQ保育士の面接の際の対応として適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A  「暴力を受けていたなんて大変でしたね」と共感し、受け止める。
B  「もしよかったら、今後のことについて園長や主任も交えて一度話し合いをしませんか」と提案する。
C  「一刻も早くご主人と別れないと、P君もRさんも大変なことになりますよ」と忠告する。
D  「今の時点では何とも言えませんので、しばらく様子を見ましょう」と伝える。
  • ( A )○  ( B )○  ( C )○  ( D )○
  • ( A )○  ( B )○  ( C )×  ( D )○
  • ( A )○  ( B )○  ( C )×  ( D )×
  • ( A )×  ( B )×  ( C )○  ( D )○
  • ( A )×  ( B )×  ( C )×  ( D )×

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この過去問の解説 (4件)

01

A 

「受容」は、ケースワークの基本的技法である「バイステックの7原則」のひとつです。

B 

園の考えを押し付けるのではなく、個人個人の事情などを汲み取り、相談者を主体にしながらも、ともに解決していく姿勢が大切です。

C 
×
やみくもに忠告や不安を与えるのではなく、相談者の気持ちに寄り添いながら、ともに考え、解決していく姿勢が大切です。

D
×
虐待の可能性が疑われる場合は、関係機関と連携をとり、早めに対応をする必要があります。

以上のことから、正解は 3 です。

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02

A:○ 共感したり保護者の思いを受け止めたりすることは、信頼関係を築いたり保護者の心を開くきっかけになったりするので、とても大切なことです。

B:○ 一方的に押し付けるのではなく、一緒に考えていく方法を提案することが大切です。また、園全体で自分たちのことを考えてくれているんだという信頼感や安心感にもつながります。

C:× 保護者自身も現在の状況が悪いと分かっていてもどうすればよいか分からない場合もあるため、一方的な忠告は悪影響です。

D:× さらに虐待が悪化していく可能性もあるため、関係機関との連絡や今できることから動いていく必要があります。

よって正解は 3 です。

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03

正解は3です。

A 適切です。母親の状況に対して話しを聞き、思いに共感し受容することは支援をする立場として大切なことです。

B 適切です。母親の悩みについて園全体で共有し対応を考えていくことが大切です。

C 母親が自分自身を責めてしまい周りに相談できずにいるなど様々な状況を踏まえ、忠告するのではなく、話しを聞き不安や悩みに寄り添うことが大切です。

D 保育者には虐待の通告義務があります。DVや虐待が疑われた場合、すぐに児童相談所などの相談機関に連絡する必要があります。

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04

正解は3です。

A ○ 適切です。
共感し、受け止めることは保護者の安心につながります。

B ○ 適切です。
情報を園全体で共有し、具体的な対応を考えることは保護者にとって信頼する気持ちが高まります。

C × 不適切です。
保護者に対し、個人的な見解を述べたり、否定的な対応をすることは不信感につながり、不適切です。

D × 不適切です。
虐待の可能性があり、またRさんが暴力を受けていることを示唆しているので緊急性が高い事例です。
「様子をみる」という消極的な対応は不適切です。

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