保育士の過去問
平成29年(2017年)前期
保育の心理学 問96
このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。
問題
保育士試験 平成29年(2017年)前期 保育の心理学 問96 (訂正依頼・報告はこちら)
次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。
【事例】
最近4歳児クラスに入所してきたPちゃん(女児)が自由遊びの時間に、破れた折り紙を手に持って、保育室の隅で小さい声で泣き始めた。同じクラスのH君(男児)はPちゃんが泣いていることに気づいて、自分のお絵描き遊びの手を止めて「どうしたの?」と近づき、自分のポケットティッシュを取り出しPちゃんに渡すと、Pちゃんは涙を拭いた。
H君が「折り紙ほしいの?」とたずねると、Pちゃんはうなずいたので、H君は保育室の子ども用の道具棚から折り紙を取り出し、「ここから出して使うんだよ」と優しくPちゃんに教えて、折り紙を渡した。そのあとH君は自分のお絵描き遊びに戻っていった。
【設問】PちゃんへのH君の行動に関する用語として、最も適切なものを一つ選びなさい。
【事例】
最近4歳児クラスに入所してきたPちゃん(女児)が自由遊びの時間に、破れた折り紙を手に持って、保育室の隅で小さい声で泣き始めた。同じクラスのH君(男児)はPちゃんが泣いていることに気づいて、自分のお絵描き遊びの手を止めて「どうしたの?」と近づき、自分のポケットティッシュを取り出しPちゃんに渡すと、Pちゃんは涙を拭いた。
H君が「折り紙ほしいの?」とたずねると、Pちゃんはうなずいたので、H君は保育室の子ども用の道具棚から折り紙を取り出し、「ここから出して使うんだよ」と優しくPちゃんに教えて、折り紙を渡した。そのあとH君は自分のお絵描き遊びに戻っていった。
【設問】PちゃんへのH君の行動に関する用語として、最も適切なものを一つ選びなさい。
- 間主観的行動
- レジリエンス
- 情動抑制行動
- 向社会的行動
- アサーション
正解!素晴らしいです
残念...
この過去問の解説 (3件)
01
1、間主観的行動
間主観性とは相互主観性ともいわれます。「相手の気持ちなって考えようね」という言葉がけをよく耳にしますが、間主観性とはまさに「相手の気持ちになる」ということです。
相手の気持ちといっても、自分から見えるのは相手の外見(仕草・表情・行動)であり、相手の心の中までは見ることはできません。
あくまでも自分の主観において相手の気持ちを察する行動のことを間主観的行動といいます。
2、レジリエンス
レジリエンスとは「復元力、回復力、弾力」という意味の言葉です。
心理学的には「困難な状況にも関わらず、しなやかに適応して生き延びる力」という意味で使われるケースが多いです。
3、情動抑制行動
感情の中でも、一時的で急激な感情のことを情動といいます。
間主観性の解説にも書きましたが、人には「相手の気持ち」を考える能力があります。
日常の中で自分にとっては嬉しいことでも相手にとっては嬉しくないこと、というのはよくあることです。
例えば、自分は虫が好きだけれど相手は虫が嫌いだという時。自分は虫取りがしたいけれど、相手は虫が嫌いだから今回は違うことをして遊ぼう、と相手の気持ちを踏まえ、自分の感情を抑えた選択をすることを情動抑制行動といいます。
4、向社会的行動
向社会的行動とは、見返りを求めることなく誰かのために役立つことをする行動のことを指します。
5、アサーション
アサーションとは直訳すると「主張」や「断言」といった言葉になります。
コミュニケーションスキルの1つとして使われます。単に自己主張をするということではなく、相手のことを考慮した上での主張、という意味合いになります。
今回の問題ではPちゃんへのH君の行動に近いものを選択しなければなりません。
H君は、最近入所してきたPちゃん(他人)に対して泣いていることを気遣い、困っている事柄について優しく教えてあげました。
他人に対して、見返りを求めることなく役に立とうとしている点から、解答として4が選択できます。
「相手の気持ちを察する」という点では1の間主観的行動と迷いそうになりますが、今回の事例では、H君の頭の中でPちゃんの困っていることを考えるだけではなく、困っているPちゃんに直接「どうしたの?」と声をかけ問題を解決していることがポイントです。
参考になった数23
この解説の修正を提案する
02
事例から、H君の頭の中でPちゃんの困っていることを考えるだけではなく、困っているPちゃんに直接「どうしたの?」と声をかけ問題を解決しています。
「向社会的行動」とは、外的報酬など期待せず、相手のためになることを自発的に行うことをいいます。
そこから、「向社会的行動」と判断できます。
1 間主観的行動は、相手の視線や声、表情やジェスチャーを通じて相手の感情を感じ取る行動です。
2 レジリエンスは、ストレス等をはね返す力で、回復力、復元力、耐久力といった意味です。
3 情動抑制行動は、自分の感情をコントロールしたり、相手の気持ちを考えるといった行動です。
5 アサーションは、自分の考えや気持ちを相手に伝えながら、相手の気持ちを大切にする、自己表現、自己主張という意味です。
参考になった数4
この解説の修正を提案する
03
「向社会的行動」とは、外的な報酬(見返り)を求めることなく、相手のために自発的に行動することを言います。HくんはPちゃんが折り紙がある場所がわからず泣いているところを、自分から声をかけ助けています。この行動は「向社会的行動」であると言えます。
以下は補足です。
1 間主観的行動とは、相手の視線や声、仕草などから相手の感情を読み取る行動のことを言います。
2 レジリエンスとは、ストレスを跳ね返す力、問題が起きた時にしなやかに対応して解決することを言います。
3 情動抑制行動とは、相手の気持ちを考えたうえで、自分の感情を抑制し行動に移すことを言います。
5 アサーションとは、相手の気持ちを受け止め、大切にしながらも、自分の主張もしていくことを言います。
参考になった数2
この解説の修正を提案する
前の問題(問95)へ
平成29年(2017年)前期問題一覧
次の問題(問97)へ